7.9.1 JP1/AJS3が動作しているホストの名称を変更する
JP1/AJS3が動作しているホストの名称を変更する手順を,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,およびJP1/AJS3 - Web Consoleの場合に分けて説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) ホスト名変更に関する注意事項
-
ホスト名変更前に,メッセージなどで変更前のホスト名が使用されていても,JP1/AJS3の動作には影響ありません。ただし,ユーザープログラムでログファイルなどを参照している場合は注意してください。
-
ホスト名変更後に,ホスト名変更前に実行されたジョブの詳細結果を表示した場合,実行先ホスト名に変更前のホスト名が表示されますが,JP1/AJS3の動作には影響ありません。
-
JP1/AJS3内で,FQDN形式でホスト名を定義しないでネットワーク環境のドメイン名だけを変更した場合には,この項で説明している操作(ホスト名変更手順)の必要はありません。ただし,JP1/Baseの認証サーバ名をFQDN形式で指定している場合には,「(2) JP1/AJS3 - Managerのホスト名を変更する」の手順9に従ってユーザーマッピングの設定を変更する必要があります。
-
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用していてホスト名を変更する場合は,実行エージェントの定義情報とQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義情報の両方を変更する必要があります。
(2) JP1/AJS3 - Managerのホスト名を変更する
JP1/AJS3 - Managerのホスト名を変更する操作の前に,次のことをしておいてください。
- 事前準備
-
-
リモートジョブネットを使用している場合は,ホスト名変更前にリモートジョブネットの実行登録を解除しておく。
-
イベントジョブを実行している場合は,イベントジョブを実行しているエージェントホストのJP1/AJS3をすべて停止しておく。
-
JP1/AJS3 - Managerのホスト名を変更する手順を次に示します。
-
JP1/AJS3 - Viewをログオフする。
-
ajsprintコマンドでジョブネットの定義をバックアップする。
ここで取得したバックアップは,手順12で使用します。
バックアップの方法については,「2.2.2(4) ユニット定義のバックアップ」を参照してください。
-
ajsagtprintコマンドで実行エージェントの定義をバックアップする。
ここで取得したバックアップは,手順13で使用します。バックアップの方法については,「2.2.2(2) 実行エージェント情報のバックアップ」を参照してください。
-
マネージャーホストで次のサービスが起動中であれば停止する。
-
マネージャーホスト内の物理ホストおよびすべての論理ホストのJP1/AJS3サービス
-
JP1/AJS3 Queueless Agentサービス
-
JP1/AJS3 Queueless File Transferサービス
-
JP1/AJS3 Check Agentサービス
-
JP1/AJS3 Check Managerサービス
-
-
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合は,jpqexportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義をバックアップする。
ここで取得したバックアップは,手順7で使用します。バックアップの方法については,「2.2.2(3) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義のバックアップ」を参照してください。
-
マネージャーホストの物理ホストのホスト名,または論理ホスト名を変更する。
マネージャーホストのホスト名を変更してください。物理ホストのホスト名を変更する場合には,ホスト名を変更してください。
また,クラスタシステムを運用している場合で,かつ論理ホスト名を変更したときは,変更前の論理ホスト名を削除し,変更後の論理ホスト名に対して,クラスタ運用ができるように再セットアップしてください。
- Windowsの場合
-
論理ホスト名の削除方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8.2.8 論理ホストの削除」を参照してください。
クラスタシステムのセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8. クラスタ運用時のセットアップ」を参照してください。
- UNIXの場合
-
論理ホスト名の削除方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17.2.8 論理ホストの削除」を参照してください。
クラスタシステムのセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17. クラスタ運用時のセットアップ」を参照してください。
-
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合は,jpqimportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境を再作成する。
QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境を再作成する方法については,「2.3.3(5) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の作成」を参照してください。
なお,論理ホストの場合は手順6で再作成しているため,この操作は不要です。
-
データベース環境を再セットアップする。
物理ホストのホスト名を変更した場合,物理ホストおよび論理ホストに構築したすべての組み込みDBのデータベース環境を再セットアップする必要があります。再セットアップの手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.4.1(6) 組み込みDBの再セットアップ」の手順3から手順7までを実施してください。
クラスタ構成の場合は実行系ホストの再セットアップを実施したあと,待機系ホストで,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5.2(6) 組み込みDBの再セットアップ」の手順を実施してください。なお,論理ホスト名を変更する場合は,手順6の論理ホストの削除およびクラスタシステムのセットアップによって,データベース環境が再セットアップされるため,この手順は不要です。
-
名称を変更しようとしているホストを認証サーバ(JP1/Baseの機能)としても使用している場合は,ユーザーマッピングの設定を変更する。
- Windowsの場合
-
[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[ユーザーマッピング]タブで[JP1ユーザー]の[サーバホスト名]に定義しているホスト名を,変更後の名称に変更します。
