3.3.1 Wake on LANを利用する場合の設定
エージェント設定で必要な設定を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) 値の設定に注意が必要な項目
- 下位システムの同時実行要求数
-
コンピュータを起動する側のマネージャのセットアップまたは中継システムのエージェント設定で、次の値を0にするとあて先の起動ができなくなります。
-
マネージャの場合、[リモートインストールマネージャを使用した配布のセットアップ]画面の[サーバカスタマイズオプション]パネルの[ジョブを同時実行するJP1/IT Desktop Management 2 - Agent数]
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中継システムの場合、エージェント設定の[中継システムの設定]−[中継システムの処理の設定]の[ジョブを同時実行するJP1/IT Desktop Management 2 - Agent数]
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(2) 推奨の値がある項目
- ポーリングの設定
-
ポーリングの設定は「ポーリングする」を有効にすることをお勧めします。
(3) 注意事項
Wake on LANを利用してクライアント制御を実行する場合の注意事項を次に示します。
(a) システム構成についての注意事項
ジョブの経路上にルータが設置されたシステム構成でクライアント制御を使うには、次のどちらかのネットワーク環境にしてください。セキュリティ上の安全性から、1の環境での運用をお勧めします。
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ルータごとに1つ以上の中継システムを配置し、かつ常時起動されている状態にします。(推奨)
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ルータに、ブロードキャスト指定のパケットを通過させるように設定します。
この場合、ルータごとに中継システムを配置する必要はありません。
なお、ルータにブロードキャスト指定のパケットを通過させるように設定すると、サービス運用妨害(DoS)攻撃を受けるおそれがあります。このような状況を避けるには、1の環境で運用してください。
(b) ハードウェアについての注意事項
クライアント制御を使用する場合のハードウェアについての注意事項を次に説明します。
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BIOSの設定でWake on LANの項目がある場合は、「Enable」に設定してください。
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HUBやNICなどがLinkChange機能をサポートしている場合、その機器の電源がオンになるとWake on LANが「Enable」になっているPCが起動されてしまいます。このため、機器の電源は常にオンにしておくか、またはLinkChange機能を無効にしておく必要があります。
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LANカードから出力される信号には、「RWU-High」、「RWU-Low」、および「PME」の3種類があります。マザーボードによって使用できる信号の種類が異なるため、その組み合わせによってジャンパーピンの設定を変える必要があります。組み合わせによるジャンパーピンの設定については、LANカードメーカーのドキュメントを参照してください。
(c) 起動時の注意事項
クライアント制御を使用してコンピュータを起動する場合の注意事項を次に示します。
-
クライアント制御を使って複数のジョブを実行する場合、すべてのジョブにコンピュータを起動させる指定をしても、1つのあて先に対して一度起動した場合は、同じあて先に対する次のジョブの起動要求は無視されます。
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1台のPCで複数のネットワークインターフェースカードを使用している環境では、クライアント制御を使って起動できないことがあります。
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「対象のコンピュータが稼働していない場合に起動する」を設定してジョブを実行した場合、PCの起動時間に対して、JP1/IT Desktop Management 2 - ManagerまたはJP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)からの起動間隔が短過ぎるため、PCによっては起動時にハングアップしてしまう場合があります。この場合、JP1/IT Desktop Management 2 - ManagerまたはJP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)の、次に示すレジストリ値をPCの起動時間より大きな値に変更することで、回避してください。
- レジストリキー
-
・OSが32ビット版のJP1/IT Desktop Management 2 - Managerの場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\JP1/IT Desktop Management - Manager\DM
・OSが64ビット版のJP1/IT Desktop Management 2 - Managerの場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\HITACHI\JP1/IT Desktop Management - Manager\DM
・OSが32ビット版のJP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\JP1/IT Desktop Management - Agent\DMP
・OSが64ビット版のJP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\HITACHI\JP1/IT Desktop Management - Agent\DMP
- 名前
-
DeliveryExecSelectInterval
- データ
-
最小値(秒):30
最大値(秒):9,999
デフォルト値(秒):60