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Hitachi IT Operations Director 導入・設計ガイド


2.12.7 配布による負荷の軽減

大容量のソフトウェアやファイルを管理用サーバから利用者のコンピュータに配布する場合、ネットワークやコンピュータに大きく負荷が掛かるおそれがあります。これを防ぐために、配布機能で使用されるネットワーク帯域を制御したり、時間当たりのデータ転送量に上限値を設けたりできます。

ネットワーク帯域を制御する

Hitachi IT Operations Directorのセットアップで最大転送速度を設定すると、ネットワーク帯域が制御されて、設定した転送速度の範囲内でデータが転送されます。最大転送速度とは、管理用サーバとエージェント導入済みのコンピュータで送受信するデータ転送速度の上限値です。1秒間の送受信の合計量が、設定した最大転送速度に達した場合、管理用サーバ側のデータ転送が一時中断されます。これによって、ネットワークに大きく負荷を掛けることなくデータを転送できます。

最大転送速度は、管理用サーバのセットアップで設定できます。

[図データ]

時間当たりのデータ転送量に上限値を設定する

コンピュータにパッケージを配布する際の、時間当たりのデータ転送量に上限値を設定できます。これによって、コンピュータがパッケージのダウンロード間隔を調節しながらダウンロードを実行します。その結果、メール送受信などネットワークを利用する業務への影響を軽減できます。

データ転送量の上限値は、エージェント設定の[エージェント基本動作]−[基本設定]−[流量制御]で設定できます。

データ転送量の上限値は、配布するパッケージの容量、ネットワーク状態、管理対象のコンピュータの台数に応じて設定をチューニングする必要があります。設定によっては、配布が遅延し、ソフトウェアや更新プログラムのインストールに時間が掛かったり、不要なソフトウェアのアンインストールに時間が掛かったりすることがあります。配布による負荷を軽減させる場合は、Hitachi IT Operations Directorのセットアップから最大転送速度を設定することを推奨します。