2.1.2 サービスの起動に関するトラブルへの対処
(1) JP1/AJS3のサービスが起動しない
次の要因が考えられます。
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統合トレースログに,メッセージ「KAVU5285-E データベーステーブルがないかシステム資源が不足しています(要因個所)」が出力される場合
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合に,QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースが正しく作成されていないおそれがあります。jpqimportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースを作成または再作成してください。データベースの作成または再作成の流れについては,「2.12.2 QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースの再作成手順」を参照してください。
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統合トレースログに,メッセージ「KAVU5284-E システム資源が不足しています(要因個所)」が出力される場合
JP1/AJS3の運用に必要なシステム資源(セマフォなど)が不足しているおそれがあります。
システム資源の見積もりを確認してください。そのあと,JP1/AJS3を再起動してください。
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メモリー不足の状況でJP1/AJS3サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」がログに出力される場合があります。その場合は,メモリーの見積もりを見直してください。また,ほかの不要なアプリケーションが起動されている場合はアプリケーションを停止したあと,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
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JP1/AJS3サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」が統合トレースログに出力される場合があります。その場合は,JP1/AJS3サービスの初期化に失敗しているおそれがあります。統合トレースログで直前に出力されているメッセージを参照し,要因を取り除いたあとで,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
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JP1/AJS3サービスを起動すると,次に示すメッセージが統合トレースログに出力される場合があります。
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KAVU1103-I 同じ論理ホスト(論理ホスト名)上でプロセス監視モニターが起動中です
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KAVU4111-E 同じ論理ホスト(論理ホスト名)上でキューイング制御もしくはjpqimportコマンドが起動中です
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KAVS0500-E スケジューラーサービスは既に開始しています
この場合,JP1/AJS3サービスが異常終了して,JP1/AJS3のプロセスが停止されないで残っているおそれがあります。次に示す方法で,JP1/AJS3のプロセスを強制終了したあと,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
- Windowsの場合
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物理ホストおよび論理ホストのJP1/AJS3サービスを停止し,タスクマネージャーでJP1/AJS3のプロセスが残っていないか確認してください。JP1/AJS3のプロセスが残っている場合は,タスクマネージャーから強制終了するか,システムを再起動してください。
- UNIXの場合
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物理ホストのJP1/AJS3サービスが起動できない場合は,物理ホストおよび論理ホストのJP1/AJS3サービスを停止し,psコマンドを実行してJP1/AJS3のプロセスが残っていないか確認してください。JP1/AJS3のプロセスが残っている場合は,killコマンドを実行して強制終了してください。
論理ホストのJP1/AJS3サービスが起動できない場合は,起動できない論理ホストに対してjajs_killall.clusterコマンドを実行して,残っているプロセスを強制終了してください。
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統合トレースログに,メッセージ「KAVS8033-E 接続元制限機能の処理中にエラーが発生しました(要因コード: 要因コード, ホスト名: ホスト名) : 保守情報」が出力される場合
接続許可設定ファイルの読み込みに失敗したおそれがあります。次のことを確認してください。
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環境設定ファイル格納フォルダに接続許可設定ファイルがあるか
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接続許可設定ファイルの参照権限があるか
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マネージャー用接続許可設定ファイルに自ホストのIPアドレスを記載しないでJP1/AJS3サービスを起動すると,統合トレースログにメッセージ「KAVU4335-E ホスト(接続元IPアドレス)からの要求を無視しました(要因, ホスト名)」が出力され,JP1/AJS3サービスが停止します。メッセージKAVU4335-Eが出力された場合は,ループバックアドレスや論理ホストのIPアドレスなど,接続元IPアドレスとして使用される可能性のあるすべてのIPアドレスをマネージャー用接続許可設定ファイルに記載してからJP1/AJS3サービスを起動してください。
(2) JP1/AJS3のサービスの起動に時間が掛かる
JP1/AJS3は,起動時に,認証サーバに対して初期化処理を要求します。その際,認証サーバが起動していなくてもJP1/AJS3は起動しますが,起動に時間が掛かります。
このような現象を回避する場合,認証サーバが起動したあとに,JP1/AJS3を起動してください。