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JP1 Version 11 JP1/Service Level Management


1.1 サービスレベルの維持を支援します

近年,業務システムが,サービスとして利用者に提供されることが増えてきました。

例えば,企業が業務システムをデータセンターに委託し,利用者がデータセンター内のサーバにある業務システムを利用するケースがあります。この場合,利用者にとって業務システムはサービスといえます。

また,企業内で業務システムを管理・運用しているケースで,業務システムの利用者がその企業に勤める社員であったとしても,サーバから提供している業務システムは,利用者にとってのサービスといえます。

どちらのケースでも,サービスの利用者にとっては,業務システム(サービス)が正常に稼働していることは当然のことです。サービスの提供者は,サービスの提供品質(サービスレベル)を維持し,利用者がストレスを感じることがないようサービスを提供できなければなりません。サービスレベルを維持するには,サービスの状況を監視する必要があります。

また,ビジネスの場面ではサービスの委託元と委託先の間で,サービスレベルの維持について契約が交わされることもあります。このようなときには,サービスの状況について,より注意深く監視して,契約で定められたサービスレベルを維持するよう努めなければなりません。

JP1/SLMは,サービスの状況を監視し,サービスレベルの維持を支援することで,これらの要求に応えます。

JP1/SLMによるサービスレベル維持のための監視の一例として,データセンターでサービスの状況を監視する例を次の図に示します。

図1‒1 JP1/SLMによってデータセンターでサービスの状況を監視する例

[図データ]

この例では,企業Aおよび企業B(サービスの提供者)が,自社の業務システムをデータセンターに委託しています。企業Aのサービスは一般のユーザー向けのサービスであり,企業Bのサービスは企業Bの社員向けのサービスです。このとき,企業Aのサービスを利用する一般のユーザーおよび企業Bの社員は,サービスの利用者となります。

JP1/SLMを使用することで,企業Aおよび企業Bのサービスの状況について,利用者の立場で監視できます。監視結果は,監視者のマシン上で表示したり,レポートとして出力したりできます。これらの監視結果を基に,企業Aのサービスを利用する一般ユーザーや企業Bの社員が利用するサービスのサービスレベルを維持することができます。

〈この節の構成〉