JP1/Script(Windows(R)用)

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8.1 基本コマンド一覧

スクリプトを作成するときに使用できる,基本コマンドの一覧を表8-1に示します。なお,コマンド欄の括弧内の数字は,対象バージョンを表します(括弧がないものは,01-00からサポートしています)。

表8-1 基本コマンド一覧

分類 コマンド 意味
変数操作 Dim 変数を宣言してメモリ領域を割り当てます。
Dim(配列)(06-00以降) 配列変数を宣言してメモリ領域を割り当てます。
SetEnvironmentまたはSetEnv 環境変数を設定します。
GetEnvironmentまたはGetEnv 環境変数を取得します。
SetGV 自PC,およびネットワーク上の他PCのグローバル変数を設定します。
GetGV 自PC,およびネットワーク上の他PCのグローバル変数を取得します。
DeleteGV(06-00以降) 自PC,およびネットワーク上の他PCのグローバル変数を削除します。
GetArrayCount(06-00以降) 配列変数の要素数(二次元配列の場合は行数または列数)を取得します。
文字列操作 InStr(05-00以降) 文字列の中から指定された文字列を検索し,最初に見つかった文字位置(先頭からその位置までの文字数)を返します。
InArray(06-00以降) 配列変数の要素の中から指定された文字列を検索し,最初に見つかったインデックス番号を返します。
Len 文字列の文字数を返します。
Lcase 文字列の半角英字の大文字を小文字に変換します。
Ucase 文字列の半角英字の小文字を大文字に変換します。
Left 文字列の左端から指定された文字数分の文字列を返します。
Mid 文字列から指定された文字数分の文字列を返します。
Right 文字列の右端から指定された文字数分の文字列を返します。
Space 指定された数の半角スペースからなる文字列を返します。
Ltrim(05-00以降) 文字列から先頭のスペースを削除した文字列を返します。
Rtrim(05-00以降) 文字列から末尾のスペースを削除した文字列を返します。
Trim(05-00以降) 文字列から先頭,および末尾のスペースを削除した文字列を返します。
+(文字列連結) 二つの式に対して文字列連結を行います。
&(文字列連結)(06-00以降) 二つの式に対して文字列連結を行います。
&=(文字列連結)(06-51以降) 変数と式の値に対して文字列連結を行い,連結した文字列を変数に代入します。
AddStr(05-00以降) 指定した二つ以上の文字列に対して,指定した区切り文字を挿入し連結した文字列を返します。
SeparateStrCount(05-00以降) 指定した区切り文字によって分割された文字列の数を返します。
SeparateStr(05-00以降) 指定した区切り文字によって分割された文字列を返します。
Str(05-20以降) 指定した値を文字列で返します。
Format(05-20以降) 指定した値を書式化した文字列で返します。
IsLower(06-00以降) 文字列が半角英字の小文字かどうかを調べ,結果を真(True)または偽(False)で返します。
IsUpper(06-00以降) 文字列が半角英字の大文字かどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsSingleChar(06-00以降) 文字列が半角文字かどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsMultiChar(06-00以降) 文字列が全角文字かどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
日付操作 Date 現在の日付を返します。
Time 現在の時刻を返します。
Year 指定された日付の年を表す値を,4桁の数値で返します。
Month 指定された日付の月を表す値を,1〜12の範囲の2桁の数値で返します。
Day 指定された日付の日を表す値を,1〜31の範囲の2桁の数値で返します。
Weekday 指定された日付の曜日を表す値を,1(日曜)〜7(土曜)の範囲の1桁の数値,または曜日を表す文字列で返します。
Hour 指定された時刻の時を表す値を,0〜23の範囲の2桁の数値で返します。
Minute 指定された時刻の分を表す値を,0〜59の範囲の2桁の数値で返します。
Second 指定された時刻の秒を表す値を,0〜59の範囲の2桁の数値で返します。
CalcDate(05-20以降) 指定した日付に,指定した値を加算,または減算した結果(日付)を返します。
CompDate(05-20以降) 指定した二つの日付を比較し,結果を真(True),または偽(False)で返します。
GetDateCount(05-20以降) 指定した二つの日付の経過日数を返します。
CalcTime(05-20以降) 指定した時刻に,指定した値を加算,および減算した結果(時刻)を返します。
CompTime(05-20以降) 指定した二つの時刻を比較し,結果を真(True),または偽(False)で返します。
GetTimeCount(05-20以降) 指定した二つの時刻の経過時間を返します。
IsLeapYear(05-20以降) 指定した西暦がうるう年かどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
ファイル・フォルダ操作 IniRead 初期化ファイルから値を読み込みます。
IniWrite 初期化ファイルの値を設定します。
TextFileReplace テキストファイルの中の特定の文字列を置き換えます。
TextOpen(05-00以降) テキスト形式ファイルをオープンします。
TextClose(05-00以降) テキスト形式ファイルをクローズします。
TextRead(05-00以降) テキスト形式ファイルの1行分のデータを読み込みます。
TextWrite(05-00以降) テキスト形式ファイルにデータを書き込みます。
TextSeek(05-00以降) テキスト形式ファイルのデータの読み書き開始位置を移動します。
GetTextPosition(05-00以降) テキスト形式ファイルの現在の読み書き開始位置を返します。
MakeDir フォルダを作成します。
DeleteDir フォルダを削除します。
DeleteFile ファイルを削除します。
Rename ファイル名を変更します。
TempDir 一時フォルダを取得します。
TempFile 一時ファイル名を取得します。
SetFileAttributeまたはSetFileAttr ファイルの属性を設定します。
GetFileAttributeまたはGetFileAttr(06-00以降) ファイルの属性を取得します。
SetFileTime(05-10以降) ファイルに日付と時刻を設定します。
GetFileTime(05-10以降) ファイルの日付と時刻を取得します。
GetFileSize(06-00以降) ファイルの容量を取得します。
GetVersionInfoまたはGetVerInfo(06-00以降) ファイルのバージョン情報を取得します。
SplitFile(05-10以降) 指定したサイズでファイルを分割します。
CatFiles(05-10以降) 複数のファイルを一つに統合します。
SetStandardFileまたはSetStdFile(05-10以降) Execコマンドで呼び出すプロセスの標準入力,標準出力,および標準エラーファイルを設定します。
