1.3.6 pcap形式ファイル
pcap形式ファイルはOS標準、又はフリーソフトとして提供されているパケットキャプチャコマンドを使用して作成してください。パケットキャプチャコマンドの詳細については、パケットキャプチャコマンドのマニュアル等を参照してください。
以下に、システムテスト支援で使用するpcap形式ファイル作成時の注意事項を示します。
- サポートするpcap形式ファイル
-
システムテスト支援は、「バージョン2.4」のpcap形式ファイルのみサポートしています。
それ以外のpcap形式ファイルを指定した場合、KFSE44407-Wメッセージを出力して該当ファイルを対象外にします。パケットキャプチャコマンドの作成したキャプチャファイルが、pcap形式ファイルのバージョン2.4以外の場合は、変換ツール等で変換してください。
pcap形式ファイルのバージョン2.4であればシステムテスト支援稼働マシンと異なるプラットフォームで作成したpcap形式ファイルも使用可能です。
- パケットキャプチャ時のデータサイズ
-
パケットキャプチャコマンドは、コマンド引数等で各パケットの上限サイズを指定します。上限サイズが小さい場合、システムテスト支援がパケットロストと判断する為、上限サイズは最大値を指定してください。
- パケットのフィルタリング
-
キャプチャしたパケット数が多い場合、pcap形式ファイルへのファイル出力量が増加しファイルサイズ肥大化やファイルIO遅延によるパケットロストの可能性があります。また、pcap形式ファイル内にテスト対象外パケットが含まれている場合、システムテスト支援で無駄なファイルIOやパケット破棄が発生し性能遅延となります。その為、パケットキャプチャコマンドのフィルタリング機能を使用し、以下の条件に合致するパケットのみキャプチャする事を推奨します。
-
テスト対象プロトコルが必要とするトランスポートプロトコル
テスト対象プロトコルが必要とするトランスポートプロトコルを以下に示します。
必要なトランスポートプロトコルが複数の場合は、複数のトランスポートプロトコルをキャプチャ対象としてください。
テスト対象プロトコル
トランスポートプロトコル
UDPスルー
UDP
上記以外
TCP
-
送信元又は送信先IPアドレスが、既存システムのテスト対象のIPアドレス
-
送信元又は送信先ポート番号が、既存システムのテスト対象のポート番号
-
- pcap形式ファイルの最大数
-
システムテスト支援が対応するpcap形式ファイル数は最大512ファイルです。その為、パケットキャプチャコマンドは作成されるpcap形式ファイル数が512以下になるように取得箇所や分割サイズ等を考慮して実行してください。
以下に、tcpdumpコマンドを使用してパケットキャプチャする場合の実行例を示します。
- [条件]
-
パケット送受信に使用するネットワークインタフェース名:「eth1」
既存システムの対象IPアドレス:「172.17.2.5〜172.17.2.21」
既存システムの対象ポート番号:「5000、30000〜60000」
取得データサイズ:65535
出力先のpcap形式ファイル:capfile
テスト対象プロトコルが必要とするトランスポートプロトコル:TCP
- [コマンド実行形式]
-
# tcpdump -i eth1 -s 65535 tcp and net 172.17.2 mask 255.255.255.0 and portrange 5000-60000 -w capfile
- マシン時刻
-
pcap形式ファイルにキャプチャ中にマシン時刻を変更した場合、当該pcap形式ファイルを使用してシステムテスト支援を実行した場合、以下が発生する。そのため、マシン時刻は変更しないこと。
-
時刻を進めた場合
順番通りにパケットが処理されないことがあります。
また、パケットが不当にタイムアウトすることがあります。
-
時刻を戻した場合
順番通りにパケットが処理されないことがあります。
また、パケットのタイムアウトが遅れることがあります。
-