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Hitachi IT System Configuration Manager リファレンス


csdmiupdate(マスターイメージの更新)

〈このページの構成〉

形式

csdmiupdate -f マスターイメージ定義ファイル [-d ディレクトリ名]

{-i マスターイメージID |-n マスターイメージ名[.セクション]}

{[-s]|[-c]} [-k パスワードアクセスキー] [-y]

csdmiupdate -x 設計書 [-d ディレクトリ名]

{-i マスターイメージID |-n マスターイメージ名[.セクション]}

{[-s]|[-c]} [-k パスワードアクセスキー] [-y]

機能

指定したマスターイメージをマスターイメージ定義ファイルの内容に従って更新します。

マスターイメージの更新によって,次のことが実行できます。

  1. マスターイメージ情報(マスターイメージ名など)の更新

  2. サイジング実行

  3. OS・ミドルウェアの定義パラメータ変更

  4. OS・ミドルウェアへのパッチ適用

定義パラメータ変更対象のミドルウェアがCosminexusの場合,定義パラメータを変更する際に,Cosminexusに反映されているリソースアダプタや業務アプリケーションのバックアップ/リストアを実施し,変更前のリソースアダプタや業務アプリケーションを引き継ぎます。

このコマンドを実行可能な業務システムのstatusについては,「表1-5 業務システムのStatusと実行可能な運用コマンドの関係(1/2)」,および「表1-6 業務システムのStatusと実行可能な運用コマンドの関係(2/2)」を参照してください。

実行可能ユーザ

PaaS提供者,PaaS利用者が実行できます。

オプション

-f

マスターイメージ定義ファイルを指定します。

マスターイメージ定義ファイル:〜<パス名>

-fオプションで指定するマスターイメージ定義ファイルの内容は「2.4.1 マスターイメージ定義ファイル」を参照してください。

-d

UOCを追加・変更・削除する場合に指定します。

マスターイメージ定義ファイル内で指定したUOCを格納したディレクトリを指定します。

ディレクトリ名:〜<パス名>

-dオプションで指定するディレクトリの詳細は「csdtmpregister(テンプレートの登録)」のディレクトリ構成例を参照してください。

-i

マスターイメージIDを指定します。

マスターイメージID:<符号なし整数>1〜99999999の範囲

-n

マスターイメージ名を指定します。セクションを定義している場合には同時に指定してください。

マスターイメージ名:〜<英数字記号>1〜32文字

セクション:〜<英数字記号>1〜32文字

-s

サイジングを実行します。

-c

仮想ホスト上のCosminexusの定義反映を行う際に,リソースアダプタや業務アプリケーションのバックアップ/リストアを抑止します。

-cオプションを指定した場合,仮想ホスト上のCosminexusの定義がISCMに登録されたCosminexusの定義で上書きされるため,仮想ホスト上のリソースアダプタや業務アプリケーションの再構築が必要になります。

仮想ホスト上のミドルウェアがCosminexus以外の場合はこのオプションを指定していても無視します。

-k

csdmisetpasswordコマンドで指定したパスワードアクセスキーを指定します。

仮想ホストのパスワードを,コンポーネントテンプレートファイルに記載済みの初期パスワードからcsdmisetpasswordコマンドで変更した場合に指定してください。仮想ホストにアクセスする際に,csdmisetpasswordコマンドで登録したパスワードを復号するために必要となります。

同一業務システム内では同一の値を指定してください。

パスワードアクセスキー:<英数字, #-@()>1〜255文字

-y

実行時(y/n)の問い合わせを抑止します。y応答したときと同じ動きになります。

-x

設計書を指定します。

設計書:〜<パス名>

-xオプションで指定する設計書の内容は,「2.4.8 設計書」を参照してください。

注※ 全角を含むすべての文字が使用できます。

サロゲートペアに該当する文字をファイル名に使用した場合,指定したファイル名のパス長が247文字より短いときでも,文字数の制限超過によってエラーとなることがあります。

戻り値

意味

0

正常終了しました。

0以外

異常終了しました。

実行例

(1) マスターイメージ情報の更新/定義パラメータの変更/パッチ適用
C:\Program Files\Hitachi\uCSD\mgr\bin>csdmiupdate -f mi02.xml -n mi01
KFUD93121-Q 指定したマスターイメージの更新処理を続行してもよいですか?(y/n)y
KFUD13102-I マスターイメージの更新が完了しました。
(2) サイジング実行
C:\Program Files\Hitachi\uCSD\mgr\bin>csdmiupdate -f mi02.xml -n mi01 -d mi03Dir -s
KFUD93121-Q 指定したマスターイメージの更新処理を続行してもよいですか?(y/n)y
CID  Num  CPU   Core  Memory  Tier
---------------------------------------
1    1    2.50  2     4.00    AppServer
2    1    2.50  2     3.65    Db
KFUD13102-I マスターイメージの更新が完了しました。

