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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


5.4.3 セットアップ

JP1/Baseをクラスタシステムで実行するには,物理ホスト環境(実行系および待機系),論理ホスト環境(実行系および待機系)のセットアップが必要です。セットアップの流れを次に示します。

図5‒7 クラスタシステムでのセットアップの流れ(Windows)

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 実行系での作業

実行系の物理ホスト,および論理ホストをセットアップします。

  1. 物理ホストのユーザー管理機能を設定する。

    物理ホストで認証サーバを運用する場合に設定します。ユーザー管理機能の設定については,「8.1 ユーザー管理の設定(Windowsの場合)」を参照してください。

  2. 論理ホストを設定する。

    GUIで設定する場合

    1. インストール先フォルダ\bin\jp1bshasetup.exeを実行する。

    図5‒8 [Baseクラスタ構成の設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    2. [Baseクラスタ構成の設定]ダイアログボックスの[実行系 論理ホストの設定]ボタンをクリックする。

    図5‒9 [実行系 論理ホストの設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    [実行系 論理ホストの設定]ダイアログボックスで,情報を作成する論理ホスト名,および共有フォルダ,共有ファイルを作成する共有ディスク上のフォルダを指定します。

    指定したフォルダ名\jp1base\」フォルダ下に,共有フォルダおよび共有ファイルが作成されます。なお,この指定をする前に,必ず共有ディスクをマウントしておいてください。

    3. [次へ]ボタンをクリックする。

    図5‒10 [実行系 論理ホストの設定]ダイアログボックス(確認画面)

    [図データ]

    [実行系 論理ホストの設定]ダイアログボックス(確認画面)で,設定内容を確認できます。設定内容が正しければ,[完了]ボタンをクリックしてください。

    以上で,イベントサービスの通信方式の設定以外の設定が完了します。

    4. 論理ホストの認証サーバを設定する。

    論理ホストには,物理ホストで設定されている認証サーバが設定されます。物理ホストと異なる認証サーバを設定する場合,GUIで設定してください。詳細については,「8.1.1 使用する認証サーバを指定する」を参照してください。

    コマンドを使って設定する場合

    次のコマンドを実行します。共有ディスク上に共有フォルダおよび共有ファイルを作成し,認証サーバを設定します。

    jbs_setup_cluster -h node0 -d d:\node0 -a node0

    jbs_setup_clusterコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jbs_setup_cluster(Windows限定)」を参照してください。

