Hitachi

JP1 Version 11 JP1/Service Level Management


3.3.4 監視対象サービスの状況の定期的な評価の設定例

ここでは,「1.1.3 定期報告に必要なレポートの作成を支援します」の監視対象サービスの状況の定期的な評価の例について説明します。

JP1/SLMを使用した監視対象サービスの状況の定期的な評価について,ある条件に基づいて具体的にどのように検討・設定するとよいかを,例を用いて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

この設定例の条件は,次のとおりです。

(2) しきい値の定義

JP1/SLMでの監視項目の設定に向けた作業

すべてのサービスの監視者は,サービスの委託元の担当者から得たサービスの利用者数やサービスの内容などの情報に基づき,次のようにしきい値を定義することにしました。

  • 平均応答時間:3,000ミリ秒

  • スループット:800件/秒

  • エラー率:1.0%

作業の結果

しきい値が定義できたため,すべてのサービスの監視者は各監視対象サービスについて,監視項目を設定することにしました。

(3) 監視項目の設定

JP1/SLMでの作業

すべてのサービスの監視者は,JP1/SLM - Managerにログインして[設定]画面を表示し,定義したしきい値に基づき,監視対象サービスの監視項目を設定することにしました。

しきい値に基づいた監視対象サービスの監視項目の設定例を次の図に示します。

図3‒45 しきい値に基づいた監視対象サービスの監視項目の設定例

[図データ]

この図では,サービスグループ「Group01」のサービス「Service01」の「All Web Access」に対して監視項目を設定しています。監視項目の設定内容は,次のとおりです。

[SLO監視設定]
表3‒17 [SLO監視設定]での設定内容例

チェックボックス

項目名

しきい値

チェックボックス

傾向監視

チェックする

平均応答時間

3000

チェックしない

チェックする

スループット

800

チェックしない

チェックする

エラー率

1.0

(凡例)

−:設定できません。

 

[SLO監視設定]では,しきい値として定義した内容を設定しました。

なお,サービスレベルの管理について契約はしていないため,傾向監視や外れ値検知の設定はしていません。ただし,[ベースライン算出日数]と[開始日数]は入力が必須であるため,デフォルト値を入力したままにしています。

作業の結果

サービスグループ「Group01」のサービス「Service01」について設定が完了したため,残りの監視対象サービスについても同様に監視項目の設定をすることにしました。

すべての監視対象サービスの設定が完了したあと,監視を実行します。監視の実行例については,「4.6.4 監視対象サービスの状況の定期的な評価の実行例」を参照してください。