4.5.4 JP1/AJS3 - Viewから実行するJP1/AJS3のコマンドについて検討する
JP1/AJS3のコマンドは,マネージャーホストからだけではなく,JP1/AJS3 - Viewからも実行できます。JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドを実行することで,マネージャーホストにログインしないで,JP1/AJS3 - Managerの稼働状況や,ジョブの定義情報などを取得できるようになります。JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドを実行するには,事前に幾つかの検討や設定が必要です。ここでは,JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドを実行する場合の検討項目について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) JP1/AJS3 - Viewから実行を許可するJP1/AJS3のコマンドを検討する
JP1/AJS3 - Viewから実行できるJP1/AJS3のコマンドを次に示します。
項番 |
コマンド |
説明 |
---|---|---|
1 |
ajslogprint |
スケジューラーログの情報を抽出し,出力する。 |
2 |
ajsprint |
ユニットの定義内容を出力する。 |
3 |
ajsshow |
ユニットの実行履歴,現在の状態,次回実行予定などを出力する。 |
4 |
ajsstatus |
スケジューラーサービスの運用環境を出力する。 |
JP1/AJS3 - Managerでは,これらのコマンドのうち,どのJP1/AJS3のコマンドの実行をJP1/AJS3 - Viewのユーザーに許可するのかを設定します。運用に応じて,JP1/AJS3 - Viewからの実行を許可するJP1/AJS3のコマンドを検討してください。
コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド」を参照してください。
(2) JP1/AJS3のコマンドの実行を許可するJP1ユーザーを検討する
どのJP1ユーザーにどのJP1/AJS3のコマンドの実行を許可するのかを検討します。JP1/AJS3 - Viewからの実行を許可するJP1/AJS3のコマンドは,あらかじめマネージャーホスト上の実行許可コマンド設定ファイル(jajsExecutableCommand)に定義しておく必要があります。実行許可コマンド設定ファイルを作成することで,JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドが実行できるようになります。実行許可コマンド設定ファイルは,格納先によって,全JP1ユーザー共通の設定,またはJP1ユーザーごとの設定にすることができます。
実行許可コマンド設定ファイルの格納方法を次の図に示します。
JP1ユーザーごとのファイルと,全JP1ユーザー共通のファイルをどちらも格納した場合,JP1ユーザーごとの設定ファイルが優先されます。実行許可コマンド設定ファイルの設定例を次の図に示します。
- 注意事項
-
多くのJP1ユーザーにJP1/AJS3のコマンドの実行を許可すると,同時に複数のユーザーがコマンドを実行するおそれがあります。この場合,マネージャーホストの負荷が大きくなり,JP1/AJS3の運用に影響を与えるおそれがあります。そのため,JP1/AJS3 - Viewからの実行を許可するコマンドは,JP1ユーザーごとに検討および設定することを推奨します。
実行許可コマンド設定ファイルの設定手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 11.1.1 カスタマイズ方法の種類」を参照してください。
(3) JP1ユーザーの権限を検討する
JP1/AJS3 - Viewから実行するJP1/AJS3のコマンドは,JP1/AJS3 - ViewからマネージャーホストにログインしたときのJP1ユーザーの権限で実行されます。このため,JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドを実行するJP1ユーザーに,コマンドの実行に必要な権限があるか確認してください。
JP1/AJS3のコマンドの実行に必要なJP1ユーザーの権限については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド」を参照してください。
(4) 登録するJP1/AJS3のコマンドを検討する
JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3のコマンドを実行するには,実行するコマンドの引数や実行結果の出力先をJP1/AJS3 - Viewであらかじめ登録しておく必要があります。
登録した内容は,ユーザー共通プロファイルを利用することで,ほかのJP1ユーザーと共有できます。そのため,システム管理者がコマンドの引数や実行結果の出力先を登録してから,JP1/AJS3 - Managerホストにユーザー共通プロファイルをアップロードして,各JP1ユーザーにダウンロードさせる運用を推奨します。
なお,コマンドの引数にユニット名を指定する場合,総称名や-Rオプションを指定すると,処理対象となるユニットの数が多くなるため,コマンドの実行に時間が掛かるおそれがあります。ユニット名に総称名や-Rオプションを指定しないようにするか,指定する必要がある場合は,-E,-L,または-Tオプションを使用して,対象のユニットを絞り込むようにすることを推奨します。
コマンドの登録方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 10.4.1 JP1/AJS3のコマンドを登録する」を参照してください。