ResetStandardFileまたはResetStdFile(05-10以降) Execコマンドで呼び出すプロセスの標準入力,標準出力,および標準エラーファイルを解除します。
SplitPath フルパスを解析します。
MakePath フルパスを作成します。
SetPath 実行フォルダのパスを設定します。
GetPath 実行フォルダのパスを取得します。
SetVolumeLabelまたはSetVolLabel(05-10以降) ディスクのボリュームラベルを設定します。
GetVolumeLabelまたはGetVolLabel(05-10以降) ディスクのボリュームラベルを取得します。
GetDiskFreeSpace(05-10以降) ディスクの空き容量を取得します。
Copy ファイルをコピーします。
メッセージ出力 InputBox ダイアログボックスにメッセージとテキストボックスを表示し,テキストが入力されるか,またはボタンがクリックされると,テキストボックスの内容を返します。
Message ファイル,またはウィンドウへ指定されたテキストを出力します。また,テキストを出力したウィンドウを消去します。
MessageBox ダイアログボックスに指定されたメッセージを表示します。ボタンやアイコンの付加を指定できます。ボタンを付加する場合,ボタンがクリックされるのを待って,どのボタンがクリックされたのかを示す値を返します。
MessageEventLog(01-01以降) イベントビューアのアプリケーションログにメッセージを出力します。
IMEventMessage(05-20以降) JP1/IM,またはJP1/Baseへイベントを発行します。JP1/IM のイベントコンソールの機能については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」を参照してください。
メニュー呼び出し Menu(05-20以降) ユーザ定義の画面(メニューフォーム)を表示します。
演算処理 +演算子(加算) 二つの数値の和を求めます。
+=演算子(加算)(06-51以降) 変数と式の値の和を求め,結果を変数に代入します。
−演算子(減算) 二つの数値の差を求めます。数式の符号を反転した値を指定します。
−=演算子(減算)(06-51以降) 変数と式の値の差を求め,結果を変数に代入します。
Mod演算子(剰余演算) 二つの数値の除算を行い,その剰余を返します。
Mod=演算子(剰余演算)(06-51以降) 変数と式の値の除算を行い,その剰余を変数に代入します。
*演算子(乗算) 二つの数値の積を求めます。
*=演算子(乗算)(06-51以降) 変数と式の値の積を求め,結果を変数に代入します。
/演算子(除算) 二つの数値の商を計算し,結果を整数で返します。
/=演算子(除算)(06-51以降) 変数と式の値の商を計算し,結果を整数で変数に代入します。
¥演算子(整数除算) 二つの数値の商を計算し,結果を整数で返します。
¥=演算子(整数除算)(06-51以降) 変数と式の値の商を計算し,結果を整数で変数に代入します。
^演算子(べき乗)(06-00以降) 二つの数値のべき乗を求めます。
^=演算子(べき乗)(06-51以降) 変数と式の値のべき乗を求め,結果を変数に代入します。
比較演算子(=,<>,<,<=,>,>=) 二つの式を比較します。
論理積(And) 二つの式の論理積を求めます。
論理和(Or) 二つの式の論理和を求めます。
論理否定(Not)(06-00以降) 式の論理否定を求めます。
チェック処理 IsEmpty 変数がEmpty値かどうかを調べ,結果を真(True)または偽(False)で返します。
IsDefineまたはIsDef 変数が定義されているかどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsNumeric(01-01以降) 値が数値として評価できるかどうかを調べ,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsEmptyDir フォルダの中身が空かどうかをチェックし,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsExistDir フォルダが存在するかどうかをチェックし,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsExistFile ファイルが存在するかどうかをチェックし,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsWriteableDir フォルダが書き込み可能かどうかをチェックし,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsFileAttributeまたはIsFileAttr ファイルの属性が指定された属性か,どうかをチェックし,結果を真(True),または偽(False)で返します。
IsNew(05-10以降) 二つのファイルのバージョン情報,またはファイル日付の新旧を比較し,結果を真(True),または偽(False)で返します。
CheckDirName フォルダの末尾(\)かどうかをチェックします。
CheckDriveType ドライブの種類をチェックします。
外部プログラム呼び出し Exec※1 実行ファイルを呼び出します。複数パラメタの指定が可能です。
NetExec(05-00以降)※1 自PC,およびネットワーク上の他のPC上の実行ファイルを呼び出します。複数パラメタの指定が可能です。
WaitForExec(01-01以降) Exec,およびNetExecコマンドで呼び出した実行ファイルの終了待ちや強制終了を行います。
GetExecStatus(06-00以降) Exec,およびNetExecコマンドで呼び出した実行ファイルの現在の実行状態を取得します。
CallSpt(06-71以降)※1 現在のプロセスがSPTファイルをプロシージャのように呼び出します。複数パラメタの指定が可能です。
自動起動処理 EntryStartUp(05-10以降) スクリプトファイルを自動起動に登録します。
CancelStartUp(05-10以降) スクリプトファイルの自動起動の登録を解除します。
JP1呼び出し※2 JOBSubmit JP1のキューサーバに対してスクリプトを登録します。
JOBWait JOBSubmitコマンドで登録したジョブが終了するのを待ちます。
JOBHold JOBSubmitコマンドで登録したジョブを保留,または保留解除にします。
JOBCancel JOBSubmitコマンドで登録したジョブをキャンセルします。
コメント Remまたは「′」(シングル引用符) プログラム内にコメントを記述するときに指定します。
その他 Sleep 指定された時間,処理を中断します。
Alert トレースビューアのステータスに,警告・警告解除を知らせます。
Beep スピーカからビープ音を鳴らします。
使用する場合は,「1.7(4) Beepコマンドについて」,および「8.14.3 Beep(スピーカからビープ音を鳴らす)」の注意事項を参照してください。
Exit スクリプトの実行を終了します。
GetErrorMessage(01-01以降) 指定されたエラー詳細コードのエラーメッセージを返します。
注※1 Exec,NetExec,およびCallSptコマンドの違いを表8-2に示します。

