uCosminexus DocumentBroker Version 5 リファレンス API
ここでは,次に示す情報を取得および変更する操作について説明します。
文書管理オブジェクトの操作は,次の2種類に分類できます。
参照系メソッドを実行すると,デフォルトの設定では,文書管理オブジェクトに対してreadロックが設定されます。これを,明示的にwriteロックを設定するように変更できます。
文書管理オブジェクトに設定するロック種別の変更は,DbjObj#lockメソッドで実行します。このメソッドを実行すると,同じ文書管理オブジェクトに対して,指定したロック種別を設定するDbjObjインターフェースが取得できます。例えば,writeロックを設定するインターフェースを取得した場合は,そのインターフェースで参照系メソッドを実行したときにも,必ずwriteロックが設定されます。
なお,取得するインターフェースは,DbjObj#lockメソッドを実行したインターフェースとは異なるインターフェースです。元のインターフェースを使用した場合のアクセス方法が変更されるのではありません。
異なるロック種別で文書管理オブジェクトにアクセスする例を示します。なお,readPropertiesメソッドは,文書管理オブジェクトのプロパティを参照する場合に使用する,参照系メソッドです。
// 異なるロック種別で文書管理オブジェクトにアクセスする例 // docspc:DbjDocSpaceインターフェース // DbjObjインターフェースを取得する DbjObj obj = docspc.createObjConnection( oiid ); // デフォルト(=readロックを設定)のままプロパティを参照する…(a) obj.readProperties( propdef ); // writeロックを設定するためのDbjObjインターフェースを取得する DbjObj objWithWriteLock = obj.lock( DbjDef.LOCK_WRITE ); // writeロックを設定してプロパティを参照する…(b) objWithWriteLock.readProperties( propdef );
(a)では,文書管理オブジェクトにreadロックが設定されます。(b)では,文書管理オブジェクトにwriteロックが設定されます。
この操作で作成されるProxyオブジェクトと,そのインターフェースを使用した操作について,次の図に示します。
図1-11 異なるロック種別でアクセスする例
このように,図1-11のobjとobjWithWriteLockは,同じ文書管理オブジェクトを対象とする,異なるProxyオブジェクトのインターフェースです。したがって,「obj.lock」を実行したあとでも,objを使用した場合に設定されるロックの種別は変わりません(この例の場合はreadロックのままです)。
DbjObjインターフェースで参照系メソッドを実行する場合に,そのインターフェースで設定するロック種別を確認するときは,DbjObj#getLockTypeメソッドを実行します。取得するロック種別の値は,Proxyオブジェクトのアクセスロック種別プロパティに設定されている値です。
バージョン付きオブジェクトを操作する場合,デフォルトの状態では,カレントバージョンのバージョンオブジェクトが操作の対象になります。これを,指定したバージョンのバージョンオブジェクトを操作するように変更できます。例えば,バージョン3まであるバージョン付き文書の,バージョン2のオブジェクトのコンテンツを参照したい場合などに,対象バージョンを変更します。
対象バージョンの変更は,DbjObj#setTargetVersionメソッドで実行します。このメソッドは,そのインターフェースでのすべての操作の対象を指定したバージョンに変更します。
操作対象のバージョンを変更する例を示します。
// 操作対象のバージョンを変更する例 // docspc:DbjDocSpaceインターフェース // DbjObjインターフェースを取得する DbjObj obj = docspc.createObjConnection( oiid ); // デフォルトのバージョン(カレントバージョン)のプロパティを参照する obj.readProperties( propdef ); // 操作対象のバージョンを,指定バージョン(versionId)に変更する obj.setTargetVersion( versionId ); // versionIdで指定されたバージョンのプロパティを参照する obj.readProperties( propdef ); // 操作対象をカレントバージョンに戻す obj.setTargetVersion( null );
DbjObjインターフェースでバージョン付きオブジェクトを操作する場合に,そのインターフェースの操作対象になるバージョンを確認するときには,DbjObj#getTargetVersionメソッドを実行します。このメソッドで取得できるバージョン識別子の値は,Proxyオブジェクトのターゲットバージョン識別子プロパティの値です。
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