  3. 論理ホストのユーザー管理機能の設定をする。

    論理ホストで認証サーバを運用する場合に設定します。

    GUIで設定する場合

    1. Windowsのスタートメニューから[プログラム]−[JP1_Base]−[JP1_Base Setup]を選択する。

    2. [論理ホスト名の選択]ダイアログボックスでユーザー管理機能の設定をしたい論理ホストを選択する。

    コマンドを使って設定する場合

    1. JP1ユーザーを登録する(論理ホストを認証サーバとして使用する場合だけ)。

    認証サーバが起動していることを確認したあと,次に示すコマンドを実行して登録します。

    jbsadduser -h 論理ホスト名 JP1ユーザー名

    登録したJP1ユーザーを確認したい場合は次のコマンドを実行します。

    jbslistuser -h 論理ホスト名

    2. ユーザーマッピングの情報を共通定義情報に登録する。

    ユーザーマッピング定義ファイル(jp1BsUmap.conf)の格納先を次に示します。

    共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\jp1BsUmap.conf

    ユーザーマッピング定義ファイル(jp1BsUmap.conf)の編集後,次のコマンドを実行して登録します。

    jbsmkumap -h 論理ホスト名

    登録したユーザーマッピング情報を確認したい場合は,次に示すコマンドを実行します。

    jbsgetumap -h 論理ホスト名

    3. JP1ユーザーの操作権限を設定する(論理ホストを認証サーバとして使用する場合だけ)。

    ユーザー権限レベルファイル(JP1_UserLevel)の格納先を次に示します。

    共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\JP1_UserLevel

    ユーザー権限レベルファイル(JP1_UserLevel)の編集後,jbsaclreloadコマンドを実行して設定を反映します。

    ユーザー管理機能の設定詳細については,「8.1 ユーザー管理の設定(Windowsの場合)」を参照してください。

  4. JP1/Base本体の通信方式を変更する。

    必要に応じて,物理ホストおよび論理ホストのJP1/Base本体の通信方式を変更します。

    通信方式の変更が必要かどうか,および設定方法については,「6. ネットワーク構成に応じたJP1/Baseの通信設定」を参照してください。

    認証サーバをクラスタシステムで運用する場合の注意事項

    認証サーバの設定ファイルは次のフォルダに格納されます。

    共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\

    セカンダリー認証サーバを設置する場合は,プライマリー認証サーバの設定ファイルをセカンダリー認証サーバへコピーする必要があります。その際,セカンダリー認証サーバをクラスタ運用するかしないかで,設定ファイルのコピー先が異なるため注意が必要です。

    クラスタ運用する場合のコピー先

    共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\

    クラスタ運用しない場合のコピー先

    インストール先フォルダ\conf\user_acl\

    設定ファイルをコピーしたあとに,次のコマンドを実行して設定を反映させてください。セカンダリー認証サーバをクラスタ運用しない場合は,-hオプションの指定は不要です。

    jbs_spmd_reload -h 論理ホスト名

以上で,JP1/Baseの実行系での作業は完了です。

JP1/Baseを前提とする製品(JP1/IM,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor)をインストールしている場合は,各製品のフェールオーバーの設定をしてください。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド」,「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」,「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」,「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)」,「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)」,「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド」,および「JP1/Power Monitor」を参照してください。

(2) 待機系での作業

待機系の物理ホスト,および論理ホストをセットアップします。

なお,待機系での作業は,実行系でのJP1/BaseおよびJP1/Baseを前提とする製品(JP1/IM,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor)の作業を完了したあとで行います。

  1. 物理ホストのユーザー管理機能を設定する。

    物理ホストで認証サーバを運用する場合に設定します。ユーザー管理機能の設定については,「8.1 ユーザー管理の設定(Windowsの場合)」を参照してください。

  2. 実行系でjbsgetcnfコマンドを実行する。

    実行系で次に示すコマンドを実行してください。退避ファイル内に共通定義情報が格納されます。

    jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル名

    なお,論理ホスト名は,論理ホストのセットアップ時に指定したとおりに大文字・小文字を正しく指定してください。

  3. 退避ファイルを待機系にコピーする。

  4. 待機系でjbssetcnfコマンドを実行する。

    待機系で次に示すコマンドを実行してください。なお,指定する退避ファイルは,jbsgetcnfコマンドで採取した退避ファイルです。

    jbssetcnf 退避ファイル名
  5. 論理ホストを設定する。

    GUIで設定する場合

    1. インストール先フォルダ\bin\jp1bshasetup.exeを実行する。

    2. [Baseクラスタ構成の設定]ダイアログボックスの[待機系 論理ホストの設定]ボタンをクリックする。

    [待機系 論理ホストの設定]ダイアログボックスで,実行系で設定した論理ホスト名を選択します。

    図5‒11 [待機系 論理ホストの設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    3. [次へ]ボタンをクリックする。

    図5‒12 [待機系 論理ホストの設定]ダイアログボックス(確認画面)

    [図データ]

    [待機系 論理ホストの設定]ダイアログボックス(確認画面)で,選択した論理ホストの設定内容を確認できます。設定内容が正しければ,[完了]ボタンをクリックしてください。

    コマンドを使って設定する場合

    次のコマンドを実行します。

    jbs_setup_cluster -h node0

    jbs_setup_clusterコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jbs_setup_cluster(Windows限定)」を参照してください。

  6. JP1/Base本体の通信方式を変更する。

    必要に応じて,物理ホストのJP1/Base本体の通信方式を変更します。論理ホストの設定は必要ありません。

    通信方式の変更が必要かどうか,および設定方法については,「6. ネットワーク構成に応じたJP1/Baseの通信設定」を参照してください。

以上で,JP1/Baseの設定が完了します。