表8-2 Exec,NetExec,およびCallSptコマンドの違い

コマンド 呼び出せる実行ファイル 呼び出した実行ファイルの終了待ち 呼び出された外部ファイルのプロセス 用途
特徴 プロセス環境変数
Exec EXEファイル,
BATファイル,
COMファイル,
SPTファイル,
CMDファイル,
関連付けられたファイル
終了待ちをするかしないかを指定できます。 新しいプロセスで実行されます。 呼び出し側のコピーを継承するので,呼び出し側の値は認識できるが,それを更新しても呼び出し側では反映されません。 実行ファイルを呼び出す場合
NetExec EXEファイル,
BATファイル,
COMファイル,
SPTファイル,
CMDファイル,
関連付けられたファイル
終了待ちをするかしないかを指定できます。 新しいプロセスで実行されます。 呼び出し元のプロセス環境変数を呼び出し先に継承しません。そのため,呼び出し元で設定した値を参照できません。 他のコンピュータで実行ファイルを呼び出す場合や,実行する空間をサービスかログオンかを指定して実行ファイルを呼び出す場合
CallSpt SPTファイル 指定できません(常に終了待ちとなります)。 現在のプロセスで実行されます。 呼び出し側と共有するため,参照できます。また,更新した値を呼び出し側で参照できます。 現在の処理の一部として実行ファイルを呼び出す場合
注※2 Windows Vista以降のOSでは,JP1呼び出しコマンドをサポートしていません。