- UNIXの場合
-
ユーザーマッピング定義ファイル(jp1BsUmap.conf)に定義しているホスト名を,変更後の名称に変更します。そのあと,jbsmkumapコマンドを実行します。
ユーザーマッピングの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
イベントジョブを使用している場合は,手順10に進んでください。使用していない場合は,手順11に進んでください。
-
イベントジョブを使用している場合は,イベントジョブを実行しているエージェントホストおよびマネージャーホスト(自ホストを含む)上で,jpoagoecコマンドを実行し,エージェントホストのJP1/AJS3サービスをコールドスタートする。
名称を変更しようとしているマネージャーホストから依頼を受けてイベントジョブを実行しているすべてのホストで,jpoagoecコマンドを実行してください。コマンド実行手順は次のとおりです(手順は,ManagerHostBをManagerHostCに変更する場合を例に説明します)。
-
「jpoagoec -p」コマンドを実行し,現在,イベント・アクションエージェント機能が記憶しているマネージャーホスト名を確認します。
(表示例)
ManagerHostA
ManagerHostB
-
「jpoagoec -d ManagerHostB」コマンドを実行し,ホスト名変更前のマネージャーホスト名を削除します。
-
エージェントホストのJP1/AJS3サービスをコールドスタートします。
Windowsの場合
コントロールパネルの[管理ツール]をダブルクリックします。
表示される[管理ツール]ダイアログボックスで,[サービス]をダブルクリックします。
起動させたいJP1/AJS3のサービス名を選択したあと,[操作]−[プロパティ]を選択します。
表示される[サービス名のプロパティ]ダイアログボックスの[全般]タブで,[開始パラメータ]にスタートモードとして「-cold」を指定します。
そのあと,[開始]ボタンをクリックします。
UNIXの場合
「jajs_spmd -cold [-h 論理ホスト名]」コマンドを実行します。
-
-
通信暗号化機能を使用している場合で,かつサーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する。
サーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する必要があります。サーバ証明書を再取得した場合で,発行元のCAが元のサーバ証明書の発行元のCAと異なるときは,さらにルート証明書の再取得と再配置も必要です。
サーバ証明書およびルート証明書の取得と配置方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.4 SSLを利用した通信の設定」を参照してください。
-
マネージャーホストのJP1/AJS3サービスをコールドスタートする。
ホスト名を変更した物理ホストまたは論理ホストをコールドスタートしてください。
-
手順2でバックアップしたジョブネット定義をajsdefineコマンドなどで回復する。
リカバリーの方法については,「2.3.3(8) ユニット定義のリカバリー」を参照してください。
-
手順3でバックアップした実行エージェント定義をajsagtaddコマンドで回復する。
リカバリーの方法については,「2.3.3(7) 実行エージェント情報のリカバリー」を参照してください。
-
手順4で停止したサービスを,必要に応じて起動する。
-
マネージャーホスト上で運用に必要なジョブネットを再実行登録する。
手順12でマネージャーホストをコールドスタートしているため,ジョブネットの実行登録がすべて解除されています。運用に必要なジョブネットを再実行登録してください。
-
JP1/AJS3 - Web Consoleを使用している場合は,JP1/AJS3 - Web Consoleの環境設定ファイル(ajs3web.conf)で,接続先マネージャーホスト名を変更し,JP1/AJS3 Web Application Serverサービスを再起動する。
環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Linuxの場合)を参照してください。
-
JP1/AJS3 - Web Consoleを使用している場合で,マネージャーホストにJP1/AJS3 - Web Consoleをインストールしているときは,Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)に変更後のホスト名を設定し,JP1/AJS3 HTTP Serverサービスを再起動する。
Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.5 Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.5 Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の設定項目の詳細」(UNIXの場合)を参照してください。
-
JP1/AJS3 - Web Consoleを使用している場合で,名称を変更しようとしているマネージャーホストのユニットをWeb GUIの[ダッシュボード]画面の監視対象として設定しているときは,新しいホスト名でログインしたあとに監視対象を再設定する。
ログイン時の[接続ホスト名]にIPアドレスを指定している場合,再設定は不要です。
-
JP1/AJS3 - Web Consoleを使用している場合で,マネージャーホストにJP1/AJS3 - Web Consoleをインストールしている,かつJP1/IM連携の設定をしているときは,JP1/IMから呼び出すWeb Consoleサーバのホスト名の設定を変更する。
JP1/IMと連携する場合の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 11.2 JP1/IM連携時のセットアップ」を参照してください。
-
JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携時に,NNMの監視ホストとして使用しているホストの名称を変更する場合は,監視されるJP1/AJS3がインストールされているWindowsのホストでSNMPトラップの送信先を変更する。
SNMPトラップの送信先を設定する手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 付録A.2(3) SNMPトラップの送信先を設定する」を参照してください。
なお,JP1/AJS3がインストールされているホストがUNIXの場合,SNMPトラップの送信先の設定は不要です。
(3) JP1/AJS3 - Agentのホスト名を変更する
JP1/AJS3 - Agentのホスト名を変更する場合は,実行エージェントの運用に使用するコマンドで変更します。また,QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合は,手順4も実施してください。
