1.2 生成するソース解析情報の内容
COBOLソース解析が生成するソース解析情報には,COBOL資産全体の情報,COBOLソースファイル固有の情報,解析結果の分布情報,デッドコード情報,および不整合引数の情報が出力されます。
COBOLソース解析が生成するソース解析情報の概要を次の図に示します。
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COBOL資産全体の情報
解析対象のCOBOLソースファイル,使用されていないCOBOLソースファイル,COBOLソースファイルが使用しているファイルなどを解析できます。解析対象のCOBOLソースファイルの一覧を参照できるので,解析対象のCOBOL資産全体を理解するために役立ちます。
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COBOLソースファイル固有の情報
COBOLソースファイルのプログラム名(PROGRAM-ID),COBOLソースファイルが使用している登録集原文,COBOLソースファイルの手続き部(節または段落)などを解析できます。COBOLソースファイルの内容が項目ごとに参照できるので,COBOLソースファイルを理解するために役立ちます。
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解析結果の分布情報
行数の分布,実行文や分岐の数の分布,節数や段落数の分布などを解析できます。分布情報を項目ごとに参照できるので,システムの規模やシステムの状況を把握するときに役立ちます。
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デッドコード情報
実行される可能性がない文,プログラムなど,プログラムの実行結果に影響を与えないソースコードの候補(デッドコード候補)を検出できます。実行されない処理がわかるため,プログラムの分岐条件の修正や,プログラムテストが不要なファイルを発見するときに役立ちます。
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不整合引数の情報
CALL文によるプログラム呼び出しで引数の個数,受渡方法,データ属性やサイズが一致していない実引数と仮引数の情報を検出できます。システムの更改や移植の契機で修正が必要な引数不整合の規模を把握したり,テストや障害調査で引数の整合性を検証したりするときに役立ちます。
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ソースコードの実行順序情報
ソースコードのすべての実行順序をツリー形式で表示またはリスト出力できます。実行経路の組み立てや,分岐先および呼出先を探す手間が不要になるので,ソースコードリーディングを効率的かつ効果的に実施するのに役立ちます。