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JP1 Version 10 JP1/Cm2/Network Node Manager i セットアップガイド


10.7 ldap.properties設定ファイルリファレンス

ldap.propertiesファイルには,ディレクトリサービスと通信し,それに対するLDAPクエリーを作成する場合の設定が保存されています。このファイルは次の場所にあります。

ldap.propertiesファイルでは,次の規則が適用されます。

次の表に,ldap.propertiesファイルのパラメータの説明を示します。

表10‒5 ldap.propertiesファイルのパラメータ

パラメータ

説明

java.naming.provider.url

ディレクトリサービスにアクセスするときのURLを指定します。

URLは,プロトコル(ldap)のあとにディレクトリサービスの完全修飾ホスト名が続き,任意でさらにポート番号が続く形式で指定します。

例:

java.naming.provider.url=ldap://ldap.example.com:389/

ポート番号を省略すると,次のデフォルト値が適用されます。

  • 非SSL接続の場合,デフォルト値は389です。

  • SSL接続の場合,デフォルト値は636です。

複数のディレクトリサービスのURLを指定すると,NNMiは可能な限り最初のディレクトリサービスを使用します。そのディレクトリサービスにアクセスできない場合,NNMiはリスト内の次のディレクトリサービスにクエリーを実行し,以降同様に対処します。各URLは1つのスペース文字で区切ります。

例:

java.naming.provider.url=ldap://ldap1.example.com/ ldap://ldap2.example.com/

このパラメータを設定すると,NNMiとディレクトリサービス間のLDAP通信が有効になります。LDAP通信を無効にするには,このパラメータをコメントにしてからファイルを保存します。これによってNNMiは,ldap.propertiesファイルの設定を無視します。

java.naming.security.protocol

接続プロトコル指定します。

  • LDAP over SSLを使用するようにディレクトリサーバーが設定されている場合は,このパラメータをsslに設定します。

    例:

    java.naming.security.protocol=ssl

  • ディレクトリサービスでSSLが不要な場合は,このパラメータをコメントにしたままにします。

詳細については,「8.8 ディレクトリサービスへのSSL接続を設定する」を参照してください。

bindDN

匿名アクセスを許可しない(Active Directoryなどの)ディレクトリサービスの場合は,そのディレクトリサービスにアクセスするユーザー名を指定します。このユーザー名のパスワードはldap.propertiesファイルに平文で保存されるため,ディレクトリサービスへの読み取り専用アクセス権を持つユーザー名を選択してください。

例:

bindDN=region1\\john.doe@example.com

bindCredential

bindDNが設定されている場合は,そのbindDNによって識別されるユーザー名のパスワードを指定します。

例:

bindCredential=PasswordForJohnDoe

baseCtxDN

ディレクトリサーバードメインの中でユーザーレコードを保存する部分を識別します。形式は,ディレクトリサービスの属性名と値のコンマ区切りリストです。

例:

  • baseCtxDN=CN=Users,DC=ldapserver,DC=example,DC=com

  • baseCtxDN=ou=People,o=example.com

詳細については,「10.4.4 ユーザー識別」を参照してください。

baseFilter

NNMiにサインインするユーザー名の形式を指定します。形式は,ディレクトリサービスのユーザー名属性の名前と,入力したユーザーサインイン名をディレクトリサービス内の名前の形式に関連づける文字列で構成されます。ユーザー名文字列には,式{0}(サインインで入力されたユーザー名を示す)と,ユーザー名のディレクトリサービス形式を照合するために必要なほかの文字が含まれます。

  • NNMiのサインインで入力されたユーザー名がディレクトリサービスに保存されているユーザー名と同じ場合,値は置換表現になります。

    例:

    baseFilter=CN={0}

    baseFilter=uid={0}

  • NNMiのサインインで入力したユーザー名がディレクトリサービスに保存されているユーザー名のサブセットになっている場合は,値に追加の文字を含めます。

    例:

    baseFilter=CN={0}@example.com

    baseFilter=uid={0}@example.com

詳細については,「10.4.4 ユーザー識別」を参照してください。

defaultRole

任意で指定。LDAPに従ってNNMiにサインインするディレクトリサービスユーザーすべてに適用されるデフォルトロールを指定します。このパラメータの値は,(NNMiデータベースまたはディレクトリサービスでの)ユーザーグループマッピングの保存場所に関係なく適用されます。

