COBOL2002 操作ガイド


3.3.2 実行環境の設定

〈この項の構成〉

(1) 環境変数の登録

環境変数の登録・変更・削除の操作,および設定できる環境変数について説明します。

環境変数は,次の形式で環境変数登録リストに表示されます。

形式

環境変数名=値

値には,メタキャラクタを使用した「%環境変数名%」の形式が指定できます。詳細は,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」の「実行時環境変数の設定方法」を参照してください。

(a) 登録

  1. 実行支援ウィンドウの下部にあるタブから,設定する環境変数の種類を選ぶ。

    選んだ種類に関連する環境変数の説明の一覧が表示されます。

  2. 設定する環境変数の説明のチェックボックスを選ぶ。

    ここから先の操作は,環境変数ごとに異なります。

指定できる値が1種類だけの環境変数の場合

「環境変数名=YES」のように,指定できる値が1種類だけの環境変数の場合,自動的に環境変数に値が設定されます。

変数名に任意の情報を含む環境変数の場合

CBL_外部装置名の「外部装置名」のように,変数名に任意の情報を含む環境変数の場合,環境変数の設定ダイアログボックスが表示されます。

[図データ]

「変数名」の欄に「CBL_」まで入力されているので,外部装置名の部分を入力し,「値」の欄に値を設定して[登録]ボタンを選んでください。

なお,次に示す操作によって,環境変数に物理ファイルを割り当てることもできます。

ファイルを割り当てる場合

外部装置名を入力して[参照]ボタンを選び,表示されたダイアログボックスからファイルを指定します。指定したファイル名が値に設定されます。

環境変数によっては,複数のファイル名を指定できるものもあります。

GDIモード印刷機能で出力したいプリンタを割り当てる場合

外部装置名を入力して[印刷定義]ボタンを選びます。

次に示す印刷定義ダイアログボックスが表示されます。

[図データ]

印刷書式番号を指定します。各印刷書式番号には,あらかじめ出力先や出力形式が設定されています(「3.3.4 印刷書式の設定」参照)。チェックボックスがチェックされていない場合は,デフォルトが使用されます。

ESC/Pモード印刷機能で出力したいプリンタを割り当てる場合

「値」の欄に"SYSPRT"を指定します。

GDIモード印刷機能,およびESC/Pモード印刷機能での出力の詳細については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」を参照してください。

環境変数の設定ダイアログボックスの登録リストに環境変数を設定したら,[OK]ボタンを選んで環境変数の設定ダイアログボックスを閉じてください。なお,[キャンセル]ボタンを選ぶと,環境変数の登録を中止できます。

上記以外の環境変数の場合

値を設定する欄が表示されます。設定欄の例を次に示します。

[図データ]

値をテキストボックスに直接入力するか,ドロップダウンリスト,スピンボタン,[参照]ボタン,[設定値選択]ボタン,[値の設定]ボタンなどで選んで[Enter]キーを押してください。

なお,値をテキストボックスに直接入力中に登録を中止する場合は,[Esc]キーを押してください。また,ほかのウィンドウをアクティブにした場合も入力が中止されます。

環境変数が登録されると,環境変数の説明のチェックボックスがオンになり,「環境変数登録リスト」の欄に設定内容が表示されます。

注意事項
  • ユーザ指定の環境変数を登録する場合は,[ユーザ設定]タブを選んで「変数名」「値」の欄にそれぞれ設定したい環境変数名と値を直接入力し,[登録]ボタンを選びます。

  • 「環境変数名=」のように値のない環境変数を登録する場合は,[ユーザ設定]タブを選んで「変数名」の欄に環境変数名だけを入力し,[登録]ボタンを選びます。

  • 各環境変数に設定する値の詳細については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」の「プログラムの実行環境の設定」についての説明を参照してください。

