9.4 jslmdbcopy(データベースのバックアップ)
機能
JP1/SLMで使用するデータベースのバックアップを取ります。
データベースは,JP1/SLM - Managerをインストールしたホストに構築されます。JP1/SLM - Managerをインストールしたホストのトラブル発生に備え,定期的にこのコマンドを実行してバックアップを取ることを推奨します。
このコマンドは,次の条件を満たした状態で実行してください。
JP1/SLM - Managerの次のサービスが終了している。
サービス「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)
サービス「JP1/SLM - Manager Web Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Web_Service)
JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)が起動している。
また,クラスタシステムの場合は,上記の条件に加えてJP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Cluster Service」(サービス名:HiRDBClusterService_JL0)も起動している必要があります。クラスタシステムの場合は,実行系サーバでこのコマンドを実行してください。待機系サーバで実行するとエラーになります。
なお,このコマンドの実行結果は,次のファイルに出力されます。
JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\logs\jslmdbcopy.log
コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「11.3 メッセージの一覧」を参照してください。
形式
jslmdbcopy△バックアップファイルの絶対パス
実行権限
OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント
格納先フォルダ
JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\
引数
バックアップファイルの絶対パス
バックアップファイルを出力するファイル名称を絶対パスで,「"」(ダブルクォーテーション)で囲んで指定します。
ただし,ドライブ名(半角文字でA〜Z,a〜zの1文字,および「:」(コロン)で構成される文字列)で始まり,半角文字でA〜Z,a〜z,0〜9,「_」(下線),「.」(ピリオド),「( )」(丸括弧),「\」,半角スペースで構成された文字列でなければなりません。また,次の指定はできません。
UNC表記での指定。
ネットワークドライブを含む指定。
ドライブ名だけの指定。
次に示すWindowsおよびMS-DOSの予約語を,フォルダ名およびファイル名に含む指定。
CON,PRN,AUX,CLOCK$,NUL,COM0,COM1,COM2,COM3,COM4,COM5,COM6,COM7,COM8,COM9,LPT0,LPT1,LPT2,LPT3,LPT4,LPT5,LPT6,LPT7,LPT8,LPT9
なお,絶対パス中のバックアップファイルの出力先のフォルダがない場合は,このコマンドの実行前にフォルダを作成してください。
また,全角文字,および特殊記号を含む指定はしないでください。
注意事項
引数に指定したバックアップファイルがすでにある場合にこのコマンドを実行すると,出力されるバックアップファイルで,既存のバックアップファイルが上書きされます。
このコマンドの実行中は,jslmminfogetコマンド以外のコマンドを実行しないでください。
キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで,このコマンドの実行を中断すると,引数に指定したフォルダ下に不完全なバックアップファイルが作成されるおそれがあります。この場合は,該当するファイルを削除して,JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)を終了したあと,再起動してください。サービスの終了および起動は,Windowsの[スタート]メニューから[管理ツール]−[サービス]を選択して実行してください。
このコマンドがエラーで終了した場合,JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)を終了したあと,再起動してください。サービスの終了および起動は,Windowsの[スタート]メニューから[管理ツール]−[サービス]を選択して実行してください。
バックアップファイルのファイル名称に,コマンドプロンプトで引用符が必要な特殊文字(「&」,「( )」,「[ ]」,「{ }」,「^」,「=」,「;」,「!」,「'」,「+」,「,」,「`」,「~」,「< >」,「@」,「|」)を含む文字列を指定すると,コマンドプロンプトの構文エラーメッセージが出力され,コマンドが終了することがあります。なお,このときの戻り値は,1とは限りません。
バックアップファイルの絶対パスに指定する出力先フォルダ下にあるフォルダの名称と,同じ名称のバックアップファイル名は指定できません。
このコマンドは,JP1/SLM - Managerをセットアップしていない状態では実行しないでください。
異なるJP1/SLM - Manager環境で取得したバックアップファイルを,別のJP1/SLM -Manager環境にリストアする場合,バックアップファイルの取得元のRDエリア格納フォルダの絶対パスと,リストア先のRDエリア格納フォルダの絶対パスが一致している必要があります。
アクセス履歴はバックアップの対象外となります。アクセス履歴のバックアップを取る場合は,OS標準のコピーコマンドなどを利用します。バックアップ方法の詳細については,「8.1.3 アクセス履歴のバックアップを取る」を参照してください。
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
データベースのバックアップが正常に終了しました。 |
1 |
データベースのバックアップに失敗しました。 |
使用例
C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\bin\jslmdbcopy△"C:\Users\Administrator\Desktop\db\ITSLMBK01"