7.1.10 JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定
ジョブ情報削除処理は,環境設定で指定したジョブ情報削除の基準時刻,およびJP1/AJS3サービス起動時に実行されます。ジョブ情報削除の基準時刻に実行される場合は基準時刻を基点として保存日数を超えたジョブ情報が削除の対象です。また,JP1/AJS3サービス起動時に実行される場合,JP1/AJS3起動時刻を基点として保存日数を超えたジョブ情報すべてが削除の対象です。ジョブを大量に実行している状況でクラスタ構成によるフェールオーバーや,システム障害などによってJP1/AJS3サービスが再起動された場合,ジョブ情報の削除処理と競合してジョブの実行性能が低下することがあります。
次に示すどちらかのオプションを使用してJP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報の削除処理を抑止することで,ジョブ情報の削除処理とジョブ実行の競合を回避できます。
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JP1/AJS3サービス起動時にジョブ情報削除の基準時刻を基点として保存日数を超えているジョブ情報を削除する。
JP1/AJS3サービス起動時,ジョブ情報削除の基準時刻からJP1/AJS3サービス起動時刻までの間に保存日数を超えたジョブ情報については削除しません。前回のジョブ情報削除の基準時刻にJP1/AJS3サービスが停止していてジョブ情報削除処理が実施されなかった場合に,ジョブ情報削除の基準時刻を基点として保存日数を超えているジョブ情報が残っていることがあります。その場合は,JP1/AJS3サービス起動時に,これらのジョブ情報だけを削除します。
ジョブ情報削除の基準時刻にJP1/AJS3サービスを停止しないでジョブ情報削除処理を実施して,ジョブ情報削除の基準時刻を基点として保存日数を超えているジョブ情報を削除する運用であれば,JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理を抑止できます。
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JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報の削除処理を抑止する。
JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理を抑止します。
JP1/AJS3の運用を長期間停止した場合,JP1/AJS3サービスを起動して運用を再開する際,保存日数を経過して削除対象となるジョブ情報が大量に存在する場合があります。削除対象となるジョブ情報が大量に存在すると,JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理によってISAMファイルに対する入出力が集中し,JP1/AJS3サービス起動直後に実行するジョブの実行性能に影響を与えるおそれがあります。
JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理を抑止する設定にすると,JP1/AJS3サービス起動時にジョブ情報の削除を行わないで,基準時刻にだけジョブ情報を削除します。それによって,JP1/AJS3サービス起動直後に実行するジョブの実行性能に影響を与えないようにできます。ただし,ジョブ情報削除の基準時刻にJP1/AJS3サービスを停止する運用の場合はこの設定をしないでください。
ジョブ情報削除の基準時刻にJP1/AJS3サービスを停止する運用の場合,ジョブ情報削除の基準時刻にジョブ情報が削除されないで蓄積されていくため,ジョブ実行環境データベースのディスク占有量が増加し続けます。ジョブ実行環境データベースのディスク占有量が増加すると,JP1/AJS3サービスの起動に失敗したり,ジョブが実行できなくなったりするほか,JP1/AJS3以外のプログラムにも影響を与えるおそれがあります。
ジョブ情報の保存日数を1日以上設定している場合に,JP1/AJS3サービス起動時にジョブ情報の削除処理を抑止するように設定する手順を次に示します。
(1) 定義手順
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JP1/AJS3のサービスを停止する。
- Windowsの場合
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止します。
・JP1/AJS3サービス
- UNIXの場合
-
次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
注※ 自動停止の設定がされていることを確認してください。
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次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
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JP1/AJS3を再起動する。
設定した内容が反映されます。
(2) 環境設定パラメーター一覧
定義キー |
環境設定パラメーター |
定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQMANAGER\Database]※ |
"StartUpDelete"= |
JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する定義 |
- 注※
-
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5.2(9) StartUpDelete」を参照してください。
(3) JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定と動作
JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定と,削除処理を行うかどうかの関係について次に示します。
JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定 |
JP1/AJS3起動時のジョブ情報削除処理 |
削除対象のジョブ情報の基点となる時刻 |
---|---|---|
0 |
○※ |
基準時刻 |
1 |
○ |
JP1/AJS3サービス起動時刻 |
2 |
× |
− |
- (凡例)
-
○:削除処理を行う
×:削除処理を行わない
−:該当なし
- 注※
-
前回のジョブ情報削除の基準時刻にジョブ情報が削除されていれば,JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理ではジョブ情報を削除しません。