(b) 変更

  1. 実行支援ウィンドウの下部にあるタブから,設定する環境変数の種類を選ぶ。

    選んだ種類に関連する環境変数の説明の一覧が表示されます。

  2. 設定する環境変数の説明のチェックボックスを選ぶ。

    ここから先の操作は,環境変数ごとに異なります。

変数名に任意の情報を含む環境変数の場合

環境変数の設定ダイアログボックスが表示されます。次の手順で環境変数の値を変更してください。

  1. 変更したい環境変数を登録リストからダブルクリックする。

    設定欄に現在の値が表示されます

  2. 値を変更して,[登録]ボタンを選ぶ。

    環境変数の変更が登録リストに反映されます。

  3. [OK]ボタンを選ぶ。

    環境変数の設定ダイアログボックスが閉じ,環境変数の値が変更されます。

    なお,「キャンセル」ボタンを選ぶと,環境変数の変更を中止できます。

上記以外の環境変数の場合

選んだ環境変数の現在の設定値が表示されます。値を変更して[Enter]キーを押すと,環境変数が変更されます。

なお,値をテキストボックスに直接入力中に変更を中止する場合は,[Esc]キーを押してください。

(c) 削除

  1. 実行支援ウィンドウの下部にあるタブから,環境変数の種類を選ぶ。

    選んだ種類の環境変数の一覧が表示されます。

  2. 変更する環境変数名のチェックボックスを選ぶ。

    ここから先の操作は,環境変数ごとに異なります。

指定できる値が1種類だけの環境変数の場合

環境変数が削除され,チェックボックスがオフになります。

変数名に任意の情報を含む環境変数の場合

環境変数の設定ダイアログボックスが表示されます。次の手順で環境変数を削除してください。

  1. 削除したい環境変数を登録リストから選ぶ。

  2. [削除]ボタンを選ぶ。

    登録リストから環境変数が削除されます。

  3. [OK]ボタンを選ぶ。

    環境変数の設定ダイアログボックスが閉じます。環境変数の説明のチェックボックスがオフになり,環境変数の値が削除されます。

    なお,[キャンセル]ボタンを選ぶと,環境変数の削除を中止できます。

上記以外の環境変数の場合

値を設定する欄が表示されます。値をすべて削除して空欄の状態で[Enter]キーを押すと,チェックボックスがオフになり,環境変数登録リストから指定した環境変数が削除されます。

また,次の方法でも環境変数の設定を削除できます。

  1. 実行支援ウィンドウの環境変数登録リストから削除したい環境変数を選ぶ。

  2. [削除]ボタンを選ぶ。

    環境変数が削除されます。

(2) 環境変数一覧

COBOL2002の環境変数の一覧を次に示します。環境変数の詳細な内容,および指定の詳細については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」を参照してください。

実行時環境変数の一覧を,次に示します。

(a) 一般

表3‒2 環境変数一覧(一般)

環境変数名

指定する内容

CBLABNCODE

CBLABNサービスルーチンの引数をCOBOL2002アプリケーションの終了コードにするかどうか

CBLCOMCBR

システム共通の実行環境でプログラムを実行するときの実行環境ファイル名

CBLEXVALUE

EXTERNAL句の指定のあるデータ項目の初期値を指定

CBLLANG

動作する言語環境(文字コード)を指定

CBLLDLL

動的なリンクで実行時にダイナミックリンクするDLLの名称

CBLLPROGDLL

DLL自動ロード機能を使うかどうか

CBLPGMSEARCHTRC

プログラム検索トレースファイル名を指定

CBLPGMSEARCHTRC_SIZE

プログラム検索トレースファイル名を切り替えるサイズを指定

CBLPRELOAD

プレロードリストファイル名を指定

CBLUNIENDIAN

用途がNATIONALの項目に対するUnicodeのバイトオーダを指定

CBLUPSI

外部スイッチの状態

CBL_BATCH

COBOL2002アプリケーションの終了と同時にプロセスを終了させるかどうか

CBL_SYSERR

実行時エラーメッセージの出力先ファイル名

(b) 少量データ

表3‒3 環境変数一覧(少量データ)

環境変数名

指定する内容

CBLDATE

ACCEPT文,CURRENT-DATE関数,MOVE文(日付と時刻用)でシステムから受け取る西暦年月日

CBLDAY

ACCEPT文でシステムから受け取る通算日付

CBL_STOPNOADV

CUIモードでSTOP 定数文を実行したとき,メッセージIDと定数1の直後の改行文字を出力するかどうか

CBL_SYSIN

FROM SYSIN指定のACCEPT文での入力ファイル名

CBL_SYSOUT

UPON SYSOUT指定のDISPLAY文での出力ファイル名

CBL_SYSPUNCH

UPON SYSPUNCH指定のDISPLAY文での出力ファイル名

CBL_SYSSTD

FROM SYSSTD指定のACCEPT文での入力ファイル名

(c) ファイル

表3‒4 環境変数一覧(ファイル)

