COBOL2002 操作ガイド


15.4.1 カバレージ情報の表示の方法(CSV形式)

コマンドプロンプトから,コマンドを入力してカバレージ情報を表示します。

カバレージ情報の表示については,「13.2.6 カバレージ情報の表示(CSV形式)」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) カバレージ情報の表示の手順

バッチモードでカバレージ情報を表示するときの作業の流れを説明します。

  1. -CVInfコンパイラオプションを指定して,プログラムをコンパイルする。

    コンパイラオプションについては,「9.1.2 プログラムのコンパイル」を参照してください。

  2. cblcc2kコマンドを指定して,実行する。

  3. 出力されたCSVファイルをエディタやExcelなどの表計算プログラムで開き,内容を確認する。

(2) cblcc2kコマンドの指定形式

形式

[図データ]

-List

カバレージ統計情報CSVファイルを出力します。

-Source

ソースカバレージ情報CSVファイルを出力します。

-All

カバレージ統計情報CSVファイルとソースカバレージ情報CSVファイルの両方を出力します。

-Listと-Sourceを同時に指定したのと同じです。

-NoHeader

ヘッダカラム名とヘッダを出力しません。

この引数を指定した場合,カバレージ統計情報CSVファイルとソースカバレージ情報CSVファイルには,それぞれ次の内容を出力します。

  • カバレージ統計情報CSVファイルのとき

    カバレージ統計情報カラム名とカバレージ統計情報

  • ソースカバレージ情報CSVファイルのとき

    ソースカバレージ情報カラム名とソースカバレージ情報

カバレージ統計情報CSVファイルおよびソースカバレージ情報CSVファイルの出力内容については,「13.2.6 カバレージ情報の表示(CSV形式)」を参照してください。

-ListSourceFile

カバレージ統計情報CSVファイルにソースファイル単位の統計情報を出力します。カバレージ統計情報CSVファイルを出力しない場合は無視されます。

-ListCompilationUnit

カバレージ統計情報CSVファイルに翻訳単位の統計情報を出力します。カバレージ統計情報CSVファイルを出力しない場合は無視されます。

-ListAll

カバレージ統計情報CSVファイルに,ソースファイル単位と翻訳単位の両方の統計情報を出力します。

-ListSourceFileと-ListCompilationUnitを同時に指定したのと同じです。カバレージ統計情報CSVファイルを出力しない場合は無視されます。

-Comment

ソースに記述されたコメント行(注記行)をソースカバレージ情報CSVファイルに出力します。ソースカバレージ情報CSVファイルを出力しない場合は無視されます。

省略時は,ソースに記述されたコメント行(注記行)をソースカバレージ情報CSVファイルに出力しません。

-ListFileName

出力するカバレージ統計情報CSVファイルのファイル名(.csv)を指定します。ファイル名には,カバレージ統計情報CSVファイルを格納するフォルダのパスを含めないで,ファイル名だけを指定してください。

省略時は,「summary_list.csv」を仮定します。カバレージ統計情報CSVファイルを出力しない場合は無視されます。

-OutputPath

生成するCSVファイルの出力先フォルダのパスを指定します。出力先フォルダ名には,存在するフォルダを指定してください。省略時は,出力先フォルダをカレントフォルダとします。

  • カバレージ統計情報CSVファイルの場合

    -OutputPathオプションで指定したフォルダに,-ListFileNameオプションで指定したファイル名で出力します。

  • ソースカバレージ情報CSVファイルの場合

    -OutputPathオプションで指定したフォルダに,プログラム情報ファイル名(拡張子を除く)に「_source.csv」を付けたファイル名で出力します。例えば,プログラム情報ファイル名が「makeline.cbp」の場合は,ソースカバレージ情報CSVファイルは「makeline_source.csv」で出力します。

-Recursive

-InputPathで指定したフォルダと,そのサブフォルダにあるすべてのプログラム情報ファイルを出力対象とします。また,-OutputPathに指定した出力先フォルダに,-InputPathで指定したフォルダ下と同じフォルダ構成で出力します。

