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JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


5.3.1 IDの運用方法

IDの運用例を次の図に示します。

図5‒10 IDの運用例

[図データ]

次に、IDの運用手順、階層化したシステムでの運用方法、およびJP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)でIDを使用する場合の運用方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) IDの運用手順

(a) IDを作成する

IDは、配布管理システムで次に示す情報を設定して作成します。

  • IDの名称

    ここで設定したID名称が、ジョブの配布時に配布先として選択できます。

  • パスワード(オプション)

    利用者がIDに登録するときに登録を許可するパスワードを設定できます。パスワードを設定するとIDに利用者が登録するときは、ここで指定したパスワードを入力する必要があります。

  • ID管理中継

    ID管理中継として使用するホスト(中継システム)を指定します。ID管理中継は、1つのIDに対して複数指定できます。

(b) 管理対象のコンピュータをIDへ登録する

IDへの登録は管理対象のコンピュータで実行します。管理対象のコンピュータからID管理中継に接続して、そのID管理中継が管理しているIDに登録します。また、配布管理システム側でコンピュータをIDに登録することもできます。JP1/IT Desktop Management 2に新規に追加されたコンピュータを自動的にIDに登録することもできます。

管理対象のコンピュータに対応するID管理中継は、エージェントのセットアップ時に[接続先設定]パネルで指定した上位システムです。マルチホスト環境で動作するコンピュータの場合、ID管理中継は優先順位が1位の中継システムとなります。

(c) 配布管理システムからあて先にIDを指定したジョブを実行する

あて先にIDを指定できるジョブは次のとおりです。

  • パッケージのインストール

  • クライアントユーザによるインストール

あて先にIDを指定したジョブ(IDジョブ)は、指定したIDを管理するID管理中継に転送されます。ID管理中継では転送されたジョブを保管し、このIDに登録されているコンピュータに対してジョブを実行します。IDジョブが実行されたあと、このIDにコンピュータが登録されると、登録した時点で保存されているIDジョブが実行されます。そのため、IDを指定してジョブを実行する場合は、配布するパッケージの中継システムでの保管期限を考慮してください。中継システムでの保管期限を過ぎるとパッケージが中継システムから削除されるため、IDに登録したコンピュータへパッケージが配布されません。

(d) IDジョブの実行結果

次に示すジョブでIDを指定した場合、管理対象のコンピュータでの実行結果を配布管理システムで確認できます。IDジョブの実行結果の確認方法については、「9.4.4 ジョブの実行状況の表示方法」を参照してください。

  • パッケージのインストール

  • クライアントユーザによるインストール

(e) IDの編集

作成したIDは、IDを作成した配布管理システムで次に示す編集ができます。

  • ID管理中継の追加・削除

  • パスワードの変更

  • IDの削除

  • 管理対象のコンピュータのIDへの登録(ファイルから)

  • ID管理中継へのIDの登録

(2) 配布管理システムを階層化したシステムでのIDの運用方法

配布管理システムを階層化したシステムで、IDを使用する場合の運用方法を次に示します。

(a) マネージャでのIDの作成

マネージャでIDを作成する場合、ID管理中継として配下の中継システムを設定できます。

マネージャで、中継システムをID管理中継として作成したIDの例を次に示します。

図5‒11 マネージャで中継システムをID管理中継として作成したID

[図データ]