Hitachi

Hitachi IT System Configuration Manager 解説


3.3.2 機能

〈この項の構成〉

(1) 機能概要

ミドルセットアップUOCのサンプルではJP1/PFM,JP1/IMと連携することにより,次に示す機能を実現しています。

表3‒7 ミドルセットアップUOCで提供する機能一覧

項番

タイトル

説明

1

JP1/PFM自動監視設定

業務システムをデプロイしたあとで,デプロイしたVMを自動的にJP1/PFMの監視対象に登録します。

2

JP1/PFM自動監視解除

業務システムをアンデプロイする前に,デプロイしたVMを自動的にJP1/PFMの監視対象から解除します。

3

JP1/IM自動監視設定

業務システムをデプロイしたあとで,デプロイしたVMを自動的にJP1/IM - Managerの監視対象に登録します。

4

JP1/IM自動監視解除

業務システムをアンデプロイする前に,デプロイしたVMを自動的にJP1/IMの監視対象から解除します。

(2) 構成図

JP1/PFMと連携する構成を次の図で示します。

図3‒3 JP1/PFMと連携する場合の構成

[図データ]

JP1/PFM連携機能は「図3-3 JP1/PFMと連携する場合の構成」を想定しています。なお,上記の構成では分離できるJP1/PFM製品はすべて別ホストにインストールした構成を表しています。JP1/PFM-Manager,JP1/PFM-WebConsole,JP1/PFM-RM for Platformは同一ホストにインストールすることも可能です。

JP1/IMと連携する場合の構成を次に示します。

図3‒4 JP1/IMと連携する場合の構成(マネージャを複数のユーザで共有する場合)

[図データ]

図3-4 JP1/IMと連携する場合の構成(マネージャを複数のユーザで共有する場合)」はすべて業務システムを1つのJP1/IM-Managerで管理する構成です。そのため,JP1/IM-Manager上はすべての業務システムの情報が参照でき,PaaS提供者だけがJP1/IM-Managerを使用する場合に適している構成です。

図3‒5 JP1/IMと連携する場合の構成(マネージャを複数のユーザで共有しない場合)

[図データ]

図3-5 JP1/IMと連携する場合の構成(マネージャを複数のユーザで共有しない場合)」はPaaS利用者ごとにJP1/IM-Managerを用意し,さらにそれらを管理するPaaS提供者用のJP1/IM-Managerを設けた構成です。

PaaS利用者ごとにJP1/IM-Managerを用意するため,他のユーザが作成した業務システムの情報にはアクセスできず,PaaS利用者もJP1/IM-Managerを用いて監視を行う場合に適した構成です。

(3) 前提条件

(4) 実行タイミング

ミドルセットアップUOCは,次のタイミングで動作します。

表3‒10 ミドルセットアップUOCの実行タイミング

項番

実行契機

説明

1

デプロイ完了後

ISCMが業務システムを構成するすべてのVMをデプロイし,すべてのミドルウェアのセットアップ処理が完了後に1度だけ実行します。

2

アンデプロイ実行前

ISCMが業務システムを構成する1つまたはすべてのVMをアンデプロイする場合に,VMのアンデプロイ前に1度だけ実行します。

各タイミングで実行する処理の流れを次に示します。

図3‒6 デプロイ時のJP1/PFM,JP1/IM連携機能の処理の流れ

[図データ]

項番

処理の説明

1.

ISCMがVMのデプロイを行います。

各VMには,あらかじめJP1/PFM-Agent for Cosminexus/HiRDBをインストールしておきます。

2.

JP1/Baseの設定を行います。ここでJP1/IMのログトラップなどの設定を行います。

3.

JP1/Baseに,業務システムに対応する資源グループと権限レベルの登録を行います。

4.

JP1/PFM - Managerに業務グループを登録します。1つの業務システムが1つの業務グループに対応します。

5.

JP1/PFM - RM for Platformに業務システムに所属するVMを登録します。ここで,OSなどのパフォーマンス監視の設定を行います。

6.

JP1/PFM - Agent for Cosminexus/HiRDBの設定を行います。ここで,各ミドルウェアのパフォーマンス監視の設定を行います。

図3‒7 アンデプロイ時のJP1/PFM,JP1/IM連携機能の処理の流れ

[図データ]

項番

処理の説明

1.

JP1/PFM - RM for Platformに登録されている,業務システム内のVMの監視を解除します。

2.

JP1/PFM - Agent for Cosminexus/HiRDBのサービスの停止を行います。

3.

JP1/PFM - Managerから業務グループや監視対象の情報を削除します。

4.

JP1/Baseから,業務システムに対応する資源グループと権限レベルの削除を行います。

5.

