Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


3.5.4 送信先対応付け定義(address_destination/UDPスルーの場合)

形式

{{address_destination -p  udp
                    {{-s  "ipaddr=既存システムのサーバIPアドレス
                          [portno=既存システムのサーバポート番号]"}}
                    [{{-t  "ipaddr=テスト対象システムのサーバIPアドレス
                           portno=テスト対象システムのサーバポート番号
                                [,テスト対象システムのサーバポート番号…]"}}]
                    [{{-c  "ipaddr=外部システムのクライアントIPアドレス
                          [portno=外部システムのクライアントポート番号]"}}]
                    [-h  "[ipaddr=HSICのクライアントIPアドレス]
                          [portno=HSICのクライアントポート番号]
                          [rcv_portno=テスト対象システムからの電文受信ポート番号]
                          [multicast_ttl=送信するマルチキャストの生存期間(TTL)]"]
                    [-b  "[syssndsize=システムメッセージ送信バッファ長]" ]
                  }}

機能

既存システムサーバの要求電文送信先と、テスト対象システムのサーバの送信先IPアドレス、ポート番号を対応付ける定義です。

複数のaddress_destination定義の-sオプションで同一のIPアドレス、ポート番号の組み合わせを指定した場合、先に定義した定義が有効となります。ただし、-sオプションが同一のaddress_destination定義でも-cオプションのIPアドレス/ポート番号が異なる場合は、そのaddress_destination定義は有効となります。しかし、電文が複数のaddress_destination定義に該当した場合は先に定義した定義が有効となります。

例1)
定義A

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

-c“ipaddr=192.168.172.3 portno=10000”

定義B

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

-c“ipaddr=192.168.172.4 portno=20000”

定義Aと定義Bの-sオプションは同一ですが、-cオプションが異なるので、定義A、B共に有効となります。

例2)
定義A

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

(-c 省略)

定義B

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

-c“ipaddr=192.168.172.3 portno=10000”

定義Aにも定義Bにも該当する電文は定義Aが有効となります。それ以外の電文も、定義Aが有効となります。

例3)
定義A

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

-c“ipaddr=192.168.172.3 portno=10000”

定義B

-s“ipaddr=192.168.172.2 portno=30000”

(-c 省略)

定義Aにも定義Bにも該当する電文は定義Aが有効となります。それ以外の電文は、定義Bが有効となります。

また、IPアドレスが同一でポート番号が範囲指定で重複した場合は先に記述した定義のポート番号の範囲をその定義で有効とし、重複していない範囲を後に記述した定義で有効とします。

例)

定義A -s“ipaddr=192.168.172.2 portno=10000-30000”

定義B -s“ipaddr=192.168.172.2 portno=20000-40000”

上記の場合、定義AはIPアドレス192.168.172.2、ポート番号10000-30000、

定義BはIPアドレス192.168.172.2、ポート番号30001-40000が有効となります。

複数のaddress_destination定義の-tオプションかつ、-hオプションで同一のIPアドレス、ポート番号の組み合わせを指定する事はできません。同一のIPアドレス、ポート番号の組み合わせを指定した場合、システムテスト支援はプロセスダウンします。

同一のaddress_destination定義で-tを複数指定した場合、-tで指定したIPアドレス、ポート番号の組み合わせが重複した場合、システムテスト支援はプロセスダウンします。

[図データ]

指定数

0〜99999

オプション:-p

なし
設定値と省略値

udp

説明

電文の通信プロトコルを指定します。

udp:udpスルー

オプション:-s

(注)-sは一つのaddress_destination定義に対して最大100個定義することができます。また、全てのaddress_destination定義の-sは合計で最大99999個定義できます。

ipaddr
設定値と省略値

既存システムのIPアドレス(nnn.nnn.nnn.nnn)

〈符号なし整数〉((0〜255))

説明

外部システムから電文を送信する送信先の既存システムのIPアドレスをnnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。

nnnは0以上255以下の数を指定してください。

ただし、0.0.0.0および255.255.255.255は指定できません。

ほかのオペランドとの関連

本オペランドで指定するIPアドレスは、capture_definition定義の-fオプションipaddrオペランドで指定した範囲内のIPアドレスを指定してください。

本オペランドで指定したIPアドレスがcapture_definition定義-fオプションipaddrオペランドの指定範囲外の場合、パケットをキャプチャされません。

詳細は「3.4.1 パケットキャプチャに関する定義(capture_definition)」を参照してください。

portno
設定値と省略値

既存システムのポート番号〈符号なし整数〉((1〜65535))

省略すると、すべてのポート番号を対象にします。

説明

外部システムから電文を送信する送信先の既存システムのポート番号を指定します。

オプション:-t

(注)UDPスルーでは-tフラグは指定必須です。ただし、蓄積実行のときだけ、-tは省略できます。また他の実行形態をesmodaddコマンドで追加することもできません。

ipaddr
設定値と省略値

テスト対象システムのIPアドレス(nnn.nnn.nnn.nnn)

〈符号なし整数〉((0〜255))

