10.5.2 実行タスクを選択する
ここでは、Activity Designerで選択できるタスクの種類と、各タスクの内容について説明します。
アクティビティを定義するには、案件画面で実行する処理を「利用可能タスク」から選択して、「実行タスク」に追加します。
Activity Designerで選択できるタスクを次に示します。
項番 |
Activity Designerで選択できるタスク |
項番 |
Activity Designerで選択できるタスク |
---|---|---|---|
1 |
*繰り返し開始、*繰り返し終了 |
2 |
機器情報登録 |
3 |
機器情報更新 |
4 |
ソフトウェア情報登録 |
5 |
ライセンスキー追加 |
6 |
ライセンスキー割り当て |
7 |
ライセンスキー自動割り当て |
8 |
ライセンスキー解除 |
9 |
ライセンス移管 |
10 |
ライセンスキー移管 |
11 |
ネットワーク情報登録 |
12 |
ネットワーク情報削除 |
13 |
契約登録 |
14 |
ボリューム契約登録 |
15 |
契約更新 |
16 |
ボリューム契約更新 |
17 |
契約資産割り当て |
18 |
ボリューム契約資産割り当て |
19 |
契約資産解除 |
20 |
ボリューム契約資産解除 |
21 |
ユーザ情報登録 |
22 |
ユーザ情報更新 |
23 |
ユーザ情報削除 |
24 |
問題点登録 |
25 |
問題点更新 |
26 |
JP1イベント通知 |
- (凡例)
-
−:該当しない
各実行タスクの内容について説明します。
-
「*繰り返し開始」、「*繰り返し終了」
同じ処理を繰り返す範囲を指定する際に使用します。
一組の「*繰り返し開始」と「*繰り返し終了」の中に、さらに「*繰り返し開始」と「*繰り返し終了」を追加することもできます。使用回数に制限はありません。
繰り返し処理を選択した場合は、処理の繰り返し対象を設定します。選択できる繰り返し対象を、次に示します。
-
画面で設定した対象の数
-
アップロードファイルの行数
-
表の行数
繰り返し対象の設定方法については、「10.5.4(2) 繰り返し処理の内容を設定する」を参照してください。
-
-
「機器情報登録」
機器を新規に登録する場合に使用します。案件画面で項目に指定された値をそのまま資産管理データベースに登録して1台分の機器を登録する方法と、共通項目は案件画面で指定された値から、機器ごとに変わる項目はCSVファイルから情報を取得して、複数の機器を登録する方法があります。
ネットワーク関連のタスクと組み合わせることで、機器導入などの業務を実現できます。
このタスクの引き当て項目の設定では、次の点を注意してください。
-
「ユーザID」と「ユーザ名」、「管理者ID」と「管理者」は、IDと名称の両方が設定されている場合、該当するユーザの引き当てにはIDの値が優先されます。
-
IDが設定されていない場合は、名称をキーに該当するユーザが引き当てられます。
-
IDで情報を引き当てた場合、指定された名称は無視されます。
-
IDを設定しないで名称だけを引き当て項目に設定した場合、名称でユーザ情報が検索されます。該当する名称が存在する場合は、対応するIDが登録されます。該当する名称が存在しない場合は、指定された名称がそのままユーザ名に登録されます。該当する名称が複数存在する場合は、エラーとなります。
-
IDで該当する情報がない場合はエラーとなります。
-
「資産情報.機器状態」、「資産情報.稼働管理種別」、「ITDM2 Agent導入状態」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなります。
-
-
「機器情報更新」
機器の情報を変更する場合に使用します。
機器情報登録と同様に、1台分の機器を更新する方法と、複数の機器を更新する方法があります。
このタスクの引き当て項目の設定では、次の点を注意してください。
-
「対象となる資産番号」に指定した「資産番号」をキーに、更新する情報が引き当てられます。
-
「ユーザID」と「ユーザ名」、「管理者ID」と「管理者」は、IDと名称の両方が設定されている場合、該当するユーザの引き当てにはIDの値が優先されます。
-
IDが設定されていない場合は、名称をキーに該当するユーザが引き当てられます。
-
IDで情報を引き当てた場合、指定された名称は無視されます。
-
