1.3.7 多様なライセンス形態に対応したライセンス管理
Asset Consoleでは、ソフトウェアのさまざまなライセンス形態に対応して、ライセンスが適正に運用されているかどうかを管理できます。
一般的なライセンスの種類とライセンスの管理方法、およびAsset Consoleでのライセンス管理方法について説明します。
(1) ライセンスの種類
ライセンスにはさまざまな種類がありますが、大別すると次のものが挙げられます。
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マシン許諾ライセンス
1ライセンスで1台のマシンへのインストールが許諾されているライセンスです。
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ユーザ許諾ライセンス
1ライセンスで一人のユーザに使用が許諾されているライセンスです。同一のユーザの所有する複数のマシンにインストールできます。
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プレインストール
購入したマシンへのインストールが許諾されているライセンスです。
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サーバライセンス
サーバ製品のためのライセンスです。サーバ製品には通常、サーバにアクセスできる数(クライアントアクセスライセンス)、CPUの数(CPUライセンス)、管理するノードの数(管理ノードライセンス)などの付随ライセンスがあります。
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セカンドライセンス
基本的には1台のマシンへのインストールが許可されているマシン許諾ライセンスに、モバイル機器などに限って2台目のマシンへのインストールが許可されているライセンスです。
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同時実行ライセンス
同時に起動または常駐するソフトウェアの数に応じて必要なライセンスです。
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ボリュームライセンス
規定の範囲内で、自由に組み合わせて購入するライセンスです。組み合わせや数は自由に設定できますが、契約期間中に達成する必要があるポイントやポイント達成の期限が決まっています。
また、これらのライセンスの種類とは別に、アップグレード保証の有無や、ダウングレードソフトウェアへの適用が可能かどうかなどの、さまざまなオプションがあります。
(2) ライセンスの管理方法
ライセンスの管理方法には、大別すると総数管理と割り当て管理があります。資産管理システムとして(またはソフトウェアに応じて)、どちらの方法で管理するかを選択します。
- 総数管理
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企業単位または部署単位で所有しているライセンスの総数と、そのライセンスの利用数を比較することで、ライセンスの過不足を管理する方法です。この方法は、個々のライセンスを割り当てる作業が不要なため、比較的管理が容易です。
その反面、ライセンスが適正に使用されていない場合、不正利用している機器またはユーザの特定が困難です。また、同一ライセンスでも購入形態によってオプションが異なる場合、それぞれの機器またはユーザの利用状態が適正かどうかを把握するのが難しくなります。
ダウングレードソフトウェアのライセンスの場合、どの機器で使用されているかを、明確には管理できません。
- 割り当て管理
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所有しているライセンスとそのライセンスを使用している機器またはユーザを、ライセンスごとに関連づけて管理する方法です。この方法だと、個々のライセンスの購入形態に合わせて、利用状況を正確に把握できます。また、不正に利用されている場合の機器またはユーザの特定が容易です。ただし、ライセンスとライセンスを使用している機器またはユーザとの関連づけが必要です。
(3) Asset Consoleでのライセンス管理
Asset Consoleでは、ライセンスの種類や管理方法の違いに応じて、柔軟にライセンスの情報を作成できるので、きめ細かなライセンス管理ができます。
例えば、全社で統一しているライセンスは総数管理、個別に購入しているライセンスは割り当て管理というように、個々のライセンスに合った管理方法を適用することで、効率良くライセンスを管理できます。
Asset Consoleでの総数管理および割り当て管理の方法と、ボリュームライセンスの管理方法を次に示します。
(a) 保有数と利用数を基に管理する
総数管理を行う場合の管理方法です。
ライセンスを購入した際に保有数を登録し、機器にインストールされているライセンスから利用数を算出して比較します。
保有数と利用数を基に管理する概念を次の図に示します。
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総数管理の運用例については、「2.4.1 ライセンスの保有数と利用数を基に運用状況を確認する」を参照してください。
(b) 機器またはユーザに割り当てて管理する
割り当て管理を行う場合の管理方法です。
- 機器にライセンスを割り当てて管理する
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マシン許諾ライセンス、セカンドライセンスなど、機器の単位で必要なライセンスを、機器に割り当てて管理します。
パッケージやプレインストールなどのライセンスの取得方法は、ライセンス情報の属性として管理できます。
機器にライセンスを割り当てて管理する概念を次の図に示します。
図1‒9 機器にライセンスを割り当てて管理する概念 - ユーザにライセンスを割り当てて管理する
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Asset Consoleで管理するユーザにライセンスを割り当てて、ユーザ許諾ライセンスとして管理します。
ユーザにライセンスを割り当てて管理する概念を次の図に示します。
図1‒10 ユーザにライセンスを割り当てて管理する概念
また、セカンドライセンスや同時実行ライセンスの場合は、次のように管理します。
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セカンドライセンスのライセンスを追加して、機器に割り当てて管理するか、またはセカンドライセンスのライセンスは追加しないで、ユーザ許諾ライセンスとして管理します。
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同時に実行できる数を保有数としてライセンスを登録して管理するか、または同時に実行できる数をライセンスの属性として管理します。
割り当て管理の運用例については、「2.4.2 ライセンスの形態に合わせて利用先を正確に管理する」を参照してください。
(c) ダウングレードソフトウェアを管理する
購入したライセンスを流用して、旧バージョンのソフトウェアを使用する場合(例えば、Windows 8を購入して、実際はWindows 7を使用する場合)、その旧バージョンのソフトウェアをダウングレードソフトウェアといいます。ダウングレードソフトウェアを管理する場合は、(b)で示した割り当て管理を行う必要があります。
ここでは、機器にライセンスを割り当てて、マシン許諾ライセンスとして管理する場合を例に、ダウングレードソフトウェアを管理する概念を次の図に示します。
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ダウングレードソフトウェアを管理するには、割り当て管理を行うだけでなく、幾つかの設定が必要となります。詳細は、マニュアル「運用ガイド」の「4.6.9 ダウングレードソフトウェアを追加する」を参照してください。