14.4.1 ログファイルの確認
トラブルが発生した場合は、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentにログが取得されます。ログの内容を確認して対処してください。ログの内容はPCごとに確認できます。
JP1/IT Desktop Management 2 - Agentに取得される、リモートインストールマネージャを使用した配布機能に関するログは、次の3種類です。
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エージェントの基本ログ(USER_CLT.LOGファイル)
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agent全体のログ(WindowsのイベントログおよびMAIN.LOGファイル)
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接続先の自動変更関連のログ(USER.LOGファイル)
Windowsのイベントログは、Windowsのイベントビューアから確認します。それ以外のログファイルは、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先ディレクトリ\log下に保存されますので、それらを確認する場合はテキストエディタを使用してください。
次に、各ログについて説明します。
(1) エージェントの基本ログ
エージェントの動作に関する基本的なログメッセージは、PCごとにUSER_CLT.LOGファイルに出力されます。エージェントの動作を確認する場合は、まずこのファイルを参照することをお勧めします。このファイルには、各処理の開始や終了についての簡単なメッセージが出力されます。処理が失敗した場合は、エラーの原因も出力されます。
USER_CLT.LOGファイルへの出力対象となる動作を次に示します。
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製品およびプロセスの起動と終了
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ログオンとログオフ
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ジョブの実行要求の受信
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ポーリング
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ジョブの受信と実行
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パッケージのダウンロード
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ファイルのアップロード
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システム構成情報への自動登録
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IDへの登録とIDからの削除
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パッケージング
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内部エラーとアプリケーション例外
ファイル形式の詳細とメッセージ内容については、マニュアル「JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 2 メッセージ」を参照してください。
(2) JP1/IT Desktop Management 2 - Agent全体のログ
JP1/IT Desktop Management 2 - Agent全体のログは、Windowsのイベントログと、MAIN.LOGファイルに取得されます。
(a) Windowsのイベントログを確認する
JP1/IT Desktop Management 2 - Agentの使用中に取得されたイベントログは、イベントビューアを使って表示できます。イベントビューアの[ログ]メニューから[コンピュータの選択]を選ぶことで、Windowsが動作しているほかのPCのイベントも確認できます。イベントビューアの詳しい操作方法については、Windowsのマニュアルまたはヘルプを参照してください。
イベントビューアのイベント欄に表示される数字(イベントID)は、メッセージIDに相当します。数字の意味は、次のとおりです。
イベントID |
内容 |
---|---|
0〜 999 |
Windowsとのインターフェース |
1000〜 1999 |
TCP/IP関連 |
5000〜 5999 |
セットアップ関連 |
6000〜 6999 |
パッケージング関連 |
7000〜 7999 |
インストール関連 |
8000〜 8999 |
中継関連 |
10000〜 19999 |
配布管理システム関連 |
また、イベントビューアのウィンドウで各イベントをダブルクリックすると、イベントごとの詳しい説明が表示されます。
イベントによっては、イベントの詳細の中でメモリダンプ情報が出力される場合があります。JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのエラーに関して、弊社にお問い合わせのときは、この情報もお知らせください。
なお、JP1/IT Desktop Management 2が出力するイベントログメッセージについては、マニュアル「JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 2 メッセージ」を参照してください。
(b) MAIN.LOGファイルを確認する
JP1/IT Desktop Management 2 - Agentは、PCごとにMAIN.LOGファイルにもログを取得します。ファイルの形式を次に示します。
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MAIN.LOGファイル中に表示される「メッセージ種別」および「機能種別」の意味は次のとおりです。
メッセージ種別 |
意味 |
---|---|
Informational |
情報メッセージ |
Warning |
警告メッセージ |
Error |
エラーメッセージ |
機能種別 |
意味 |
---|---|
Package |
パッケージング中(JP1/IT Desktop Management 2 - Agent内でのエラー) |
Install |
インストール中(JP1/IT Desktop Management 2 - Agent内でのエラー) |
Setup |
GUIインストールモードでのインストール中(JP1/IT Desktop Management 2 - Agent内でのエラー) |
TCP/IP |
TCP/IPとのインターフェース |
System |
Windowsとのインターフェース |
User |
ユーザログ(インストールスクリプトのLogFile関数からの出力) |
Server |
中継中(JP1/IT Desktop Management 2 - Agent内でのエラー) |
(3) 接続先の自動変更関連のログ
上位接続先情報ファイルによってエージェントの接続先が自動的に設定・変更されると、PCごとにログがUSER.LOGファイルに取得されます。USER.LOGファイルの形式を次に示します。
|
メッセージ中に表示される「メッセージテキスト」とその意味は次のとおりです。
メッセージ |
意味 |
---|---|
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Change [旧接続先:旧接続先の製品種別]->[新接続先:新接続先の製品種別] |
エージェントの接続先が、正常に変更されました。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:No Changed [既存の接続先: 既存の接続先種別] |
すでに設定されている接続先は、上位接続先情報ファイルの定義と一致しています。接続先は変更しません。 |
No Match IP Address List, No Changed [既存の接続先: 既存の接続先製品種別] |
エージェントのIPアドレスは、上位接続先情報ファイルの定義範囲内にありません。接続先は変更しません。 |
Not exist No.[項目の順番] Value: LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目で、[項目の順番]番目の項目が指定されていません。この行の定義は無効です。 |
IP Address is not available:"[指定値]" :LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、無効な値のIPアドレスが指定されています。この行の定義は無効です。 |
Higher manager value is over 64 character:"[指定値]" :LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、接続先として半角65文字以上の値が指定されています。この行の定義は無効です。 |
Connection type value is not "netmdm" or "netmdmw":"[指定値]" :LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、接続先の製品種別として「netmdm」および「netmdmw」以外の値が指定されています。この行の定義は無効です。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Change Multicast IP Address [旧マルチキャストアドレス]->[新マルチキャストアドレス] |
エージェントのマルチキャストアドレスが、正常に変更されました。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:No Changed Multicast IP Address [マルチキャストアドレス] |
すでに設定されているマルチキャストアドレスは、上位接続先情報ファイルの定義と一致しています。マルチキャストアドレスは変更しません。 |
Multicast IP Address is not available:"[マルチキャストアドレス]":LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、無効な値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが、マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。 |
Multicast IP Address is under 224.0.0.0:"[指定値]":LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、224.0.0.0より小さい値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが、マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。 |
Multicast IP Address is over 239.255.255.255:"[指定値]":LineNo[行番号] |
上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に、239.255.255.255より大きい値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが、マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。 |
Use Option "MultiBoard Environment": Not Execution |
エージェントのセットアップで「ネットワークアダプタの設定」をしているため、接続先の自動変更はできません。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Clear SubHostName [レジストリ番号] |
すでに設定されている接続先で、上位接続先情報ファイルの定義と一致しない接続先がレジストリから削除されました。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Clear SubServiceName [レジストリ番号] |
すでに設定されている接続先で、上位接続先情報ファイルの定義と一致しない製品種別がレジストリから削除されました。 |
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Changed Multi Server Option [YES|NO] |
複数の上位システムへのポーリングの設定が正常に変更されました。 複数の上位システムにポーリングする場合はYES、しない場合はNOが表示されます。 |