IDを設定しないで名称だけを引き当て項目に設定した場合、名称でユーザ情報が検索されます。該当する名称が存在する場合は、対応するIDが登録されます。該当する名称が存在しない場合は、指定された名称がそのままユーザ名に登録されます。該当する名称が複数存在する場合は、エラーとなります。
-
IDで該当する情報がない場合はエラーとなります。
-
-
「ソフトウェア情報登録」
ソフトウェアを新規に登録する場合に使用します。ソフトウェア資産情報およびライセンス情報を登録します。
ライセンス関連のタスクと組み合わせることで、ソフトウェア導入などの業務を実現できます。
案件で指定した「ソフトウェア名」が、ソフトウェアリストに登録されていない場合、新規に登録されます。指定した「ライセンス名」がライセンス情報に登録されていない場合も追加されます。
「資産情報.ソフトウェア状態」、「ソフトウェアリスト.ソフトウェア名」、「ソフトウェアリスト.ソフトウェア種別」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなるので注意してください。
-
「ライセンスキー追加」
ソフトウェアにライセンスキーを登録する場合に使用します。登録されているソフトウェア資産にライセンスキーを追加します。
対象となるソフトウェア資産を特定するには、ソフトウェア資産の「資産番号」と保有する部署の情報が必要です。
-
「ライセンスキー割り当て」
ライセンスキーを指定して、ライセンスの利用を申請する場合に使用します。登録されているソフトウェア資産のライセンスを、指定されたキーで、機器またはユーザに割り当てます。
対象となるソフトウェア資産を特定するには、ソフトウェア資産の「資産番号」と保有する部署の情報が必要です。
このタスクの引き当て項目の設定では、次の点を注意してください。
-
ライセンス区分が「マシン許諾」の場合、「資産番号」で対象となる機器が割り当てられます。ライセンス区分が「ユーザ許諾」の場合、「ユーザ名」で対象となるユーザが割り当てられます。
-
指定したライセンスキー(ライセンスキー、プロダクトID、シリアルNo.)と同一の値が複数登録されている場合、登録されている中から一つが割り当てられます。同一の値が登録されていて、すでに空きがない場合はエラーになります。
-
-
「ライセンスキー自動割り当て」
ライセンスキーを指定しないで、ライセンスの利用を申請する場合に使用します。すでに登録されているソフトウェア資産のライセンスを、空いているキーから自動的に選択して、機器またはユーザに割り当てます。
タスク「ライセンスキー追加」と組み合わせることで、オンデマンドのライセンス追加・割り当てを実現できます。
なお、対象となるソフトウェア資産を特定するには、ソフトウェア資産の「資産番号」と保有する部署の情報が必要です。
自動割り当てをする場合には、あらかじめライセンスを割り当てたいソフトウェア資産に、ライセンスキーを登録しておく必要があります。
-
「ライセンスキー解除」
利用しているライセンスを返却する場合に使用します。登録されているソフトウェア資産のライセンスの割り当てを解除します。
対象となるソフトウェア資産を特定するには、ソフトウェア資産の「資産番号」と保有する部署の情報が必要です。
また、特定のライセンスキーを解除するときは、「ライセンスキー」、「プロダクトID」、「シリアルNo.」の指定が必要です。このとき、同一の機器またはユーザに、同一のソフトウェア資産のライセンスキーが複数割り当てられている場合、該当するライセンスキーはすべて解除されます。
-
「ライセンス移管」
職制変更などによって、ライセンスの分割および部署変更が発生した場合に使用します。ライセンスを他部署に移管する場合、ソフトウェア資産情報のコピーが作成され、ライセンス数が振り分けられます。
このタスクを選択した場合は、次の点を注意してください。
-
移管元に同一の「資産番号」が複数登録されている場合はエラーとなります。
-
状態が「運用」である同一のソフトウェア資産情報がすでに移管先の部署に存在した場合は、ソフトウェア資産情報が統合されます。複数登録されている場合は、どれか一つと統合されます。
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同一の「資産番号」でも、移管先のソフトウェア状態が「運用」でない場合は、異なる資産としてソフトウェア資産が新規登録されます。
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一度に複数の部署にライセンスキーを移管することはできません。複数の部署に移管する場合は、移管する部署ごとに申請する必要があります。
