9.2.5 共通メッセージログに「KAVL17016-W パフォーマンスデータが前回のデータと同じため,Storeデータベースに保存しません」というメッセージが出力される
インスタンス内のすべての監視対象ホストで性能情報の収集が完了する時間が,収集プロセスの収集間隔(インスタンス環境の「Interval」の設定値),および各性能情報の収集間隔(各レコードの「Collection Interval」の設定値)よりも大きい場合,共通メッセージログにKAVL17016-Wのメッセージを出力し,性能情報の収集をスキップすることがあります。
各収集間隔の設定値は,次に示す見積もり方法を参考に見積もりを実施した値に15秒以上の余裕を持った値を設定してください。
■収集間隔の設定値の見積もり方法
次に示す流れで収集間隔の設定値の見積もりを実施してください。
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すべての監視対象の収集時間の計測
リリースノートのレコードの収集に関する注意事項に記載している接続テストの手順を実施して,収集時間を計測してください。ここで計測したすべての監視対象のホストの収集に必要な時間から最大値を抽出します。
- 注※
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監視対象ホスト1台当たりの性能情報の取得に掛かる平均時間の目安は,監視対象ホストがWindowの場合は5秒,監視対象ホストがUNIXの場合は20秒です。測定結果がこれらの値を大きく上回る場合は,測定結果が上記の平均時間の目安に近い値となるように,ご使用環境を見直してください。
- メモ
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■運用開始後の環境での収集時間の確認
運用開始後の環境では,次に示すPFM - RM for Platformのログファイルの出力内容から収集開始時間と収集完了時間の差を算出することで,収集時間(インスタンス内のすべての監視対象ホストで性能情報の収集が完了する時間)を確認できます。
●ログファイル名
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Windowsの場合
インストール先フォルダ\agt7\agent\インスタンス名\log\timer_01
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UNIXの場合
インストール先ディレクトリ/agt7/agent/インスタンス名/log/timer_01
●ログファイルの記載例と収集時間の算出
<収集開始時間>
2016/03/16 11:20:10.135 TimerThread.cpp 141 I collecting start
<収集完了時間>
2016/03/16 11:20:47.923 TimerThread.cpp 144 I collecting end
<収集時間>
収集完了時間−収集開始時間=47.923−10.135=約38秒
また,次に示すPFM - RM for Platformのログファイルの出力内容から収集開始時間と収集完了時間の差を算出することで,各監視対象ホストごとの収集時間も確認できます。
●ログファイル名
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Windowsの場合
インストール先フォルダ\agt7\agent\インスタンス名\log\target_監視対象名_01
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UNIXの場合
インストール先ディレクトリ/agt7/agent/インスタンス名/log/target_監視対象名_01
●ログファイルの記載例と収集時間の算出
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Windowsの場合
<収集開始時間>
2016/03/16 11:20:19.575 WMI_Collector.cpp 58 I collect start
<収集完了時間>
2016/03/16 11:20:26.024 WMI_Collector.cpp 261 I collect end
<収集時間>
収集完了時間−収集開始時間=26.024−19.575=約6秒
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UNIXの場合
<収集開始時>
2015/10/21 18:43:02.501 SSH_Collector.cpp 65 I collection start
<収集完了時間>
2015/10/21 18:43:22.563 SSH_Collector.cpp 75 I collection end
<収集時間>
収集完了時間−収集開始時間=22.563−2.501=約20秒
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性能情報を収集する1スレッド当たりの平均処理台数の算出
PFM - RM for Platformでは,性能情報の収集を,10個のスレッドの並列処理で行っています。次に示す計算式で,性能情報を収集する1スレッド当たりの平均処理台数を算出します。
1スレッド当たりの平均処理台数=すべての監視対象ホストの台数÷10(小数点以下は切り上げ)
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収集間隔の設定値の算出
1.および2.で算出した値を基に,次に示す計算式で,収集間隔の設定値を算出します。
収集間隔の設定値 = (1.で算出した最長の収集時間×2.で算出した平均処理台数) + 15