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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


14.2.1 ホスト名の変更による影響および必要な作業

〈この項の構成〉

(1) ユーザー認証

認証サーバのホスト名を変更した場合は,Windowsの場合[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[認証サーバ]タブで,UNIXの場合jbssetusrsrvコマンドで,ホスト名を変更してください。認証サーバのホスト名を変更していなければ,ユーザー認証関係に影響はありません。

(2) ユーザーマッピング

ユーザーマッピングの場合,変更漏れが発生するおそれがあるため,十分注意して次に示す作業をしてください。

(a) マネージャー側のホスト名を変更した場合

マネージャーからリモートコマンド実行を出すすべてのエージェントホストで,エージェントホスト上のマッピング定義ファイルの確認をしてください。

マッピング定義ファイルに記述されている"JP1ユーザー名 : サーバホスト名 : ユーザーリスト"の二つ目のフィールドである"サーバホスト名"をマネージャー側のホスト名の変更に伴って変更する必要があります。変更手順を次に示します。

  1. jbsgetumapコマンドを実行して,テキストベースのファイルを取得する。

  2. 該当するサーバホスト名を変更後のサーバホスト名に変更する。

    変更前の"サーバホスト名"が「*」の場合は,変更する必要はありません。

  3. サーバホスト名を変更した後,jbsmkumapコマンドを実行して,新しい定義情報を登録する。

コマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jbsgetumap」と「jbsmkumap」を参照してください。

注意事項

サーバホスト名には,hostnameコマンドで表示されるホスト名を指定してください。ただし,DNS運用でドメイン名を使用している場合は,FQDN形式のホスト名の定義も追加してください。

(b) エージェント側のホスト名を変更した場合

エージェント側のホスト名を変更した場合は,特に影響はありません。

(3) イベントサービス

イベントサーバ環境設定ファイル(conf)およびAPI設定ファイル(api)に,ホスト名を指定している場合は,漏れがないように修正してください。なお,修正する必要があるのは,ユーザーが設定した部分だけです。初期設定されていた個所については,修正する必要はありません。イベントサービスが自動的にどこかに記憶し,それを修正しないと動作しなくなる,ということはありません。

なお,UNIXでhostnameコマンドを使用してホスト名を変更する際は,イベントサービスを停止してからホスト名を変更してください。イベントサービス稼働中にホスト名を変更するとイベントサービスが停止できなくなります。

電源断などでイベントサービスの停止処理が行われなかった場合,次のファイルが残存している場合があります。次のファイルが残存している場合には,このホストで起動しているイベントサービスをすべて停止した状態で削除してください。ファイルが残存している場合にはJP1/Baseのパッチ適用時にKAJP1028-E,KAJP1049-Eが出力されます。KAJP1028-E,KAJP1049-Eが出力されてもパッチの適用には影響ありません。

Windowsの場合

インストール先フォルダ\sys\tmp\event\プロセスID.svr

インストール先フォルダ\sys\tmp\event\プロセスID.lck

UNIXの場合

/var/opt/jp1base/sys/tmp/event/プロセスID.svr

/var/opt/jp1base/sys/tmp/event/プロセスID.lck

(4) JP1/IM - Managerを利用している場合

イベント検索で「選択イベント条件入力」を使用する場合は,JP1/IM - Managerを使用するマシンから変更前のホスト名も参照できる(例:"ping 変更前ホスト名"が成功する)ようにhostsなどが設定されている必要があります。このような操作の必要がなければ,イベントサービスに関する設定を変更する必要は特にありません。

JP1/IM - Managerの場合,システムの構成を構成定義ファイルで設定しています。このため,ホスト名が変更されるたびに,システム構成の再配布(jbsrt_distribコマンドの実行)が必要となります。システム構成の再配布をしないと,JP1イベントが正しく転送されなくなるおそれがあります。システム構成の再配布の方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」を参照してください。

注意事項

旧ホスト名のときに発行されたJP1イベントは,ホスト名変更後もJP1/IM - Viewの登録ホスト名には,旧ホスト名が表示されます。検索する場合でも,登録ホスト名の指定は,旧ホスト名がマッチします。また,このようなJP1イベントからJP1/AJSのモニター表示はできません。

(5) クラスタシステムを運用している場合

クラスタシステムを運用している環境で論理ホスト名を変更した場合は,変更前の論理ホスト名を削除してください。その後,変更後の論理ホスト名に対して,クラスタ運用ができるよう再セットアップしてください。

Windowsの場合

論理ホスト名の削除方法については,「5.7.1 論理ホストの削除(Windowsの場合)」を参照してください。クラスタシステムのセットアップ方法については,「5.4.3 セットアップ」を参照してください。

UNIXの場合

論理ホスト名の削除方法については,「5.7.2 論理ホストの削除(UNIXの場合)」を参照してください。クラスタシステムのセットアップ方法については,「5.5.3 セットアップ」を参照してください。

(6) 統合トレース(HNTRLib2)

ホスト名の変更をした場合,統合トレース(HNTRLib2)の再起動は必須ではありませんが,再起動を行わなかった場合,統合トレースログのヘッダー情報に変更前のホスト名が出力されます。

(7) jp1hosts定義ファイルまたはjp1hosts2定義ファイル

jp1hosts定義ファイルまたはjp1hosts2定義ファイルを設定している場合は,ホスト名を再設定してください。