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JP1 Version 11 JP1/Service Level Management


5.3.2 業務グループ

JP1/PFMでは,監視対象とするホストを業務グループにまとめて管理します。

〈この項の構成〉

(1) 業務グループとは

業務グループとは,JP1/PFMの監視対象ホストをまとめるための単位です。業務グループを割り当てられたユーザーは,その業務グループ内の監視対象ホストを監視対象とする監視エージェントが収集した情報を参照できます。

監視対象サービスと業務グループの関係の例を次の図に示します。

図5‒12 監視対象サービスと業務グループの関係の例

[図データ]

この例では,JP1/PFMの監視エージェントの監視対象であるWebサーバ,APサーバおよびDBサーバのホストが,1つの業務グループに所属するように定義されています。この業務グループは,JP1/SLMの監視対象サービスの構成情報として設定されています。JP1/SLMで監視対象サービスの監視を開始すると,JP1/SLM - URがサービスの実アクセスの監視結果を収集するとともに,JP1/PFM - Managerが業務グループに所属する各ホストのOSの稼働性能などを収集します。これらの情報をまとめてJP1/SLM - Managerで管理することで,監視対象サービス全体の状況を監視できるようになります。

例えば,勤休管理サービスというサービスをJP1/SLMの監視対象とする場合,サービス利用者から勤休管理サービスに対する実アクセスの平均応答時間などの監視結果はJP1/SLM - URで収集します。勤休管理サービスへのリクエストを受け付けるWebサーバ,サービスが実際に稼働しているAPサーバ,およびデータを管理しているDBサーバなどの各ホストのCPU利用率やメモリ利用率などの性能情報は,1つの業務グループの監視結果としてJP1/PFM - Managerが収集します。JP1/SLMの画面では,これらの情報をまとめて監視できます。

メモ

監視対象サービスの構成情報に設定した業務グループに含まれる監視対象ホストが増減した場合に,JP1/SLMの画面で構成情報の設定を変更する必要はありません。

(2) 業務グループ作成の考え方

JP1/PFMの監視対象ホストは,複数の業務グループに属することができません。しかし,JP1/SLMの監視では,データベースのホストなど,複数の監視対象サービスの構成情報として同じホストを指定したい場合が考えられます。

この場合は,次の例に示すように,複数のサービスの構成情報に含まれる可能性がある監視対象ホストを独立した業務グループとして定義してください。

図5‒13 1つの監視対象ホストを複数のサービスの構成情報に含める場合の例

[図データ]

この例では,監視対象サービスAと監視対象サービスBの両方で,1つのDBサーバのホストを共有しています。この場合,共有したいDBサーバは,業務グループ1,業務グループ2とは独立した業務グループ3として定義することで,JP1/SLMで両方の監視対象サービスの構成情報として設定できるようになります。

(3) JP1/PFMと連携する場合に使用する要素

JP1/PFMと連携する場合に使用する要素とJP1/SLMの監視対象サービスの関係を次の図に示します。

図5‒14 JP1/PFMと連携する場合に使用する要素

[図データ]

図中のJP1/PFMの要素について説明します。

表5‒5 JP1/PFMの要素

項番

要素

説明

1

JP1資源グループ

(JP1/PFMの業務グループ)

JP1/Baseで論理的な資源をまとめるためのグループです。

JP1/PFMでは,JP1資源グループは1つの業務グループに対応します。

2

業務グループ

JP1/PFMの1つまたは複数の監視対象ホストをまとめるためのグループです。1つの業務グループは1つのJP1資源グループだけに所属できます。複数のJP1資源グループには所属できません。

業務グループとJP1/SLMで管理している監視対象サービスとの関係は,多対多になります。

3

監視対象ホスト

JP1/PFMによって監視される対象となるホストです。監視対象ホストは,1つの業務グループに所属します。

4

監視エージェント

監視対象ホスト上で稼働するサーバやミドルウェアごとに存在し,サーバやミドルウェアの監視を実行するエージェントプログラムです。監視エージェントでは,1つ以上の性能情報を収集します。なお,JP1/PFM - RMの監視エージェントの場合,監視エージェントは仮想的に各監視対象ホストに存在しますが,実体はリモートホストに存在します。

(4) 補足事項