JP1/AJS3 - Agentのホスト名を変更する手順を次に示します。
-
名称を変更しようとしているエージェントホストを実行先として実行登録しているジョブネットを終了し,登録解除する。
-
名称を変更しようとしているエージェントホストの次のサービスが起動中であれば停止する。
-
エージェントホスト内の物理ホストおよびすべての論理ホストのJP1/AJS3サービス
-
JP1/AJS3 Queueless Agentサービス
-
JP1/AJS3 Check Agentサービス
-
-
マネージャーホストでajsagtaltコマンドを実行して,名称を変更しようとしているエージェントホストが定義された実行エージェント情報のホスト名を変更する。
ajsagtaltコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtalt」を参照してください。
-
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合は,マネージャーホストでjpqagtdelコマンドを実行し,変更前のエージェントホストを削除したあとにマネージャーホストでjpqagtaddコマンドを実行して変更後のエージェントホストを追加する。
jpqagtdelコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド jpqagtdel」を参照してください。
エージェントホストを追加した直後は,同時に作成されたデフォルトキューでジョブの受付口が閉じています。必要に応じてデフォルトキューの属性を変更してください。
jpqagtaddコマンドおよびデフォルトキューの属性の変更方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド jpqagtadd」を参照してください。
-
エージェントホストのホスト名を変更する。
エージェントホスト名を変更してください。
また,クラスタシステムを運用している場合で,かつ論理ホスト名を変更したときは,変更前の論理ホスト名を削除し,変更後の論理ホスト名に対して,クラスタ運用ができるように再セットアップしてください。
- Windowsの場合
-
論理ホスト名の削除方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8.2.8 論理ホストの削除」を参照してください。
クラスタシステムのセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8. クラスタ運用時のセットアップ」を参照してください。
- UNIXの場合
-
論理ホスト名の削除方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17.2.8 論理ホストの削除」を参照してください。
クラスタシステムのセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17. クラスタ運用時のセットアップ」を参照してください。
-
通信暗号化機能を使用している場合で,かつサーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する。
サーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する必要があります。サーバ証明書を再取得した場合で,発行元のCAが元のサーバ証明書の発行元のCAと異なるときは,さらにルート証明書の再取得と再配置も必要です。
サーバ証明書およびルート証明書の取得と配置方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.4 SSLを利用した通信の設定」を参照してください。
-
エージェントホストのJP1/AJS3サービスをコールドスタートする。
コールドスタートの手順については,「6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」を参照してください。
- 注意事項
-
変更後のエージェントホストとマネージャーホストの間で通信ができることを確認してください。
-
手順2で停止したサービスを,必要に応じて起動する。
-
ジョブネットを再度実行登録して運用を再開する。
手順1で登録解除したジョブネットを,必要に応じて再度実行登録してください。
(4) JP1/AJS3 - Web Consoleのホスト名を変更する
JP1/AJS3 - Web Consoleのホスト名を変更する際に必要な手順について説明します。
なお,ここで説明する手順は,JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerを別々のホストにインストールした場合の手順です。JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerを同一のホストにインストールした場合のホスト名の変更手順については,「(2) JP1/AJS3 - Managerのホスト名を変更する」を参照してください。
-
Web ConsoleサーバのJP1/AJS3 HTTP ServerサービスとJP1/AJS3 Web Application Serverサービスを停止する。
-
Web Consoleサーバのホスト名を変更する。
Web Consoleサーバのホスト名を変更してください。
-
通信暗号化機能を使用している場合で,かつサーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する。
サーバ証明書のCNまたはSANと異なるホスト名に変更する場合は,サーバ証明書を取得し直して再配置する必要があります。サーバ証明書を再取得した場合で,発行元のCAが元のサーバ証明書の発行元のCAと異なるときは,さらにルート証明書の再取得と再配置も必要です。
サーバ証明書およびルート証明書の取得と配置方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.4 SSLを利用した通信の設定」を参照してください。
-
Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)に,変更後のホスト名を設定する。
Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.5 Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.5 Webサーバ定義ファイル(httpsd.conf)の設定項目の詳細」(UNIXの場合)を参照してください。
-
JP1/IM連携時に,JP1/IMから呼び出すWeb Consoleサーバのホスト名の設定を変更する。
JP1/IMと連携する場合の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 11.2 JP1/IM連携時のセットアップ」を参照してください。
-
Web ConsoleサーバのJP1/AJS3 HTTP ServerサービスとJP1/AJS3 Web Application Serverサービスを起動する。