業務システム内のVMのアンデプロイを行います。

(5) JP1/PFM監視設定

JP1/PFM監視設定では次に示す機能を提供しています。

表3‒11 JP1/PFM監視設定の機能

項番

機能

説明

1

登録先JP1/PFM - Managerの選択

複数のJP1/PFM - Managerがある場合,デプロイ時には監視対象のエージェント数が最も少ないJP1/PFM - Managerを選択します。

また,すでにデプロイするマスターイメージの一部のエージェントが登録されている場合は,同一のJP1/PFM - Managerを選択します。

2

登録先JP1/PFM - RM for Platformの選択

上記項番1で選択したJP1/PFM - Manager下に複数のJP1/PFM - RM for Platformが登録されている場合,デプロイ時には監視対象のホスト数が最も少ないJP1/PFM - RM for Platformを選択します。

また,すでにデプロイするマスターイメージの一部のホストが登録されている場合は,同一のJP1/PFM - RM for Platformを選択します。

3

JP1/PFM - Managerへの業務グループの登録・削除

デプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,1つのマスターイメージに対して1つの業務グループを作成し,登録します。

業務グループの名前は,マスターイメージ名.セクション名とします。

アンデプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは業務グループからアンデプロイ対象のホストを削除します。すべてのホストが削除される場合は,業務グループを削除します。

この機能の延長で,JP1/PFM - Managerホスト上のhostsファイルに,対象ホストのホスト名とIPアドレスを追加・削除します。

4

JP1/PFM - RM for Platformへの登録・削除

デプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,上記項番1,2で選択したJP1/PFM - RM for Platformに監視対象のVMを登録します。

このとき,1つのマスターイメージに含まれるすべてのホストは,1つのインスタンスに登録します。登録される監視対象名は"CSD"+マスターイメージID(0詰め8桁)+"-"+ホストID(0詰め6桁)で登録します。(例:CSD00000001-000001)

負荷分散のために,登録する対象のインスタンスは,すでに登録されているホスト数が最も少ないものを選択します。

アンデプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,アンデプロイ対象のホストを削除します。

この機能の延長で,JP1/PFM - RM for Platformホスト上のhostsファイルに,対象ホストのホスト名とIPアドレスを追加・削除します。

5

JP1/PFM - Agent for Cosminexus/HiRDBの設定

デプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,JP1/PFM - Agent for Cosminexus/HiRDBをセットアップし,項番1で選択したJP1/PFM - Managerの監視対象にします。

この機能の延長で,監視対象ホストのhostsファイルに項番1で選択したJP1/PFM - Managerホストのホスト名とIPアドレスを追加します。

6

JP1/Base(認証サーバ)への登録・削除

デプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,認証サーバとなるJP1/BaseにJP1資源グループと権限レベルを登録します。

JP1資源グループ名は"CSD"+マスターイメージID(0詰め8桁)で登録します。(例:CSD00000001)

アンデプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,対応するJP1資源グループと権限レベルを削除します。

注※ ホスト名の大文字・小文字は区別します。

(6) JP1/IM監視設定

JP1/IM監視設定では次に示す機能を提供しています。

表3‒12 JP1/IM監視設定の機能

項番

機能

説明

1

JP1/Baseの設定

デプロイの延長で実行するミドルセットアップUOCでは,JP1/Baseをセットアップし,イベントログ,または,SYSLOGのログトラップの設定を行います。

(7) ミドルセットアップUOCの状態

ミドルセットアップUOCの状態はcsdmilsコマンドの「個別のマスターイメージ表示」で確認することができます。

ミドルセットアップUOCの状態一覧を次に示します。

表3‒13 ミドルセットアップUOCの状態一覧

項番

状態

説明

1

定義にミドルセットアップUOCが指定されておらず,ミドルセットアップUOCが利用できない状態

2

executable

ミドルセットアップUOCを実行可能な状態

3

executing(deploy)

デプロイコマンドの延長で実行されるミドルセットアップUOCが実行中の状態

4

succeeded(deploy)

デプロイコマンドの延長で実行されるミドルセットアップUOCが正常終了した状態

5

failed(deploy)

デプロイコマンドの延長で実行されるミドルセットアップUOCが異常終了,または,中止した状態

6

executing(undeploy)

アンデプロイコマンドの延長で実行されるミドルセットアップUOCが実行中の状態

7

failed(undeploy)

アンデプロイコマンドの延長で実行されるミドルセットアップUOCが異常終了,または,中止した状態

注※ ミドルセットアップUOCの状態が,executing(deploy)またはexecuting(undeploy)のときにcsdmistopdeployコマンドを実行することで処理を中止できます。