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フリーウェアのソフトウェアを移管する場合、移管元のソフトウェアは削除されません。
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移管元のライセンス数が無制限またはフリーウェアで、移管ライセンス数が指定されている場合は移管できません。移管元のライセンス数が無制限(フリーウェア)でないときは、移管ライセンス数の指定を省略すると移管できません。
-
-
「ライセンスキー移管」
職制変更などによって、ライセンスキーを移管する場合に使用します。一度に複数の部署にライセンスキーを移管することはできません。複数の部署に移管する場合は、移管する部署ごとに申請する必要があります。
ライセンスキーの移管は、ライセンスの移管と同じアクティビティで実行するように定義してください。移管するソフトウェアと同じ「資産番号」のソフトウェアが、移管先に存在しない場合はエラーとなります。
対象となるソフトウェア資産を特定するには、ソフトウェア資産の「資産番号」と保有する部署の情報が必要です。
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「ネットワーク情報登録」
機器にネットワーク情報(ノード名、コンピュータ名、IPアドレス)を割り当てる場合に使用します。IPアドレスの割り当てには、自動割り当てと指定割り当ての2種類の方法があります。
なお、IPアドレスを指定して登録する場合は、すでに同じIPアドレスがほかの機器で使用されていても、同じIPアドレスで登録されます(同じIPアドレスの機器が二つ存在することになります)。
このタスクの引き当て項目の設定では、次の点を注意してください。
-
自動割り当ての場合は、IPグループ名を設定します。IPアドレスも設定した場合は、自動割り当てではなく、設定したIPアドレスで割り当てられます。
-
ネットワーク情報を更新する場合は、対象となるIPアドレスを指定します。このとき、更新後のIPアドレスを指定することで、IPアドレスを変更できます。
-
「対象となる資産ID」は、前のタスクで機器を登録した場合など、登録した資産の資産IDを引き継いで利用したい場合に設定します。
-
-
「ネットワーク情報削除」
機器に割り当てたネットワーク情報(ノード名、コンピュータ名、IPアドレス)を削除する場合に使用します。指定した「資産ID」(または「資産番号」)とIPアドレスで、該当するネットワーク情報を引き当てて削除します。指定した機器に複数のIPアドレスが割り当てられていた場合は、すべて削除されます。
このタスクの引き当て項目の設定では、次の点を注意してください。
-
「対象となる資産ID」は、前のタスクで機器を登録した場合など、登録した資産の資産IDを引き継いで利用したい場合に設定します。
-
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「契約登録」
新規に契約を登録する場合に使用します。リース、レンタル、保守契約はこのタスクで登録します。
「契約情報.契約種別」、「契約情報.契約番号」、「契約情報.契約対象」、「契約情報.契約日」、「契約情報.契約開始日」、「契約情報.契約終了日」、「契約情報.契約会社」、「契約情報.契約状態」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなります。
-
「ボリューム契約登録」
新規にボリューム契約を登録する場合に使用します。
「ボリューム契約情報.契約番号」、「ボリューム契約情報.契約状態」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなります。
-
「契約更新」
契約更改に伴って、契約情報を更新する場合に使用します。
案件で契約を登録する場合、契約を特定する情報は「契約番号」だけとなります。そのため、契約を案件で更新する場合は、「契約番号」がユニークになるように管理しておく必要があります。
-
「ボリューム契約更新」
契約更改に伴って、ボリューム契約情報を更新する場合に使用します。
案件で契約を登録する場合、契約を特定する情報は「契約番号」だけとなります。そのため、契約を案件で更新する場合は、「契約番号」がユニークになるように管理しておく必要があります。
-
「契約資産割り当て」
契約の新規登録または更改に伴って、契約の対象となる機器またはソフトウェアの割り当てを変更する場合に、タスク「契約資産解除」と組み合わせて使用します。
