Hitachi

Hitachi IT System Configuration Manager リファレンス


2.2.2 システム定義ファイル

〈この項の構成〉

(1) 形式

システム定義ファイルはプロパティ形式で記述します。

<Key>=<Value>:KeyとValueをイコール(=)で対応付ける方法

(2) ファイル名

csd.properties

(3) 格納先ディレクトリ

<ISCMインストールディレクトリ>\mgr\conf

(4) 説明

システム定義ファイルは,ISCMの実行に必要な定義パラメータを記述する定義ファイルです。必須ファイルですので必ず格納先ディレクトリにシステム定義ファイルを用意してください。ファイル名,格納先ディレクトリが正しければ,空ファイルを用意しても動作します。その場合,すべての定義がデフォルト値で動作します。設定できる定義については「表2-5 システム定義ファイルで指定できるキー」を参照してください。

システム定義ファイルで定義された値はHitachi IT System Configuration Manager - Manager起動時に反映されます。

(5) 指定項目

次の表にシステム定義ファイルで指定できるキーについて説明します。

表2‒5 システム定義ファイルで指定できるキー

項番

プロパティ名

説明

デフォルト値

指定できる値

1

userdata.filepath

テンプレート・マスターイメージ・一時ファイルなどのデータを保存するディレクトリの絶対パスを指定します。

<ISCMインストール先ディレクトリ>

\\mgr\\data

文字列※1

1〜50文字(存在するディレクトリ)

2

log.access.numoffiles

アクセスログのファイル面数を指定します。

2

1〜16

3

log.access.filesize

アクセスログの1ファイル当たりのファイルサイズを指定します。(Bytes)

10485760

1048576〜16777216

4

log.message.numoffiles

メッセージログのファイル面数を指定します。

2

1〜16

5

log.message.filesize

メッセージログの1ファイル当たりのファイルサイズを指定します。(Bytes)

10485760

1048576〜16777216

6

log.cmdtrc.numoffiles

コマンドトレースログのファイル面数を指定します。

2

1〜16

7

log.cmdtrc.filesize

コマンドトレースログの1ファイル当たりのファイルサイズを指定します。(Bytes)

10485760

1048576〜16777216

8

authentication.usergroup

PaaS利用者が所属するグループ名を指定します。

文字列※1,※2

1〜256文字 次の文字を除く" / \ [ ] : ; | = , + * ? < > @

9

process.log.message.numoffiles

プロセス制御用メッセージログのファイル面数を指定します。

3

2〜10

10

process.log.message.filesize

プロセス制御用メッセージログの1ファイル当たりのサイズを指定します。(Bytes)

1048576

1048576〜16777216

11

deploy.cmdtimer

仮想ホスト確保,解放の実行終了の監視タイマの値を指定します。(分)

240

0〜5000

12

deploy.vmconnretry

仮想ホストへリモート再接続回数を指定します。(回)

10

0〜600

13

deploy.sshexcutetimer

仮想ホストのミドルウェアセットアップ,仮想ホストのアップデート実行終了の監視タイマの値を指定します。(分)

240

0〜5000

14

deploy.cosmimgrtimer

仮想サーバマネージャ連携処理での仮想サーバマネージャの応答監視時間を指定します。(分)

240

0〜5000

15

deploy.ssh.port

仮想ホスト接続用に使用するSSH通信ポート番号を指定します。※3

22

1〜65535

16

deploy.manageserver.port

仮想サーバマネージャのポート番号を指定します。

28080

1〜65535

17

deploy.remote.tmppath

仮想サーバ(OS:Linux)へファイルを転送する場合に一時格納用に使用するディレクトリパスを指定します。転送するファイルおよび一時格納用ディレクトリ構成の詳細は,「csdmideploy(マスターイメージのデプロイ)」を参照してください。

/tmp/

文字列※1

1〜232文字(先頭が”/”で始まり,空白を含まない)

18

deploy.remote.tmppath.win

仮想サーバ(OS:Windows)へファイルを転送する場合に一時格納用に使用するディレクトリパスを指定します。転送するファイルおよび一時格納用ディレクトリ構成の詳細は,「csdmideploy(マスターイメージのデプロイ)」を参照してください。

%SystemRoot%\\Temp\\

文字列

1〜50文字 次のどれかの形式でだけ指定可能

(a)”<ドライブ名を表す半角英字>:\\”から始まるパス

(b)”%<環境変数名>%”から始まるパス(パスの先頭以外に環境変数を使用できません)

環境変数として使用可能なものは以下だけ(大文字小文字区別しない)

%systemdrive%,%systemroot%,%tmp%,%temp%

19

deploy.vcosmi.connretry

仮想サーバ上で起動するサーバ通信エージェントへの再接続回数を指定します。(回)

120

0〜600

20

deploy.vmdeploy.use

ISCMで仮想ホストのデプロイを行わない場合にnを指定します。この定義にnを指定するとISCMの起動,csdrscupdateコマンドで次の処理を行いません。

  • JP1/ITRMの起動確認

  • 物理構成定義ファイルの読み込み

  • 物理容量定義ファイルの読み込み

  • LB接続設定プロパティファイルの読み込み

  • リソース制約定義ファイルの読み込み

仮想ホストのデプロイを行うマスターイメージが登録されている場合,nは指定できません。指定するとISCMの起動時にKFUD24016-Eメッセージを出力して失敗します。

y

yまたはn(大文字小文字区別しない)