注意事項

  1. マスターイメージ定義ファイル

    • -fオプションで指定するマスターイメージ定義ファイルは,csdmilsコマンドの-oオプションで出力したファイルを編集して指定してください。

    • デプロイ済みのホストにパッチを適用済みの場合は,マスターイメージ定義ファイルに書かれたパッチ(パッチ名,パッチ・ディレクトリ,適用順序)は,変更・削除することができません。また,VLAN IDについても,csdmiupdateコマンドでの追加・変更・削除はできません。

      注※ 業務システムのステータスがregistered(partially configured),configured(partially reserved),readyなどで,一部のホストにパッチを適用済みの状態も含みます。

  2. -dオプションを指定する場合

    -dオプションで指定するディレクトリには,更新しないファイルも含めてマスターイメージ定義ファイルに書かれた全ファイルが含まれている必要があります。

    また空のディレクトリを指定することで登録した付属ファイルを削除することができます。

  3. 相対パス指定について

    ファイル名,およびディレクトリ名を相対パスで指定する場合,指定したファイル,およびディレクトリの絶対パス長が247文字以下となるよう指定してください。

  4. -dオプションのパス長について

    -dオプションで指定するディレクトリのパス長については,ディレクトリ下のすべてのファイル,およびサブディレクトリが絶対パス長で247文字以下となるよう指定してください。また,ディレクトリ名を指定する場合,ディレクトリのパス長を87文字以下とすることを推奨します。

  5. アップデート処理でのOS更新・ミドルウェア更新処理について

    アップデート処理でのOS更新・ミドルウェア更新処理を次に示します。

    表1‒32 アップデート処理でのOS更新・ミドルウェア更新処理

    カテゴリ

    処理実行順※3

    機能

    ISCMの動作

    実行条件

    補足

    OS更新

    1

    OS定義転送

    OS定義転送

    コンポーネントテンプレートで記載しているOS定義ファイルを転送先ディレクトリ※1配下へ転送

    OS更新パッチで未適用のパッチが1つ以上存在する場合

    OS更新パッチ適用だけを実施したい場合でも定義は必ず転送します。

    2

    OS更新

    OS定義配置

    転送済みOS定義をディレクトリへコピー

    3

    OS更新パッチ適用

    OS更新用パッチを実行

    ミドル更新

    4

    ミドルウェア定義転送

    ミドルウェア定義転送※2

    転送先ディレクトリ※1配下へミドルウェア定義ファイルを転送

    ミドルウェア更新パッチで未適用のパッチが1つ以上存在する場合,またはミドルウェアアップデートスクリプトが指定されている場合

    ミドルウェア更新パッチ適用だけを実施したい場合でも定義は必ず転送します。

    5

    ミドルウェア更新

    ミドルウェア定義配置※2

    転送済みミドルウェア定義をディレクトリへコピー

    6

    ミドルウェアアップデートスクリプト配置

    転送先ディレクトリ※1配下へミドルウェア定義ファイルを転送

    ミドルウェアアップデートスクリプトを指定した場合

    7

    ミドルウェアアップデートスクリプト適用

    ミドルウェアアップデートスクリプトを実行

    8

    ミドルウェア更新パッチ適用

    ミドルウェア更新用パッチを実行

    ミドルウェア更新パッチで未適用のパッチが1つ以上存在する場合

    注※1

    定義“deploy.remote.tmppath”または“deploy.remote.tmppath.win”で示したディレクトリパス

    ミドルウェアがCosminexus時のミドル定義転送(#4)は仮想サーバマネージャで決められたディレクトリパスへ仮想サーバマネージャによって転送されます。

    注※2

    対象のミドルウェアがCosminexusの場合には,仮想サーバマネージャで定義の転送および配置を行います。

    注※3

    複数のホストに対してアップデート処理を行う場合は,ホスト間のOS更新処理の実行順序は不定です。

    複数のホストに対してアップデート処理を行う場合は,すべてのホストのOS更新処理が完了した後に,ミドル更新処理を開始します。複数ホストのミドルウェア間の処理実行順序,およびホスト内の複数ミドルウェア間の処理実行順序は不定です。