割り当てられるのは、状態が「契約中」の契約だけです。
また、対象となる契約が複数あった場合、および対象となる資産がほかの同一種別の契約に割り当てられていた場合はエラーとなります。
-
「ボリューム契約割り当て」
契約の新規登録または更改に伴って、ボリューム契約の対象となるソフトウェアの割り当てを変更する場合に、タスク「ボリューム契約資産解除」と組み合わせて使用します。
割り当てられるのは、状態が「契約中」の契約だけです。
また、対象となる契約が複数あった場合、および対象となるソフトウェア資産がほかの契約に割り当てられていた場合はエラーとなります。
-
「契約資産解除」
契約の更改に伴って、契約の対象となる機器またはソフトウェアの割り当てを解除する場合に使用します。
「資産情報.資産ID」は前のタスクで機器の状態を変更したときなど、対象となる機器が特定できる場合に、前のタスクの「資産ID」を引き継ぐために指定してください。
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「ボリューム契約資産解除」
契約の更改に伴って、ボリューム契約の対象となるソフトウェアの割り当てを解除する場合に使用します。
「資産情報.資産ID」は前のタスクで機器の状態を変更したときなど、対象となる機器が特定できる場合に、前のタスクの「資産ID」を引き継ぐために指定してください。
-
「ユーザ情報登録」
人員の追加などで、新規にユーザを登録する場合に使用します。ユーザ管理情報の登録と各ユーザにユーザ権限を割り当てます。パスワードは設定されません。パスワードを入力しないで、登録した「ユーザID」でAsset Consoleにログインして、操作画面から設定してください。
「ユーザ管理情報.ユーザID」、「ユーザ管理情報.ユーザ名」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなります。
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「ユーザ情報更新」
氏名、電話番号、メールアドレスなどの情報の変更や、職制変更によるユーザ権限の変更など、ユーザ情報を変更する場合に使用します。
対象となるユーザは「ユーザID」または「ユーザ名」で引き当てられます。「ユーザID」が指定されていない場合、ユーザ名をキーに資産情報を検索しますが、同姓同名が複数登録されていた場合はエラーとなります。
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「ユーザ情報削除」
職制変更などによって、登録しているユーザの情報が不要になった場合に使用します。
対象となるユーザは「ユーザID」または「ユーザ名」で引き当てられます。「ユーザID」が指定されていない場合、「ユーザ名」をキーに検索しますが、同姓同名のユーザが複数登録されていた場合はエラーとなります。
-
「問題点登録」
案件を使用して問題点を管理する場合、資産管理システムで発生した問題点を登録するために使用します。
「保守履歴.管理番号」、「保守履歴.保守状態」、「保守履歴.障害内容」の管理項目に値が取得できなかった場合はエラーとなります。
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「問題点更新」
案件を使用して問題点を管理する場合、問題が解決するまでの情報を追加・更新し、その問題点の担当者へ送付するために使用します。
「資産情報.資産ID」は、前のタスクで、障害対策で機器の情報を変更したときなど、情報を更新した機器資産の「資産ID」を引き継ぐ場合に指定してください。
-
「JP1イベント通知」
「案件遷移イベント」を発行して、連携するほかの製品に、案件の遷移を通知する場合に使用します。案件のすべてのアクティビティにこのタスクを定義することで、案件の状態を監視できます。また、JP1/IMの自動アクション機能を利用して任意のコマンドを実行することで、連携するほかの製品は、案件の遷移を契機に処理を実行できます。
「案件遷移イベント」は、案件が正常に遷移した場合(このタスクを含むアクティビティが正常に処理された場合)に発行されます。いったん正常に遷移した案件が引き戻し、却下または削除されたときは、自動的に「案件状態変更イベント」または「案件削除イベント」が発行されます。
案件の遷移に伴って発行されるJP1イベントの詳細については、「13.2 Asset Consoleから発行するJP1イベントの詳細」を参照してください。