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JP1 Version 10 JP1/Advanced Shell


2.7.2 ジョブネットを定義して実行する

JP1/AJSでジョブの実行を自動化する場合,登録したカスタムジョブ,PCジョブ(Windowsの場合),またはUNIXジョブ(UNIXの場合)をJP1/AJS - Viewでジョブネットに定義し,ジョブネットを実行します。JP1/AJS - Viewの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」のジョブ定義の説明を参照してください。

JP1/AJS3 - Viewでのジョブネットを定義して実行する手順を次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから,[すべてのプログラム]−[JP1_Automatic Job Management System 3 - View]−[ジョブシステム運用]を選択する。

    [ログイン]画面が表示されます。

  2. ユーザー名,パスワード,および接続ホスト名を指定してログインする。

    [JP1/AJS3 - View]ウィンドウが表示されます。

  3. [編集]−[新規作成]−[ジョブネット]を選択する。

    [詳細定義]−[ジョブネット]ダイアログボックスが表示されます。

  4. ジョブネットに属性などを定義して,[OK]ボタンをクリックする。

    運用環境に応じて,[実行エージェント]に適切な内容を指定してください。省略することもできます。JP1/AJSの項目については,JP1/AJSのマニュアルを参照してください。

    [図データ]

    これによってジョブネットが作成され,リストエリアに表示されます。

  5. 作成したジョブネットをダブルクリックする。

    [ジョブネットエディタ]ウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  6. ジョブを定義したり関連づけたりするときにほかのユーザーがアクセスできないように,[排他編集]をチェックする。

  7. アイコンリストから必要なカスタムジョブ,PCジョブ,またはUNIXジョブのアイコンをマップエリアへドラッグする。

    [図データ]

    [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックス,[詳細定義−[PC Job]]ダイアログボックス,または[詳細定義−[UNIX Job]]ダイアログボックスが表示されます。

    以降の手順では,カスタムジョブでの定義方法を示します。PCジョブまたはUNIXジョブを使用する場合にJP1/Advanced Shellで必要な設定については,「2.7.3 PCジョブ/UNIXジョブによるジョブの定義」を参照してください。

  8. [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスでジョブに属性などを定義する。

    JP1/AJSのマニュアルに従って,[定義]タブを指定した場合と[属性]タブを指定した場合の両方に適切な内容を指定します。

    また,運用環境に応じて,[実行エージェント]に適切な内容を指定してください。省略することもできます。

    [図データ]

    なお,次のどちらかが指定されている場合に,[定義]タブで[標準出力ファイル名]を指定すると,空のファイルが出力されます。

    • adshexecコマンドの-sオプション,または環境ファイルのOUTPUT_STDOUTパラメーターにSPOOLを指定(標準出力をスプール内のファイルに出力)

    • OUTPUT_MODE_ROOTパラメーターでEXTENDEDを指定(拡張出力モードを選択)

    標準出力の内容はJP1/Advanced Shellのジョブコントローラで別ファイルに出力していて,JP1/AJSに返す標準出力には何も出力していないためです。

  9. [定義]タブを選択して[詳細]ボタンをクリックする。

    カスタムジョブの種類に対応した,[実行定義]ダイアログボックスが表示されます。WindowsとUNIXの場合の表示を次に示します。

    • Windowsの場合

      [図データ]

    • UNIXの場合

      [図データ]

    手順9.と手順10.については,「(2) カスタムジョブによるジョブネットの定義手順に関する補足」に示す補足も参照してください。

  10. [実行定義]ダイアログボックスにJP1/Advanced Shellの実行に必要な情報を設定して[OK]ボタンをクリックする。

    • ジョブ定義スクリプトファイル名 〜<パス名>Windowsの場合:((1〜247バイト)),UNIXの場合:((1〜1,023バイト))

      ジョブ定義スクリプトファイル名を指定します。省略できません。

    • 実行時パラメーター 〜<ASCII文字列>((0〜1,022バイト))

      ジョブ定義スクリプトファイルの実行時に渡すパラメーターを定義します。複数のパラメーターを定義する場合は,スペースで区切って指定します。

    • ジョブ環境ファイル名 〜<パス名>Windowsの場合:((0〜247バイト)),UNIXの場合:((0〜1,023バイト))

      ジョブ環境ファイル名を指定します。

      ジョブ環境ファイル名に指定がある場合はJP1/Advanced Shellのジョブコントローラの環境で環境変数ADSH_ENVが定義されていても,ジョブ環境ファイル名に指定した値を優先して使用して実行します。

