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JP1 Version 11 JP1/Advanced Shell 


3.10.1 カバレージ情報の概要

カバレージ情報とは,プログラムのテストがどれだけ網羅されているかを示す指標です。カバレージ情報の指標にはC0情報とC1情報があります。

〈この項の構成〉

(1) C0情報とC1情報

C0情報とC1情報について説明します。

(2) カバレージ情報の機能

カバレージ情報は,ジョブ定義スクリプトをテストするときの参考資料として使用できます。また,カバレージ情報を蓄積,表示またはマージできます。カバレージ情報の取得対象については,「付録A カバレージ情報を取得する対象」を参照してください。

カバレージ情報の採取,表示およびマージ方法には,WindowsとUNIXとで次の表で示す相違点があります。

表3‒5 WindowsとUNIXでのカバレージ情報の採取,表示およびマージの相違点

環境

カバレージ情報の採取

カバレージ情報の表示

カバレージ情報のマージ

Windowsの開発環境

JP1/Advanced Shellエディタのデバッグ機能を使用してカバレージ情報を採取します。採取した情報はカバレージ情報ファイルに蓄積されます。

実行環境の設定で「カバレージを蓄積する」を選択しないとカバレージ情報は採取しません。

カバレージ採取の一括有効化機能は利用できません。

次のどちらかの方法で表示できます。

  • adshcvshowコマンド

  • JP1/Advanced Shellエディタ

adshcvmergコマンドでマージします。

エディタではマージできません。

Windowsの実行環境

ジョブ定義スクリプト実行時にadshexecコマンドでカバレージの蓄積オプション(-t)を指定して,カバレージ情報を採取します。採取した情報はカバレージ情報ファイルに蓄積されます。

デバッグ機能は使用できません。

adshcvshowコマンドで表示します。

adshcvmergコマンドでマージします。

UNIXの実行環境

adshexecコマンドで次のオプションを指定します。両方のオプションを指定することもできます。

  • カバレージの蓄積オプション(-t)を指定してカバレージ情報ファイルに採取します。

  • デバッグオプション(-d)を指定してメモリに採取します。

  • カバレージ情報ファイルに採取した場合,adshcvshowコマンドで表示します。

  • メモリに採取した場合,info coverageコマンドで表示します。

adshcvmergコマンドでマージします。

異なるプラットフォーム間でのカバレージ情報の相互運用で,次の注意が必要です。

  • 異なるプラットフォーム間でカバレージ情報を転送しないでください。

  • 採取したカバレージ情報ファイルは,他OSのコマンドでは処理できません。

注※

adshcvmergコマンドによって,1回の実行につき2つのカバレージ情報ファイルのカバレージ情報をマージできます。3つ以上のカバレージ情報ファイルのカバレージ情報をマージする場合は,このコマンドを複数回実行して,カバレージ情報のマージを繰り返してください。