省略時は,-InputPathで指定したフォルダの直下にあるプログラム情報ファイルだけを出力対象とし,-OutputPathに指定した出力先フォルダの直下に出力します。

この引数は,-InputPathを指定した場合にだけ有効になります。

-Input

出力対象のプログラム情報ファイル名を指定します。

プログラム情報ファイル名は,コンマ(,)区切りで複数指定できます。ファイル名が同じプログラム情報ファイル名は同時に指定できません。絶対パスや相対パスで指定した場合も,同じパスではなく,同じプログラム情報ファイル名は同時に指定できません。

-InputPath

出力対象のプログラム情報ファイルを格納しているフォルダのパスを指定します。

-?

cblcc2kコマンドの構文を表示します。-?を指定すると,ほかの引数はすべて無視されます。

出力されるカバレージ情報リストの詳細については,「13.2.6 カバレージ情報の表示(CSV形式)」を参照してください。

注意事項
  • -List,-Sourceまたは-Allのうち何も指定がなかった場合,-Allオプションを仮定します。

  • -ListSourceFile,-ListCompilationUnitまたは-ListAllのうち何も指定がなかった場合,-ListAllオプションを仮定します。

  • cblcc2kコマンドのメッセージは標準エラー出力に出力します。

  • 複数のファイルを出力する場合に,処理中にエラーが発生したときは,それ以降のファイルの出力を中止します。それより前に出力したファイルは削除されません。

  • コマンド名,引数は,英大文字,英小文字のどちらでも指定できます。引数の始まりは,ハイフン(-)の代わりにスラント(/)も使用できます。

  • コマンド名だけを指定した場合は,コマンドの構文を表示します。

  • 引数の区切り記号は空白文字とタブです。空白文字とタブを区切り記号としたくないときは,引数をダブルコーテーション(")で囲みます。例えば,空白文字を含むファイル名はファイル名をダブルコーテーション(")で囲んで指定します。

  • 「@コマンドファイル名」の形でコマンドファイルが指定できます。コマンドファイルの内容は,実行時にコマンドラインに変換されます。コマンドファイルはコマンド名よりあとに指定します。

  • 同じ引数を複数指定した場合は,あとに指定した引数のパラメタを有効とします。

  • 引数にパスの付かないファイル名だけを指定した場合は,カレントフォルダのファイルとします。フォルダ名だけを指定した場合は,カレントフォルダ下にあるフォルダとします。相対パスで指定された場合は,カレントフォルダを基準に検索します。ただし,プログラム情報ファイルを指定した場合は,環境変数CBLPIDIRの指定が有効となります。

  • コマンドが返すリターン値は,次のとおりです

    リターン値

    内容

    0

    正常終了

    1

    エラー発生による終了

  • -?引数が指定された場合のコマンドの構文は,標準出力に出力されます。それ以外のメッセージは,標準エラー出力に出力されます。

(3) 環境変数の指定

カバレージ表示に必要なファイルを環境変数に指定します。

(a) CBLPIDIR

作成または更新したプログラム情報ファイルのあるフォルダを指定します。

注意事項
  • プログラム情報ファイルがパスの付かないファイル名または,相対パスで指定された時は,次のフォルダを検索します。相対パスを指定した時は,次のフォルダからの相対パスを検索します。絶対パスが指定されたときは,次に示すフォルダの検索は行いません。

    1. 環境変数CBLPIDIR で指定したフォルダ

    2. カレントフォルダ

  • プログラムが-CVInfコンパイラオプションでコンパイルされていない場合,カバレージ情報の表示,およびカウント情報の表示の対象となりません。

    カバレージ情報の表示では対象外とするエラーメッセージを出力します。

  • カバレージ情報の表示の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージの表示を行いません(カバレージ統計情報CSVファイルも出力しません)。