21

uoc.path.middlesetup

ミドルセットアップUOCのjarファイルのパスを絶対パスで指定します。

なし

英数字,ピリオド(.),アンダースコア(_),半角空白,半角左括弧((),半角右括弧()),パス区切りの\(半角円マーク)

247字以内

その他OSのパスの仕様に従ってください。

22

uoc.path.middlesetup.class

ミドルセットアップUOCのクラス名(パッケージ名を含む)を指定します。

なし

英数字,ピリオド(.),ドル記号($)およびアンダースコア(_)

ただし,パッケージ名およびクラス名の先頭は英数字

1〜1024文字

23

uoc.timer.middlesetup

ミドルセットアップUOC用のタイマを指定します。

60

1〜3600

24

uoc.timer.lock

UOCで使用する,ファイル転送およびリモート実行機能を提供するインタフェースの排他制御で,ロック獲得できるまでのタイムアウト時間を指定します。ここで指定した時間を経過してもロックが獲得できなかった場合は例外が発生します。

900

1〜3600

25

userdata.delete.interval

ISCMの起動時に,一時ファイルを保存する期間を指定します。(分)

10080

1〜144000

26

resource.virtualnetworkdevicename.duplicate

物理構成定義ファイルで,仮想ネットワークデバイス名の重複を許可するかを指定します。

vSphere Distributed Switchを使用し,物理ホストに同名の分散仮想スイッチを複数指定する場合はyを指定してください。

n

yまたはn(大文字小文字区別しない)

27

resource.permission.admin

csdrscstatusコマンドによって操作対象外とされている物理ホストに対し,PaaS提供者からの操作を受け付けるかどうかを指定します。

n

yまたはn(大文字小文字区別しない)

28

resource.vmotion.use

vMotion対応機能を使用するかを指定します。

yを指定した場合はcsdrscupdateコマンドで仮想ホストのマイグレーションを検出します。また,物理構成情報の更新でリソース残量が負になった場合に,警告メッセージ(KFUD24728-W)を出力して更新を続行します。

n

yまたはn(大文字小文字区別しない)

29

send.all.filesize

コマンドに指定するファイルおよびディレクトリの合計サイズの上限を指定します。(KB)※4

ただし,csddbrstrコマンドに指定するバックアップファイルは,プロパティの指定値に関わらず,サイズのチェックを行いません。

102400

1〜2097152

注※1

文字列における指定可能文字は,ASCII文字の範囲です。

注※2

authentication.usergroupで指定するグループ名は大文字・小文字が区別され,それぞれ別グループとして扱われます。

注※3

仮想ホストのOSがLinuxの場合に使用します。

仮想ホストのOSがWindowsの場合,DCOM通信用のポート番号として,139を固定で使用します。

注※4

send.all.filesizeプロパティの指定値を大きくする場合の注意事項を次に示します。

  • サイズの大きいファイルを指定するとコマンドの通信時間が長くなる場合があります。

    セットアップ定義ファイル(csdsetup.properties)のcsd_receive_timeoutプロパティに指定した通信タイムアウト値を見直し,値が小さい場合は大きくしてセットアップを行ってください。

  • csdtmpregisterコマンド,csdtmpupdateコマンドの-fオプションに指定するファイルはsend.all.filesizeプロパティの指定とは別に最大1MBの制限があります。

  • JP1/AO連携機能を使用する場合,JP1/AOから入力プロパティで指定するファイルはsend.all.filesizeプロパティの指定とは別に最大100MBの制限があります。また,各種ダウンロードボタンで取得するファイルのサイズ(付属ファイル,エクスポートの場合は全ファイルの合計サイズ)も最大100MBの制限があります。

  • コマンドに指定するファイルおよびディレクトリは,send.all.filesizeプロパティの指定とは別に全ファイルを2,147,483,647バイト以内のzipファイルにアーカイブできる必要があります。

(6) タイマ,リトライ定義の説明

システム定義に存在するタイマ,リトライ定義がどのように使用されるか次の図で説明します。

同期コマンド,非同期コマンド(csdmideploycsdmiundeploycsdmiupdate)について説明します。

表番号と項番は「表2-4 セットアップ定義ファイルで指定できる定義一覧」,および「表2-5 システム定義ファイルで指定できるキー」の項番と対応しているため,その値を設定します。各タイマ値,リトライ値の詳細は対応した定義の説明を参照してください。

JP1/ITRMや仮想サーバマネージャに関する用語は各製品のマニュアルを参照してください。

図2‒3 同期コマンド

[図データ]

図2‒4 csdmideploy

[図データ]

図2‒5 csdmiundeploy

[図データ]

図2‒6 csdmiupdate

[図データ]

csdmiupdateコマンド処理のSSHの接続・切断は,コマンドを実行するユーザが作成したパッチスクリプト単位で行われます。

バッチスクリプトを2つ用意しcsdmiupdateコマンドを実行すると,次のように処理します。また,この時A,Bそれぞれ「表2-5 システム定義ファイルで指定できるキー」の項番13のタイムアウト定義で監視します。

[図データ]

(7) 記述例

次にシステム定義ファイルの記述例を示します。

システム定義ファイルの記述例
userdata.filepath=C:\\Program Files\\Hitachi\\uCSD\\mgr\\data
log.access.numoffiles=2
log.access.filesize=10485760
log.message.numoffiles=2

(8) 注意事項