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Hitachi System Information Capture リファレンス 


9.2 メッセージログ

メッセージログの目的

システムテスト支援の稼働状況管理および障害発生時の切り分けなどを目的としてメッセージログを出力します。メッセージログ出力の契機は、稼働状況の変化、障害発生、コマンド入力などです。システムテスト支援の管理者は、システムテスト支援が出力するメッセージログを監視し、出力されたメッセージログに従って適切な対応をとる必要があります。

メッセージログの出力先

メッセージログはその種別や出力契機によって出力先が異なります。出力先を以下に示します。

表9‒2 メッセージログの出力先

出力先

出力するメッセージログ

syslog

エラーおよび警告を示すメッセージログを出力する。

システム定義により出力するメッセージログのレベルを設定できる。

メッセージログファイル

(標準出力/標準エラー出力)

全てのメッセージログと付加情報を出力する。

システムテスト支援プロセスでは、標準出力及び標準エラー出力はメッセージログファイルにリダイレクトして出力する。

コマンド実行画面

ログファイルオープン前のメッセージを出力する。

コマンド動作時、コマンド実行結果を出力する。

メッセージログファイル

メッセージログファイルはシステムテスト支援のメッセージログを出力するUNIXファイルです。

メッセージログファイルの内容は、テキストエディタ等で参照できます。ファイルの作成はシステムテスト支援が行い、システムテスト支援プロセスのテスト識別子毎に専用のファイルを作成します。

システムテスト支援の稼働状況を把握するために、運用方針にあわせてログファイルを管理する必要があります。

作成するファイルのサイズはシステムテスト支援の管理者がシステム定義にて設定します。

メッセージログファイルへは、複数ファイルのラウンドロビン方式でメッセージログを出力します。ファイルサイズがシステム定義の設定を超える場合に新しいファイルへ出力を切り替えます。

使用するログファイルのファイル数は最大10ファイル固定です。

システムテスト支援起動時、既にメッセージログファイルが全て使用済みの場合、更新日付が古い方のファイルから上書きで再利用し(ファイル内容を初期化(ファイルサイズを0)して使用する)ファイルに出力します。

図9‒1 メッセージログファイルの出力方式

[図データ]

メッセージログの付加情報

メッセージログファイルに出力するメッセージログの場合、TASKTM情報との突き合わせを目的として付加情報を出力します。出力する付加情報を以下に示します。

表9‒3 メッセージログの項目一覧

出力情報

内容

出力形式

プロセスID

メッセージログを出力したシステムテスト支援プロセスのID。

半角数字10文字

(スペース埋め)

メッセージ通番

メッセージログを出力したシステムテスト支援プロセス内での通番。

障害などでメッセージログファイル中のメッセージが欠落した場合でも、通番を基にメッセージのロストを検知できる。

半角数字7文字

(スペース埋め)

IFA番号

メッセージログを出力したスレッドの番号。

半角数字5文字

(スペース埋め)

中央処理通番

メッセージ処理中の出力の場合、当該メッセージ処理の中央処理通番。該当しない場合はハイフン(-)を表示。

半角数字8文字

(0埋め)

年月日

メッセージログを出力した日付。YYYY/MM/DD形式。

半角数字10文字

(スペース埋め)

時分秒マイクロ秒

メッセージログを出力した時刻。hh:mm:ss.xxxxxx形式。

半角数字15文字

(スペース埋め)

syslogの付加情報

syslogに出力する付加情報は、「メッセージログの項目一覧」の情報に加えてテスト識別子(1〜31バイト)を出力します。

表9‒4 syslog固有に出力するメッセージログ項目

出力情報

内容

出力形式

テスト識別子

メッセージログを出力したシステムテスト支援のテスト識別子。

識別子最大31バイト

メッセージログに関する設定

メッセージログは、出力先によってはシステム定義で出力するレベルなどを変更できます。システム定義で変更できる内容を以下に示します。

表9‒5 メッセージログのシステム定義で変更可能な項目

項目

機能

対応可能出力先

syslog

メッセージログファイル

メッセージログ抑止

出力するメッセージログのレベルを指定することで、意図するレベルのメッセージログのみを出力する。

×

メッセージログファイルのサイズ

メッセージログファイルの1ファイルあたりのサイズを変更する。

×

言語種別

出力するメッセージログの言語種別は、Linuxでは環境変数LANG、Windowsでは環境変数HSIC_LANGに設定する。

(凡例)