  6. 一時ディレクトリ作成

    OS更新・ミドルウェア更新処理を実行する場合,仮想ホストに作業用の一時ディレクトリを作成します。

    作成するディレクトリの構成および注意事項については,「csdmideploy(マスターイメージのデプロイ)」の「注意事項」の項番2.を参照してください(このコマンドの実行時には,セットアップスクリプトディレクトリやJP1/IM連携機能用格納ディレクトリは作成しません)。

  7. csdmistopdeploy後のcsdmivmstatusコマンド実行時の動作について

    次の条件が重なった場合,業務システムの状態がfailedとなります。

    • csdmideploy/csdmiundeploy/csdmiupdateコマンド実行

    • csdmistopdeployコマンド実行

    • 業務システムの状態がdeploying(stopped)/undeploying(stopped)/updating(stopped)となる

    • csdmivmstatusコマンド実行

    • csdmivmstatus対象ではない仮想ホストが次の場合

      −仮想ホストのデプロイに失敗

      −hosts転送に失敗

      −OSパッチ適用に失敗

      −OSパッチ未適用

      −ミドルウェア未セットアップ

      −ミドルウェアセットアップに失敗

      −ミドルウェアパッチ適用に失敗

      −ミドルウェアパッチ未適用

      −ミドルセットアップUOC失敗

      −ミドルセットアップUOC未実行

    パッチの適用状態を確認するためには,csdmils-mオプション指定)を実行し,マスターイメージの情報を出力してください。

    注※ -gオプションの指定値によって次の値となります。

    vmdeployed/alldeployedの場合:failed(deploy)

    undeployedの場合:failed(undeploy)

  8. 一時ディレクトリ作成

    このコマンド実行時に,仮想ホストに作業用の一時ディレクトリを作成します。

    ディレクトリ構成は次のようになります。

    表1‒33 作業用の一時ディレクトリの構成

    ディレクトリ名/ファイル名

    説明

    /tmp/※1

    csd_tmp/

    def/

    定義格納ディレクトリ/※2

    OS・ミドルウェア定義兼用の格納ディレクトリ

    patch/

    パッチファイルディレクトリ/※2

    OS・ミドルパッチ兼用の格納ディレクトリ

    update/

    アップデートスクリプトディレクトリ/※3

    アップデートスクリプト用の格納ディレクトリ

    csd_backup/※4

    application/

    app<通番>.ear

    業務アプリケーションのバックアップファイル<通番>は「0,左3桁詰め」の値(001〜)

    backup_list.txt

    バックアップファイルとアプリケーション名の対応情報ファイル

    resource_adapter/

    res<通番>.rar

    リソースアダプタのバックアップファイル<通番>は「0,左3桁詰め」の値(001〜)

    backup_list.txt

    バックアップファイルとリソースアダプタ名の対応情報ファイル

    Linuxの場合のディレクトリ構成です。Windowsの場合は,パス区切り文字を"\"に読み替えてください。

    注※1

    定義deploy.remote.tmppath(Windowsの場合はdeploy.remote.tmppath.win)によって変更できます。なお,Windowsの場合は,"%SystemRoot%\Temp\"です。

    注※2

    コンポーネントテンプレートのProperty(key="dirname")タグでvalue属性に指定したディレクトリです。

    ただし,ミドルウェア識別子に"hitachi.Cosminexus"を指定したコンポーネントテンプレートのアップデートスクリプト実行時には作成しません。

    注※3

    コンポーネントテンプレートのProperty(key="updatescript.<スクリプト名>")タグでvalue属性に指定したディレクトリです。

    注※4

    uCosminexus Application Serverに反映されているリソースアダプタ,業務アプリケーションのバックアップファイルを格納するディレクトリです。

    次の条件を満たす場合に作成します。

    ・対象の仮想ホストでCosminexusを使用する

    csdmideployコマンドに-cオプションを指定しないで実行する

    ・対象仮想ホストのuCosminexus Application Serverにリソースアダプタまたは業務アプリケーションが反映済み

  9. 設計書として登録したファイルの取り出し方法について

    このコマンドで入力した設計書は,1世代だけバックアップを取得してISCMに登録されます。登録した設計書,およびバックアップされた設計書はcsdmiexportコマンドで取り出すことができます。