8.4.3 プロジェクト情報を設定する
指定したプロジェクト情報ファイルの内容で,プロジェクト情報を更新します。プロジェクト情報を更新したあとは,COBOLソースファイルの解析が行われます。なお,旧バージョンで作成済みのプロジェクト情報ファイルはそのまま使用できます。
作業の前に確認すること
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設定で使用するプロジェクト情報ファイルに,変更する内容をすべて記載している。
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プロジェクト情報ファイルに記載した内容が正しい。
作業の手順
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単体テストの実行の対象となるテストプロジェクトを用意します。
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Windowsのコマンドプロンプトを起動します。
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次のどちらかの方法で,プロジェクト情報ファイルを準備します。
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プロジェクト情報ファイルを出力して,その内容を編集します。
出力方法は,「8.4.2 プロジェクト情報ファイルを出力する」を参照してください。
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プロジェクト情報ファイルを作成します。
作成するときのフォーマットは,次の表および「11.2 プロジェクト情報ファイルの構成要素」を参照してください。
表8‒1 プロジェクト情報ファイルに記載する内容 要素
要否
備考
<CblUnitTestSupport>
必須
−
<Property>
任意
[プロパティページ]の内容を更新する場合に必要です。
<ProjectName>
任意
指定しても無視されます。
<ProgramName>
任意
指定しても無視されます。
<WorkingFolder>
任意
指定しても無視されます。
<COBOLSourceFile>
任意
COBOLソースファイルのパスを指定します。
空要素にはできません。
相対パスで指定した場合,cblutsコマンドを実行したフォルダからの相対パスとして絶対パスに変換して設定されます。
COBOLソースファイル名を変更することはできません。
<TargetProgramType>
任意
テスト対象プログラムの種類を変更するときに指定します。
次のどれかの値を指定します。
-
Main,System:
主プログラム(-Main,System)にする場合
-
Main,V3:
主プログラム(-Main,V3)にする場合
-
Sub:
副プログラムにする場合
大文字と小文字は区別されます。
<CompilerOptions>
任意
コンパイラオプションを指定するとき,またはコンパイラオプションを削除するときに指定します。
<CompilerOption>
任意
コンパイラオプションを指定します。
この要素がない場合,コンパイラオプションは変更されません。
コンパイラオプションを削除するときは,空要素を1つだけ指定します。
コンパイラオプションを複数指定するときは,1つの要素にまとめて記載するか,または別の要素に分けて記載します。
(例)次の指定は同じ結果になります。
-
指定1
<CompilerOption>-Option1 -Option2</CompilerOption>
-
指定2
<CompilerOption>-Option1</CompilerOption>
<CompilerOption>-Option2</CompilerOption>
<CompilerEnvironmentVariables>
任意
コンパイラ環境変数を指定するとき,またはコンパイラ環境変数を削除するときに指定します。
<CompilerEnvironmentVariable>
任意
コンパイラ環境変数を指定します。
この要素がない場合,コンパイラ環境変数は変更されません。
コンパイラ環境変数を削除するときは,空要素を1つだけ指定します。
この要素には値がありません。
環境変数名および値は次の属性に指定します。
-
環境変数名:name属性
-
値:value属性
name属性とvalue属性には空文字を指定できます。※1
<LinkFiles>
任意
リンクするファイルを指定するとき,またはリンクするファイルの設定を解除するときに指定します。
<LinkFile>
任意
リンクするファイルのパスを指定します。
相対パスで指定した場合,絶対パスに変換しないでそのまま設定されます。
この要素がないと,リンクするファイルは変更されません。
リンクするファイルの設定を解除するときは,空要素を1つだけ指定します。
1つの要素で,1つのファイルを指定します。
<RuntimeEnvironmentFile>
任意
実行環境ファイルを指定します。
相対パスで指定した場合,cblutsコマンドを実行したフォルダからの相対パスとして絶対パスに変換して設定されます。
空要素にすると,実行環境ファイルの設定が解除されます。
<RuntimeEnvironmentVariables>
任意
実行時環境変数を指定するとき,または実行時環境変数を削除するときに指定します。
<RuntimeEnvironmentVariable>
任意
実行時環境変数を指定します。
この要素がないと,実行時環境変数は変更されません。
実行時環境変数を削除するときは,空要素を1つだけ指定します。
この要素には値がありません。
環境変数名および値は次の属性に指定します。
-
環境変数名:name属性
-
値:value属性
name属性とvalue属性には空文字が指定できます。※1
<EnableTestCaseSetting>
任意
テストケースごとに実行環境ファイルまたは実行時環境変数を設定するかどうかを指定します。次のどちらかの値を指定します。
-
ON:有効
-
OFF:無効
大文字と小文字は区別されます。この要素は省略できます。省略するとOFF(無効)が設定されます。
<Stub>
任意
[スタブ設定ページ]の内容を更新する場合に必要です。
<ConstantNames>
任意
CALL定数で呼び出す副プログラムに対して,ダミーのプログラムを作成するかどうかを変更するときに指定します。
<ConstantName>
任意
CALL定数で呼び出す副プログラムのうち,ダミーのプログラムを作成するかどうかを変更したいプログラム名を指定します。
この要素がないとCALL定数呼び出しのダミープログラムの作成要否は変更されません。