定義済みのNNMiユーザーグループにユーザーが直接設定されている場合,NNMiは,デフォルトロールおよび割り当て済みユーザーグループの権限のスーパーセットをユーザーに付与します。

有効な値は,adminlevel2level1,またはguestです。

この名前は,定義済みNNMiユーザーグループ名の一意の名前です。定義済みNNMiユーザーグループ名の一意の名前については,「10.4.5 ユーザーグループ識別」の「表10-4」を参照してください。

(例)

defaultRole=guest

コメントにするか,または省略すると,NNMiはデフォルト値を使用しません。

rolesCtxDN

ディレクトリサーバードメインの中でグループレコードを保存する部分を指定します。形式は,ディレクトリサービスの属性名と値のコンマ区切りリストです。

例:

  • rolesCtxDN=CN=Users,DC=ldapserver,DC=example,DC=com

  • rolesCtxDN=ou=Groups,o=example.com

ほかのディレクトリサービス(Active Directory以外)では,検索速度を高めるため,NNMiユーザーグループを含むディレクトリサービスグループを1つ以上指定できます。グループ名にパターンがある場合は,ワイルドカードを指定できます。例えば,ディレクトリサービスにUSERS-NNMi-administratorsUSERS-NNMi-level1Operatorsなどの名前のグループが含まれる場合は,次のような検索コンテキストを使用できます。

rolesCtxDN=cn=USERS-NNMi-*,ou=Groups,o=example.com

このパラメータを設定すると,LDAPを介したNNMiユーザーグループ割り当てのディレクトリサービスのクエリーが有効になります。LDAPを介したNNMiユーザーグループ割り当てのディレクトリサービスのクエリーを無効にするには,このパラメータをコメントにしてからファイルを保存します。NNMiは,ldap.propertiesファイルにある残りのユーザーグループ関連の値を無視します。

詳細については,「10.4.5 ユーザーグループ識別」を参照してください。

roleFilter

ディレクトリサービスのグループ定義でグループメンバー名の形式を指定します。形式は,ユーザーIDのディレクトリサービスグループ属性の名前と,入力したユーザーサインイン名をディレクトリサービス内のユーザーIDの形式に関連づける文字列で構成されます。ユーザー名文字列には,次の式の1つと,グループメンバー名のディレクトリサービス形式を照合するために必要なほかの文字が含まれています。

  • {0}は,サインインで入力されたユーザー名を示します(例えば,john.doe)。サインインで入力される(短い)ユーザー名で照合するロールフィルタ

    例:

    roleFilter=member={0}

  • {1}は,ディレクトリサービスによって返された認証済みユーザーの識別名を意味します(例えば,CN=john.doe@example.com,OU=Users, OU=Accounts,DC=example,DC=comまたはuid=john.doe@example.com,ou=People,o=example.com)。

    (完全に)認証されたユーザー名で照合するロールフィルタ

    例:

    roleFilter=member={1}

詳細については,「10.4.5 ユーザーグループ識別」を参照してください。

uidAttributeID

ディレクトリサービスユーザーIDを保存するグループ属性を指定します。

例:

uidAttributeID=member

詳細については,「10.4.5 ユーザーグループ識別」を参照してください。

userRoleFilterList

任意で指定。NNMiコンソールで関連ユーザーにインシデントを割り当てることができるNNMiユーザーグループを制限します。このリストのユーザーグループは,LDAPによって認証されるディレクトリサービスユーザー名だけに適用されます。このパラメータでは,NNMiユーザーグループがNNMiコンソールで割り当てられて,NNMiデータベースに保存されるときに使用できない機能が提供されます。1つ以上の定義済みNNMiユーザーグループ名の一意の名前をセミコロンで区切ったリストという形式です。定義済みのNNMiユーザーグループの一意の名前については,「10.4.5 ユーザーグループ識別」の「表10-4」を参照してください。

(例)

userRoleFilterList=admin;level2;level1

searchTimeLimit

任意で指定。タイムアウト値をミリ秒単位で指定します。デフォルト値は10000(10秒)です。NNMiユーザーサインイン中にタイムアウトになる場合は,この値を増やします。

(例)

searchTimeLimit=10000

注 初期のldap.propertiesファイルには,この表のリストにあるパラメータの一部が含まれていない場合があります。必要なパラメータを追加してください。

〈この節の構成〉