○:可、×:不可

環境変数LANGまたは環境変数HSIC_LANGに設定する言語種別(ロケール)

Linuxでは環境変数LANGによりメッセージの言語種別を設定します。Windowsでは環境変数HSIC_LANGによりメッセージの言語種別を設定します。

サポートする言語種別と、これらの環境変数に設定する文字列を以下に示します。

なお、環境変数LANGまたは環境変数HSIC_LANGが設定されていない場合、及びサポートしていない文字列が設定された場合の動作はCが指定されたものとして動作します。

表9‒6 サポートする言語種別

言語種別

LANGに設定する文字列

HSIC_LANGに設定する文字列

日本語UTF-8コード

ja_JP.UTF-8

設定できません。

日本語SJISコード

設定できません。

ja_JP.SJIS

英語

C

C

UOCからのメッセージログ出力

システムテスト支援プロセスで動作するUOCからprintf等の標準出力関数を使用してメッセージ出力すると、メッセージログファイルに出力します。

syslog遅延出力

syslogでメモリ不足またはバッファ不足が発生してsyslogに出力できないメッセージを極力少なくするため、用意したsyslog失敗リストにメッセージを保管して他タイミングで出力する機能です。

本機能は、システム定義のメッセージログ関連定義message_log -sオプションのsyslog_out(syslogへのメッセージ出力レベル)定義値が1以上の場合に動作します。

メッセージをsyslog失敗リストに保管する場合は、メッセージログ出力要求処理で次のいずれかの条件をみたしたときです。

条件1:syslog失敗リスト内のメッセージ数が0、かつ、syslog出力がメモリ不足またはバッファ不足で失敗

条件2:syslog失敗リスト内のメッセージ数が1以上

システムテスト支援コンポーネントの出力メッセージ長が、syslog失敗リストのエレメントのメッセージ格納領域長より長い場合、メッセージ終端から超過文字列+4バイト分の文字列を切り捨てます。切捨て後メッセージの最後に半角英字記号4バイト文字列”(EL)”を付加します。

また、本機能は拡張SYSLOGがインストールされている場合のみ有効となります。

syslog出力不可状態からの回復

syslogへの出力が不可能状態になったとき、定期的に回復処理を行います。

syslogへの出力が可能になったときは、KFSE81902-I(SYSLOGへのメッセージ出力開始)メッセージを出力します。

出力先ディレクトリ

メッセージログファイルを作成するディレクトリとファイル名を以下に示します。

格納ディレクトリ:

/opt/HSIC/job/テスト識別子/spool/dceeinf/log/*

メッセージログファイルの名称:

XX……XXlognnn

XX……XX:テスト識別子の名称(識別子最大31バイト)

log:メッセージログファイルを示す固定文字列(半角英字3バイト)

nnn:メッセージログファイルのID(半角数字3バイト、001〜010)

イベントビューア

システムテスト支援のシステムメッセージはイベントビューアに出力されます。イベントビューアの出力形式を以下に示します。

表9‒7 イベントビューアへの出力形式

項目

出力内容

ソース

HSIC

タスクのカテゴリ

なし

イベントID

KFSExxxxx-Iメッセージ:25700~25709

KFSExxxxx-E、KFSExxxxx-Wメッセージ:25701~25709

バイナリデータ

なし

メッセージ

syslogファイルと同形式