この要素には値がありません。
プログラム名およびダミープログラムを作成するかどうかは次の属性に指定します。
-
プログラム名: name属性
-
ダミープログラムを作成: value属性
・ON:作成します。
・OFF:作成しません。
・空文字:無視します。
name属性とvalue属性には空文字が指定できます。※2
この要素で指定しなかった副プログラムについては,ダミープログラムを作成するかどうかが変更されません。
指定した副プログラムの呼び出しがなかった場合は無視されます。
<IdentNames>
任意
CALL一意名で呼び出す副プログラムに対して,ダミーのプログラムを作成するかどうかを変更するときに指定します。
<IdentName>
任意
CALL一意名で呼び出す副プログラムのうち,ダミーのプログラムを作成するものを指定します。
この要素がないと設定されません。
ダミーのプログラムの作成をすべてやめるときは,空要素を1つだけ指定します。
対象のプログラムが複数ある場合は,1つの要素で1つのプログラムを指定します。
(例)
「Prog1」と「Prog2」の2つのプログラムを登録する場合
正しい例:
<IdentName>Prog1</IdentName>
<IdentName>Prog2</IdentName>
誤った例:
<IdentName>Prog1 Prog2</IdentName>
この場合,「Prog1 Prog2」という名前で設定されます。
<FileNames>
任意
入出力するファイル名に対して,ダミーのファイルを作成するかどうかかを変更するときに指定します。
<FileName>
任意
入出力するファイル名のうち,ダミーのファイルを作成するかどうかを変更したいファイル名を指定します。
この要素がない場合は設定されません。
ファイル名およびダミーファイルを作成するかどうかは次の属性に指定します。
-
ファイル名: name属性
-
ダミーファイルを作成: value属性
・ON:作成します。
・OFF:作成しません。
・空文字:無視します。
name属性とvalue属性には空文字が指定できます。※2
この要素で指定しなかったファイル名については,ダミーのファイルを作成するかどうかが変更されません。
指定したファイル名の入出力文がなかった場合は無視されます。
<TestCaseSettings>
任意
<EnableTestCaseSetting>の値または要素の有無によって,この要素の扱いが異なります。
-
<EnableTestCaseSetting>の値がONの場合
この要素の指定は必須です。ONの場合,この要素が指定されていないときはエラーとなります。
テストケースごとの設定が何もないときは,<TestCaseSetting>要素とその配下の要素が空で1つだけ出力されます。
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<EnableTestCaseSetting>の値がOFFの場合
この要素は無視されます。
-
<EnableTestCaseSetting>の要素自体がない場合
<TestCaseSettings>要素で指定している内容は無視されます。
<TestCaseSetting>
任意
テストケースごとの実行環境を設定する場合に指定します。
設定対象のテストケース名を次の属性に指定してください。
テストケース名:testcasename属性
testcasename属性が存在しない値のとき,警告が出力され,次の<TestCaseSetting>要素の読み取りに移ります。
testcasename属性が空のときは警告を出力しないで,次の<TestCaseSetting>要素の読み取りに移ります。
<RuntimeEnvironmentFile>
任意
実行環境ファイルを指定します。
相対パスで指定した場合,cblutsコマンドを実行したフォルダからの相対パスとして絶対パスに変換して設定されます。
空要素にすると,実行環境ファイルの設定が解除されます。
<RuntimeEnvironmentVariables>
任意
テストケースごとの実行環境ファイルまたは実行時環境変数を設定するとき,または削除するときに指定します。
<RuntimeEnvironmentVariable>
任意
テストケースに設定する実行時環境変数を指定します。
この要素がないと,実行時環境変数は変更されません。
実行時環境変数を削除するときは,空要素を1つだけ指定します。
この要素には値がありません。
環境変数名および値は次の属性に指定します。
-
環境変数名:name属性
-
値:value属性
name属性とvalue属性には空文字が指定できます。※1
value属性の値
name属性の値
任意の文字列
空文字
任意の文字列
正常
エラー
空文字
正常(指定した環境変数に空文字を設定します)
無視
value属性の値
name属性の値
任意の文字列
空文字
ON/OFF
正常
エラー
空文字
無視
無視
-
-
-
次に示すcblutsコマンドで,手順3で準備したプロジェクト情報ファイルをインポートします。
cbluts -TestProject -Import -InputPath プロジェクト情報ファイルのパス 〔-Quiet〕 -Project 実行対象テストプロジェクトファイルパス
指定したプロジェクト情報ファイルの内容でプロジェクト情報を更新したあと,COBOLソースファイルの解析が行われます。この解析で,対応の取れなくなったテストデータを発見した場合,対応の取れなくなったテストデータに対するメッセージを出力したあとに,次の確認メッセージが表示されます。
…(対応の取れなくなったテストデータに対するメッセージ) : KEDL3029T-W テストデータ設定後に,COBOLソースファイルが更新されました。続行すると,対応の取れないテストデータは削除されます。 KEDL3030T-I 続行しますか? (Y/N)
Yを入力すると,対応が取れないテストデータは削除されてインポートが続行されます。Nを入力すると,インポートは中止されてプロジェクトの内容はコマンドを実行する前の状態のままになります。対応が取れなくなったテストデータに対するメッセージの内容を確認したあと,YかNを入力してください。この確認を行いたくない場合は,-Quietオプションを指定してください。
注意
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プロジェクト情報ファイルはxmlで記述してください。文字コードはシフトJIS(Shift_JIS)とします。
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プロジェクト情報の設定前後で内容に変更がなくても,COBOLソースファイルの解析と保存が行われます。
関連項目