環境変数名

指定する内容

CBLCSVCHAR

-NumCsvオプションを指定してCSV編成ファイルを数値として読み込むとき,無視する文字列

CBLCSVINIT

CSV編成ファイルのREAD文実行時に,セルと対応しない未使用の基本項目を初期化するかどうか

CBLD_ファイル名

ファイル単位に入出力を指示するオプション

CBLEUDCFUNC

外字を有効にするため内部的に発行しているEnableEUDC関数の扱いの指定

CBLFSYNC

ファイルクローズ時のディスク書き込み保証を適用するかどうか

CBLF_ファイル名

印刷機能を利用したとき,スプールに登録される印刷文書名称の指定

CBLGDIINTERVAL

GDIモード印刷でINTERVAL指定がないとき,実行支援の印刷書式に設定した字間隔を使用するかどうか

CBLGDIWMSG

GDIモード印刷機能を使用する場合に,警告メッセージの出力を抑止するかどうか

CBLIOMESSAGE

ファイル入出力文でのエラー情報出力機能を使用するかどうか

CBLISAMDL

既存の索引ファイルに対してOPEN OUTPUTを実行したとき,旧ファイルを削除後,新規に作成するかどうか

CBLISAMLARGE

実行単位中のすべてのISAMによる索引編成ファイルに対してラージファイル形式を適用するかどうか

CBLPRTEXCHR

CBLP_ファイル名を設定してESC/Pモード印刷機能を利用するプリンタへ外字を出力するとき,ベンダ定義文字を外字として出力する

CBLP_ファイル名

ESC/Pモード印刷機能を利用するプリンタへ,Windows上で作成した外字を登録する

CBLRDBDATAERR

HiRDBによる索引編成ファイルで,レコード中の保証されないデータをエラーとして検出するかどうか

CBLRDBILWAIT

HiRDBによる索引編成ファイルで,内部的に発行されるSELECTに対して排他オプションを付けるかどうか

CBLRDBOPURGE

HiRDBによる索引編成ファイルの全データを削除する際に,PURGE TABLEを使用するかどうか

CBLRDBROWVALCONSTRUCTOR

HiRDBによる索引編成ファイルで,内部発行SELECTで行値構成子を使用する「内部発行されるSQL文で行値構成子を使用する機能」を使用するかどうか

CBLTEXTSUPPRESSBOM

テキスト編成ファイルでのUnicodeシグニチャ出力を切り替えるかどうか

CBLTEXTWRITESPACE

テキスト編成ファイルのWRITE文,REWRITE文で,レコード末尾の半角空白文字をファイルに書き出すかどうか

CBLX_外部装置名

書式印刷をするときの印刷サービス名称

CBL_BTRPGSZ

Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルのページサイズ

CBL_RDBCOMMIT

HiRDBによる索引編成ファイルのトランザクション管理をするかどうか

CBL_RECLOCKMAX

相対編成ファイルでLOCK MODE句にMANUALを指定したとき同時に施錠できるレコード数

CBL_SYSCSVIN

FROM SYSCSV指定のACCEPT文での入力ファイル名

CBL_SYSCSVOUT

UPON SYSCSV指定のDISPLAY文での出力ファイル名

CBL_外部装置名

ファイル入出力での入出力ファイル名

注※

Windows(x86) COBOL2002で有効です。

(d) 画面

表3‒5 環境変数一覧(画面)

環境変数名

指定する内容

CBLACTWIN

COBOLアプリケーションの出力するコンソールおよび画面機能のウィンドウをDISPLAY文のメッセージ出力のタイミングでアクティブにするかどうか

CBLATTRIBUTE

画面節(WINDOW SECTION)のERASE ATTRIBUTE文で指定したフィールドに重ねて表示してあるけい線,および属性を消去するかどうか

CBLAUTOCLEAR

画面機能でのデータ入力時の動作変更

CBLENTERCHK

ACCEPT文やREPLY文実行時,画面節(WINDOW SECTION)のENTER-CHECK句指定項目がデータ未入力の場合,WINDOW-STATUS特殊レジスタへの値設定

CBLFEP

-JPN,Alnum,または-JPN,V3JPNオプション指定時に,カーソル移動によって自動的に日本語入力に切り替えるかどうか

CBLIMEPOS

画面機能で,日本語をフィールドに直接入力するかどうか

CBLJCPOPENDKEY

JCPOPUPサービスルーチンの終了キーの拡張

CBLM7ENDKEY

MIOS7の終了キーを,[Alt]+[F1]〜[Alt]+[F8]から[Shift]+[F1]〜[Shift]+[F8]に変更する

CBLNOCLOSE

COBOLプログラム実行中の強制中断を抑止するかどうか

CBLONLYNUM

環境変数CBLAUTOCLEARでの画面動作の変更を,画面節(WINDOW SECTION)の数字項目,および数字編集項目だけに限定するかどうか

CBLOVERFLOW

画面節(WINDOW SECTION)入力時に,自動カーソル位置づけを抑止するかどうか,およびオーバフローをチェックするかどうか

CBLSETFIELD

画面節(WINDOW SECTION)のSET文でフィールドの属性を変更するとき,それまでSET文で変更していた属性を初期化するかどうか

CBLUNDERDOT

画面機能で,入力および入出力フィールドにピリオド(.)を表示するかどうか

CBLUPDOWNMOVE

画面機能(画面節(WINDOW SECTION))でのACCEPT文,またはREPLY文実行時,[↑]キー,[↓]キーの動作を変更するかどうか

(e) 画面(XMAP)

