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JP1 Version 10 JP1/Advanced Shell


2.5 環境変数を設定する

JP1/Advanced Shellで使用できる環境変数を次の表に示します。

注意事項

JP1/Advanced Shellでは,名称がADSHから始まるシェル変数・環境変数を設定・参照しています。このため,このマニュアルに記載されている使用目的以外では,名称がADSHから始まるシェル変数・環境変数は使用しないでください。

表2‒13 JP1/Advanced Shellで使用できる環境変数

環境変数名

設定する内容

値が自動的に設定される場合の設定時期

値の設定可否

ADSH_AJS_ENVF

カスタムジョブ用ジョブ環境ファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_GCHE

カスタムジョブ用事前チェックオプション。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_LHOST

カスタムジョブ用論理ホスト名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_AJS_SCRF

カスタムジョブ用ジョブ定義スクリプトファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

※1

ADSH_ENV

ジョブ環境ファイルのファイル名。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

ADSH_CMD_ARGORDER※2

コマンドラインに指定するコマンド引数の指定順序規則。設定できる値はseqだけである。

cut,date,diff,expand,ls,statコマンドで有効となる。また,getoptコマンドのユーザー定義のオプションの解析でも有効となる。

(自動的には設定されない)

ADSH_CMDEXPR_LENGTH

文字列長。exprコマンドのlength演算子を使用する場合に設定する。

文字列のバイト数を取得するときはb,文字列の文字数を取得するときにはcを設定する。

この環境変数の設定がないか,上記以外の値を設定した場合は,lengthは演算子として扱われない。

(自動的には設定されない)

ADSH_JOB_NAME

ジョブ名。

ジョブ開始時

不可

ADSH_JOBID

ジョブ識別子(先頭に0を付加した6桁固定の10進数)。

ジョブ開始時

不可

ADSH_JOBRC_FATAL

構文エラーなど,ジョブを続行できない致命的なエラーが発生した場合のジョブの終了コード。

設定方法については「2.6.15(2) 環境変数ADSH_JOBRC_FATAL(ジョブ続行不可エラー発生時の終了コードを設定する)」を参照してください。

(自動的には設定されない)

ADSH_STEP_NAME

ジョブステップ名。

ジョブステップ外のコマンド実行時や,ジョブステップ名省略時は,環境変数を定義しない。

ジョブステップ開始時

不可

AJS_BJEX_STOP

JP1/AJSからの強制終了で使用するインターフェース。PCジョブやUNIXジョブでJP1/Advanced Shellのバッチジョブを定義する場合は,この環境変数を定義する必要がある。OSの設定で定義するのではなく,PCジョブやUNIXジョブの定義で定義すること。

カスタムジョブで起動した場合のジョブ開始時

可(TERMだけ設定可能)

BLOCKSIZE

1ブロック当たりのバイト数。lsコマンドとstatコマンドで使用する。

デフォルトは512。

(自動的には設定されない)

COLUMNS

コマンド実行結果出力時の1行あたりの出力幅。lsコマンドの-Cオプションとsedコマンドのlコマンド(編集コマンド)で使用する。

ジョブ定義スクリプト内には定義できない。

(自動的には設定されない)

可(ジョブ定義スクリプト中では不可)

GETOPT_COMPATIBLE

パラメーターの解析方法の指定。getoptコマンドで使用する。

設定する値に決まりはない。設定されている場合,解析される引数はすべて,getoptコマンドが形式1で指定されていると解釈して処理される。

(自動的には設定されない)

POSIXLY_CORRECT※2

コマンドラインに指定するコマンド引数の指定順序規則。

設定する値に決まりはない。値が設定されている場合,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERにseqが設定されているのと同じ意味になる。

ジョブ定義スクリプト内には定義できない。

(自動的には設定されない)

可(ジョブ定義スクリプト中では不可)

TMPDIR

【UNIX限定】

一時ファイル出力先ディレクトリ。diffコマンドとsortコマンドで使用する。

(自動的には設定されない)

注※1

これらの環境変数は,JP1/AJSのajsdefineコマンドのユニット定義,またはJP1/AJS - Definition Assistantのジョブ定義だけで使用できます。JP1/Advanced Shellのジョブ定義スクリプトや,ユーザープロファイルやシステムプロファイルなどのユーザー環境でこれらの環境変数は設定しないでください。

注※2

環境変数POSIXLY_CORRECTは,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERで有効なコマンドのほかにLinuxのOS標準のコマンドにも適用されますが,コマンドによってはコマンド引数の指定順序規則以外の機能にも作用する場合があります。そのため,UNIX互換コマンドだけにコマンド引数の指定順序規則を設定したい場合は,環境変数ADSH_CMD_ARGORDERを使用してください。

この表の環境変数に加えて,OSが標準的に設定する環境変数や,環境ファイルにexportパラメーターで設定した環境変数も,ジョブ定義スクリプトから参照できます。exportパラメーターについては,「exportパラメーター」を参照してください。