2.3.11 hosts_templateファイル
デプロイしたホストに配布するhostsファイルのテンプレートです。
csdtmpregisterコマンドで登録するコンポーネントテンプレートに付属するファイルの1つです。
csdmireserveコマンド実行時にリソース予約完了したIPアドレスと仮想ホスト名が書き加えられhostsファイルが作成されます。
このファイルにはPaaS提供者が使用したい任意のIPアドレス・ホスト名を書いてください。
リソース予約機能の実行時に読み込まれ,リソース予約完了した全VMのIPアドレス,仮想ホスト名を追記していきISCM用のhostsファイル(hostsファイルA)を作成します。
なお,このファイルはOSのhostsファイルの記述方式に従って作成してください。
(1) ISCM追記内容
ISCMがhostsに追記するホスト名は次のとおりとします。
-
業務IP:「仮想ホスト名 + "-bX"」
-
自身の管理IP:「仮想ホスト名」と「仮想ホスト名 + "-m0"」
-
他ホストの管理IP:「仮想ホスト名 + "-m0"」
(凡例)
X:整数(0〜構成パターンテンプレートで定義したNIC数-1)
また,hostsに記載するIPアドレスは次のとおりとします。
-
対象仮想ホストの管理IP
-
同一業務システム内の業務IP
(業務IPを持たない仮想ホストは管理IPを記載する)
フォーマットは次のとおり半角スペース1個区切りとします。
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IPアドレス△仮想ホスト名-bX
-
IPアドレス△仮想ホスト名△仮想ホスト名-m0
- (例)マスターイメージに,次の仮想ホストが存在する場合
-
-
host1(1.1.1.1(M), 2.1.1.1(B), 3.1.1.1(B))
-
host2(1.1.1.2(M), 2.1.1.2(B))
-
host3(1.1.1.3(M))
- hostsファイルA(host1用)追記内容:
-
1.1.1.1△host1△host1-m0
2.1.1.1△host1-b0
3.1.1.1△host1-b1
2.1.1.2△host2-b0
1.1.1.3△host3-m0
- hostsファイルA(host2用)追記内容:
-
1.1.1.2△host2△host2-m0
2.1.1.1△host1-b0
3.1.1.1△host1-b1
2.1.1.2△host2-b0
1.1.1.3△host3-m0
- hostsファイルA(host3用)追記内容:
-
1.1.1.3△host3△host3-m0
2.1.1.1△host1-b0
3.1.1.1△host1-b1
2.1.1.2△host2-b0
(凡例)
△:半角スペース1文字
X:整数(0〜構成パターンテンプレートで定義したNIC数-1)
-
(2) hostsファイル作成
csdmideployコマンド実行時に,構築が成功した仮想ホストに対して,ISCMが作成したhostsファイルから,仮想ホストのhostsファイルを作成します。
その際,仮想ホストを構築するための仮想イメージテンプレートに付随するhostsファイル(hostsファイルB)のバックアップを次のディレクトリに保存します。なお,次のディレクトリと同一名称のディレクトリ,またはファイルを作成しないでください。
-
Linuxの場合
/etc/csd_hosts_backup
-
Windowsの場合
%SystemRoot%System32\drivers\etc\csd_hosts_backup\hosts.bak
hostsファイルBにhostsファイルAの内容を追記し,仮想ホストに配布するhostsファイルを作成します。
hostsファイルに上記以外の変更を加えたい場合には,次の手順を実行してください。
-
hostsファイルBを書き換えるスクリプトを用意し※,マスターイメージ定義ファイルのOSのパッチ情報に指定する。
-
仮想ホストの構築前ならcsdmideployコマンドを,構築後ならcsdmiupdateコマンドを実行する。
- 注※
-
仮想ホストに,hostsファイルBのバックアップファイルが存在する場合には,バックアップファイルも書き換えるようにスクリプトを作成してください。
マスターイメージ定義ファイルのOSのパッチ情報の指定については「2.4.1 マスターイメージ定義ファイル」を参照してください。
配布されたhostsファイルは,仮想ホスト上に次のファイルとして保存されます。
-
Linuxの場合
/etc/hosts
-
Windowsの場合
%SystemRoot%\System32\drivers\etc\hosts
(3) hostsファイル作成後のデプロイの動作
hostsファイル作成後のデプロイの動作は次のようになります。
項番 |
hostsファイル作成の 実行結果 |
hostsファイル作成後の動作 |
デプロイ完了後の 業務システムstatus |
---|---|---|---|
1 |
デプロイ対象のすべての仮想ホストでhostsファイル作成に成功した場合 |
構築処理を継続 (ミドルウェアセットアップ処理は実行する) |
deployed ※ 最終的なステータスはミドルウェアセットアップ処理の成否によって決定 |
2 |
デプロイ対象の仮想ホストのうち1つ以上,hostsファイル作成に失敗した場合 |
構築処理を中断 (ミドルウェアセットアップ処理は実行しない) |
failed(deploy) |
3 |
デプロイ対象のすべての仮想ホストに対するhostsファイル作成が失敗した場合 |
構築処理を中断 (ミドルウェアセットアップ処理は実行しない) |
failed(deploy) |
(4) hostsファイルの作成に失敗した場合の回復手順
hostsファイル作成の実行結果は,ISCMのコマンド(csdmils)で確認できます※。
hostsファイル作成に失敗した場合は,ISCMのメッセージログにKFUD25006-Eが出力されます。
デプロイ終了後,メッセージログにKFUD25006-Eが出力された場合,次の手順でhostsファイルを再作成してください。
回復手順3.のcsdmideployコマンド再実行時,すべての仮想ホストに対しhostsファイル作成を行います。
注※ hostsファイル作成失敗の場合,必ず業務システムstatusはfailed(deploy)に遷移します。
- 回復手順
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hostsファイル作成に失敗した原因を取り除く
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csdmiundeployコマンドで仮想ホストをアンデプロイする※
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csdmideployコマンドを再度実行する
注※ この手順は省略できます。
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