表3‒6 環境変数一覧(画面(XMAP))

環境変数名

指定する内容

CBLPRNTID

画面機能での送信先プリンタに対する仮想端末名

CBLPRNT_xxx

画面機能で送信先がプリンタのときの仮想端末名

CBLTERMID

画面機能での送信先ディスプレイに対する仮想端末名

CBLTERMSHAR

複数プログラムでの仮想端末共有

CBLTERM_xxx

画面機能で送信先がディスプレイのときの仮想端末名

(f) 整列併合

表3‒7 環境変数一覧(整列併合)

環境変数名

指定する内容

CBLSORTSIZE

整列処理で使用するメモリサイズ

CBLSORTWORK

整列処理用の作業用ファイルのフォルダ名

(g) 拡張機能

表3‒8 環境変数一覧(拡張機能)

環境変数名

指定する内容

CBLOPS

MIOS7 COBOL85互換のために複数の環境変数を指定する

CBLSQLCOMMOD

ODBCインタフェースを使用してデータベースに接続する場合のコミットモードの設定

CBLSQLCURUSE

ODBCインタフェース機能を使用した場合にカーソルオプションの設定を変更する

CBLSQLDYNAMIC

ODBCインタフェース機能の動的SQLで内部的に発行するODBC APIを変更する

CBLSQLLOGINTIMEOUT

ODBCインタフェースを使用した場合にODBCオプションのSQL_LOGIN_TIMEOUTの値を指定する

CBLSQLQUERYTIMEOUT

ODBCインタフェースを使用した場合にODBCオプションのSQL_QUERY_TIMEOUTの値を指定する

CBLSQLROWCOUNT

ODBCインタフェースを使用した場合にODBCインタフェースで影響行数が0の場合にSQLCODEに100を設定する

CBLSQLSUPPRESSMSG

ODBCインタフェースを使用した場合にODBCインタフェースでの実行時メッセージの出力を抑止するかどうか

CBLSQLWMSG

ODBCインタフェースを使用した場合に警告メッセージの出力を抑止するかどうか

(h) デバッグ

表3‒9 環境変数一覧(デバッグ)

環境変数名

指定する内容

CBLABNLST

異常終了時要約情報リストの出力先

CBLDDUMP

異常終了時のデータ領域ダンプの出力先

CBLDATADUMPFILE

CBLDATADUMPサービスルーチンによるデータ領域ダンプの出力先

CBLEXCEPT

プログラム実行中に例外が発生した時の動作

CBLPRMCHKW

-DebugCompatiオプション指定時,またはテストデバッグ時のプログラム間整合性チェックを緩和するかどうか

CBLTDEXEC

プログラム実行時にテストデバッガを起動するかどうか

CBL_FLSRVDUMP

COBOL入出力サービスルーチンのデバッグ情報を出力するファイル名

(i) イベントログ

表3‒10 環境変数一覧(イベントログ)

環境変数名

指定する内容

CBLSYSLOG

イベントログファイル出力機能を使用するかどうか

CBLSYSLOGLVL

イベントログファイル出力機能での出力対象イベントの種類

CBLSYSLOGSRV

イベントログファイル出力機能でのイベント出力先のコンピュータ名

(j) オブジェクト指向

表3‒11 環境変数一覧(オブジェクト指向)

環境変数名

指定する内容

CBLGCINTERVAL

前回のガーベジコレクションを終了してから,次のガーベジコレクションを開始するまでのメモリ使用量(ガーベジコレクションの実行間隔)

CBLGCSTART

ガーベジコレクタの開始条件となる,インスタンスオブジェクトの生成によるメモリ使用量の累積値

(3) 共通実行環境の設定

プログラム別実行環境ファイルに共通実行環境ファイルを取り込む環境変数の形式を次に示します。

CBLCOMCBR=共通実行環境ファイル名

(4) 実行時環境変数の優先順位

実行時環境変数を複数の個所で指定した場合,それらの優先順位は次のようになります。

  1. プログラム別実行環境ファイル

  2. 共通実行環境ファイル

  3. コマンドプロンプトで入力するSETコマンドやWindowsシステムで設定した環境変数

例えば,プログラム別実行環境ファイルで「CBLABNLST=C:\ABNLST.TXT」を,共通実行環境ファイルで「CBLABNLST=C:\USR\ERRLST.TXT」をそれぞれ指定している場合,プログラム別実行環境ファイルで指定されている「CBLABNLST=C:\ABNLST.TXT」が有効となります。