説明

外部システムからの電文を送信する送信先のテスト対象システムのIPアドレスをnnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。

nnnは0以上255以下の数を指定してください。

ただし、0.0.0.0および255.255.255.255は指定できません。

portno
設定値と省略値

テスト対象システムのポート番号〈符号なし整数〉((1〜65535))

説明

外部システムからの電文を送信する送信先のテスト対象システムのポート番号を指定します。

オプション:-c

(注)-cは1つのaddress_destination定義に対して最大64個定義することができます。65個以上定義した場合、HSICの起動に失敗します。

ipaddr
設定値と省略値

外部システムのIPアドレス(nnn.nnn.nnn.nnn)

〈符号なし整数〉((0〜255))《0.0.0.0》

説明

既存システムへ電文を送信する外部システムのIPアドレスをnnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。

nnnは0以上255以下の数を指定してください。

本フラグメンバを省略した場合、または、0.0.0.0を指定した場合は、外部システムのIPアドレスは任意となります。

portno
設定値と省略値

外部システムのポート番号〈符号なし整数〉((0〜65535))《0》

説明

外部システムのポート番号を指定します。

本フラグメンバを省略した場合、または0を指定した場合は、外部システムのポート番号は任意となります。

ポート番号は範囲指定での指定が可能です。

ポート番号の範囲指定

xxxx-yyyy

xxxxからyyyyまでのポート番号を外部システムのポート番号とします。xxxxはyyyy以下の値を指定してください。また、xxxxに0は指定できません。

利点

テスト対象システムが特定のIPアドレスからのパケットしか受信しないような場合に、本フラグメンバを指定することで、IPアドレスを特定することができます。

オプション:-h

ipaddr
設定値と省略値

システムテスト支援のIPアドレス(nnn.nnn.nnn.nnn)

〈符号なし整数〉((0〜255))《0.0.0.0》

説明

テスト対象システムへ電文を送信するシステムテスト支援のIPアドレスをnnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。

nnnは0以上255以下の数を指定してください。

本フラグメンバを省略した場合、または、0.0.0.0を指定した場合、IPアドレスはOSが自動割当します。

UDPスルーでマルチキャストを使用する場合、-h ipaddrに指定するIPアドレスはマルチキャストを送信するLANアダプタのIPアドレスとなります。

portno
設定値と省略値

システムテスト支援のポート番号〈符号なし整数〉((0〜65535))《0》

説明

テスト対象システムへ電文を送信するシステムテスト支援のポート番号を指定します。

本フラグメンバを省略した場合、または0を指定した場合は、ポート番号はOSが自動割当します。

rcv_portnoを指定した場合、portnoに指定したポートはテスト対象システムに対する電文の送信用ポートとなります。

利点

テスト対象システムが特定のポート番号からのパケットしか受信しないような場合に、本フラグメンバを指定することで、ポート番号を特定することができます。

rcv_portno
設定値と省略値

システム検証支援基盤の受信ポート番号〈符号なし整数〉((1〜65535))

説明

システム検証支援基盤がテスト対象システムから電文を受信するポート番号を指定します。テスト対象システムに送信するポートと受信するポートが異なる場合に本フラグメンバを指定してください。

テスト対象システムに対して送受信するポートが同一の場合、本フラグメンバは指定しないでください。

利点

rcv_portnoを指定することで、テスト対象システムからの電文を他プロセスで使用中のポートで誤って受信することを防ぐことができます。また、rcv_portnoに指定したポートをオープンにすることで、未オープンのポートへ電文を送信した際に返却するICMP等のパケット送信を抑止することができます。

multicast_ttl
設定値と省略値

送信するマルチキャストの生存期間(TTL)

〈符号なし整数〉((0〜255)) 《OSのデフォルト値》

説明

マルチキャストメッセージ送信時のマルチキャストパケットの生存期間(TTL)を指定します。本フラグメンバの指定を省略すると、OSのデフォルト値が仮定されます。

本フラグメンバはテスト対象システムにクラスD(224.0.0.0〜239.255.255.255)のIPアドレスを指定した場合に指定してください。

指定値の目安

ネットワークの構成にしたがって本フラグメンバを指定してください。

オプション:-b

syssndsize
設定値と省略値

〈符号なし整数〉((1〜2147483647))《OSのデフォルト値》

(単位:バイト)

説明

UDPスルーで使用するソケットのソケット送信バッファのサイズをバイト単位で指定します。

本フラグメンバの指定を省略するとOSのデフォルト値が仮定されます。

備考

Linux版では、カーネルの仕様によりソケット送信バッファは本フラグメンバ指定値の2倍のサイズが確保されます。また、ソケット送信バッファサイズの最大値はカーネルパラメタにより制限されており、最大値より大きいサイズを確保しようとした場合、確保サイズは最大値となります。その為、以下の条件が成立するよう本フラグメンバ及び、カーネルパラメタを調整してください。

「(本フラグメンバ指定値×2) <= net.core.wmem_max値」

Windows版では設定値の上限はありません。