18.2.7 ユーザ資産の移行
Windows(x64) COBOL2002でのユーザ資産の移行について,説明します。
(1) プロジェクトマスタファイルの移行
プロジェクトマスタファイルとプロジェクトマスタファイルに登録されている情報の移行について説明します。
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Windows(x86) COBOL2002で扱うことができるプロジェクトマスタファイル(.hmf)およびCOBOLプロジェクトファイル(.pmi)は,Windows(x64) COBOL2002に移行できます。
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COBOL85 Version 6,Version 7,Windows(x86) COBOL2002で作成したプロジェクトマスタファイル(.hmf)を開いた場合には,次の警告メッセージが表示されます。
「「開発マネージャ for COBOL2002 64bit」以外で作成されたプロジェクトマスタファイルです。」
このメッセージが表示された場合に,このままプロジェクトマスタの保存を行うと,移行前のプロジェクト形式と異なるプロジェクト形式に変換されることがあります。移行前のプロジェクトマスタファイルのバックアップを採っていない場合は,プロジェクトマスタの保存を行わずに開発マネージャを終了し,バックアップを採ってから作業を行うことを推奨します。
(2) プロジェクトの移行
Windows(x64) COBOL2002で開いたプロジェクトマスタファイル中に,使用できない機能を含んだプロジェクト種別が含まれていた場合,プロジェクト種別部分は不確定(プロジェクト種別の設定がない状態)のプロジェクトになります。
また,COBOL85 Version 6,Version 7,Windows(x86) COBOL2002でエクスポートしたプロジェクト情報ファイル(.hmp)に,使用できない機能を含むプロジェクト種別が含まれていた場合,プロジェクト種別部分は不確定のプロジェクトになります。
プロジェクトの移行を次に示します。
プロジェクトで指定するオプション |
移行時の扱い |
---|---|
-Dll指定 (DLLを作成する) |
移行できる。ただし,Windows(x64) COBOL2002用の生成物を作成するプロジェクトとして動作する。 |
Dllの属性をstdcallまたはcdeclにする-Dll指定 |
読み込み時に警告※1を表示する。設定は解除される。 |
GUIプログラム |
読み込み時に警告※2を表示する。設定は解除され,不確定のプロジェクトとなる。 |
使用できない機能を含むプロジェクト種別としては,「18.2.5 作成できるプログラムの相違」に記載しているもののほかに,COBOL85 Version 6,Version 7で作成した,次のプロジェクト種別があります。
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CORBAサーバプログラム(COBOL85)
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CORBAサーバプログラム(OOCOBOL)
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CORBAクライアントプログラム(EXE)
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CORBAクライアントプログラム(DLL)
使用できない機能を含んだプロジェクトマスタの移行例を次に示します。
使用できない機能を含むプロジェクトマスタは,Windows(x64) COBOL2002で開かれた場合,不確定のプロジェクト(プロジェクト種別が選択されていない状態)になります。多くの場合,このプロジェクトマスタを使用することは難しいですが,次の対応によって利用できるものもあります。その際には,移行前のプロジェクトファイルを退避してから再利用してください。
DLLを作成するプロジェクトについては,呼び出し規約のサブオプションが無効になりますが,特に変更操作をすることなく移行できます。
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不確定のプロジェクトを修正し,プロジェクトを再構築する。
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不確定のプロジェクトを破棄し,プロジェクトを新規に作成する。
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不確定のプロジェクトを破棄し,有効なプロジェクトだけを使用する。
(3) ファイルの移行
Windows(x64) COBOL2002で使用できないファイルの移行について説明します。使用できないファイル種別については,「18.2.3 操作できるファイルの扱いの相違」を参照してください。
Windows(x64) COBOL2002 開発マネージャへの移行時の扱いを次に示します。
ファイル種別 |
拡張子 |
移行時の扱い |
---|---|---|
stdcall呼び出し指示ファイル |
.cbw |
読み込み時にエラーメッセージ※1を表示し,プロジェクトから削除対象となる。 |
GUI定義ファイル |
.gcb |
読み込み時に警告※2を表示し,構成を変更して,一般ファイルとして扱う。 |
ブラウズ情報ファイル |
.brd |
読み込み時にエラーメッセージ※1を表示し,プロジェクトから削除対象となる。 |
(4) コンパイラオプションの移行
Windows(x64) COBOL2002で開いたプロジェクトマスタ中に,使用できないコンパイラオプションがある場合は次のように扱います。
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使用できないツールや使用できない製品に依存するオプション含む場合は,該当するオプションを削除して移行します。そのほかの使用できないオプションは該当するオプションを削除して移行します。
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Windows(x64) COBOL2002への移行によって,オプションが変更になったもの(例えば,-Dll,Cdeclオプションは-Dllオプションに変換)は,開発マネージャでもコンパイラのオプション変更に合わせたオプションの置き換えを行います。
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プロジェクトマスタファイル,プロジェクトファイルの読み込み時には,エラーメッセージを表示します。
コンパイラオプションの移行について次に示します。
プロジェクト設定の分類 |
コンパイラオプション |
移行時の扱い |
---|---|---|
製品連携 |
-IsamExtend (Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルを使用する) |
読み込み時にエラーメッセージ※を表示し,設定は解除する。 |
-IsamExtend,Zone (Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルを使用する場合,レコードキーに外部10進項目が指定されたときに,外部10進属性として処理する) |
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-XMAP (XMAP3を使用する) |
||
-XMAP,LinePrint (書式印刷機能を使用する) |
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リンク |
-StdCall (stdcall呼び出し指示ファイルを有効にする) |
|
-StdCallFile (stdcall呼び出し規約の指示ファイルを指定する) |
||
移行 |
-CompatiM7 (MIOS7 COBOL85との互換機能を有効にする) |
ただし,関連製品がインストールされていないなどの場合,非表示となるオプションは次のメッセージを表示して無効とします。
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関連製品がインストールされていないなどの場合
「必要な連携機能または,プログラムプロダクトがインストールされていないか,未サポート等により認識できません。」
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オプションの場合
「以下のオプションは無効です。」
なお,表示されるオプションに,開発マネージャ内部で使用しているオプション名称が表示されることがあります。表示された場合には,製品のインストール状況やオプションのサポート状況を確認してください。
使用できないオプションについては,「18.2.6 プロジェクト設定の相違」の「(3) Windows(x64) COBOL2002では使用できないコンパイラオプション」を参照してください。