      ジョブ環境ファイル名に指定がなく,JP1/Advanced Shellのジョブコントローラの環境で環境変数ADSH_ENVが定義されている場合は,環境変数ADSH_ENVの値を使用して実行します。

      ジョブ環境ファイル名に指定がなく,環境変数ADSH_ENVの指定もない場合,ジョブ環境ファイルの指定はないものとして実行します。ジョブ環境ファイルの指定は省略できます。

      JP1/AJSが起動したJP1/Advanced Shellのジョブコントローラは,使用したジョブ環境ファイルのパスを環境変数ADSH_ENVに設定してから,ジョブの実行を開始します。子孫プロセスとして別のジョブコントローラを起動する場合,それらのジョブコントローラは環境変数ADSH_ENVの値を使用します。したがって,ジョブ実行中に環境変数ADSH_ENVの値を再設定していない場合,JP1/AJSが起動したJP1/Advanced Shellのジョブコントローラと同一のジョブ環境ファイルを使用します。ジョブ実行中に環境変数ADSH_ENVの値を再設定している場合,再設定した値のジョブ環境ファイルを使用します。

    • 論理ホスト

      論理ホストで実行するかどうかを指定します。チェックボックスをチェックして実行した場合,JP1/AJSで設定された論理ホスト(環境変数JP1_HOSTNAMEの値)で実行します。

    • 事前チェック

      ジョブの内容を事前にチェックするかどうかを指定します。事前チェックのチェックボックスにチェックして実行した場合,ジョブ定義スクリプトファイルを実行しないでジョブ定義スクリプトファイルの内容をチェックします。

  11. [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスに戻ってから[OK]ボタンをクリックする。

    ジョブネットにジョブが定義されます。必要に応じて,同様の手順で,ジョブを定義してください。

  12. ジョブ同士を実行順序に従って関連づける。

    ジョブネットが定義されます。JP1/AJS - Viewでのジョブの定義例を次に示します。

    [図データ]

  13. JP1/AJSの操作によってジョブネットを実行する。

    JP1/Advanced Shellのジョブコントローラの終了コードをジョブの終了コードとしてJP1/AJSに返します。

〈この項の構成〉

(1) ジョブネットの定義内容に関する注意事項

(2) カスタムジョブによるジョブネットの定義手順に関する補足

2.7.2 ジョブネットを定義して実行する」の手順9と手順10の実行定義の設定について,JP1/AJSのajsdefineコマンドのユニット定義,およびJP1/AJS - Definition Assistantのジョブの定義で定義することもできます。

ユニット定義の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2」を参照してください。

JP1/AJS - Definition Assistantについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 - Definition Assistant」を参照してください。

カスタムジョブを使用する場合の,ユニット定義およびJP1/AJS - Definition Assistantで記述する環境変数とパラメーターの詳細を次に記載します。

ユニット定義の例を次に示します。

unit=ユニット名,,実行ユーザー,;
{
        ty=cpj;
        cty="ADSHUX";
        sc="/opt/jp1as/bin/adshexec";
        env="AJS_BJEX_STOP=TERM";                               →1.
        env="ADSH_AJS_SCRF=/tmp/JP1AS/scr/samplescrfile.ash";   →2.
        prm="param1 param2";                                    →3.
        env="ADSH_AJS_ENVF=/tmp/JP1AS/env/sampleenvfile";       →4.
        env="ADSH_AJS_LHOST=-h";                                →5.
        env="ADSH_AJS_GCHE=-c";                                 →6.
        tho=0;
}

例の右側に付記した番号に対応する説明を次に示します。

  1. AJS_BJEX_STOP:AJS_BJEX_STOP環境変数はシステムで使用するため,設定値にTERMを指定して必ず定義してください。

  2. ADSH_AJS_SCRF:ジョブ定義スクリプトファイル名を指定します。

    ADSH_AJS_SCRF環境変数は必ず定義してください。

  3. ユニット定義ファイルのprmパラメーターを指定します。

  4. ADSH_AJS_ENVF:ジョブ環境ファイル名を指定します。

  5. ADSH_AJS_LHOST:論理ホストで実行する場合は-hを指定し,実施しない場合は何も指定しません。

  6. ADSH_AJS_GCHE:事前チェックを実施する場合は-cを指定し,実施しない場合は何も指定しません。

ユニット定義ファイルを作成したあと,JP1/AJSのajsdefineコマンドおよびJP1/AJS3 - Definition Assistantでジョブを定義できます。