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JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


2.4.3 システムで使用する言語種別について検討する

JP1/AJS3では,出力されるメッセージを日本語または英語で表示できます。運用に合わせて,どちらの言語で表示するか検討してください。

国内版/海外版のJP1/AJS製品を混在環境で使用する場合,組み合わせの可否を次の表に示します。

表2‒24 JP1/AJS製品を混在環境で使用する場合の組み合わせの可否

JP1/AJS - View

JP1/AJS - Agent

国内版

海外版

国内版

海外版

日本語

英語

英語

日本語

英語

英語

JP1/AJS - Manager

国内版

日本語

×

×

△2

英語

△1

×

△1

×

△1,△2

△1

海外版

英語

×

×

△2

(凡例)

○:サポートしている

△1:JP1/AJS - ManagerがUNIXの場合だけサポートしている

JP1/AJS - ManagerのJP1/AJSサービス起動時の環境変数LANGに「C」(英語)を設定してください。

△2:JP1/AJS - AgentがUNIXの場合だけサポートしている

JP1/AJS - AgentのJP1/AJSサービス起動時の環境変数LANGに「C」(英語)を設定してください。

×:サポートしていない

注※

JP1/AJSのユニット名,ファイル名,ファイル内で使用する文字,実行するジョブ内のメッセージ,実行するイベントジョブの監視条件,イベントジョブの引き継ぎ情報など,すべての文字・情報を英数字(ASCII)で統一してください。

〈この項の構成〉

(1) 使用できる環境変数LANG

UNIXの場合,システムの言語環境を設定するには,環境変数LANGに値を設定します。使用できる環境変数LANGの値を,次の表に示します。この表の中から使用する値を検討してください。この表に示した値を指定しなかった場合,「C」(英語)が仮定されます。また,Unicode(UTF-8)をサポートしていない製品で環境変数LANGにUnicode(UTF-8)が設定されている場合の動作は保証できません。

なお,Windowsの場合,システムの言語環境は変更できません。

表2‒25 使用できる環境変数LANG

OS

言語種別

文字コード種別

環境変数LANGの値

HP-UX

日本語

シフトJISコード

  • ja_JP.SJIS※1

  • japanese

EUCコード

  • ja_JP.eucJP

  • japanese.euc

UTF-8コード※2

  • ja_JP.utf8

英語

ASCIIコード

  • C

Solaris

日本語

シフトJISコード

  • ja_JP.PCK

EUCコード

  • ja※1,※3

  • ja_JP.eucJP※3

UTF-8コード※2

  • ja_JP.UTF-8

英語

ASCIIコード

  • C

AIX

日本語

シフトJISコード

  • Ja_JP※1

  • Ja_JP.IBM-932

EUCコード

  • ja_JP

  • ja_JP.IBM-eucJP

UTF-8コード※2

  • JA_JP

  • JA_JP.UTF-8

英語

ASCIIコード

  • C

Linux

日本語

シフトJISコード

使用できません。

EUCコード

使用できません。

UTF-8コード

  • ja_JP.UTF-8※1

  • ja_JP.utf8

英語

ASCIIコード

  • C

注※1

この項目は,JP1/AJS3の新規のインストール時および新規のセットアップ時にjp1ajs_env.confに設定される値です。文字コード種別の設定個所については,「(3) 文字コード種別の変更」を参照してください。

注※2

互換用ISAM構成の場合,UTF-8コードは使用できません。

注※3

Solaris 11の場合は,jaとja_JP.eucJPを使用できます。

Solaris 10の場合は,jaだけ使用できます。

(2) 使用できる文字の範囲

JP1/AJS3は,言語種別が日本語の場合,次の範囲の文字を使用できます。

次に示す文字コード種別では,使用できない文字があります。

JIS 2004で追加された第3水準漢字,第4水準漢字は使用できません。

サポート範囲外の文字をユニット名などの定義項目で使用した場合,次の現象が発生するおそれがあります。サポート範囲外の文字はスタンドアロン構成の場合も使用できません。

また,次のデータやファイルにサポート範囲外の文字が入らないようにしてください。サポート範囲外の文字列が含まれている場合,定義項目で使用した場合と同様の現象が発生するおそれがあります。

注※1

イベントジョブ定義時に「引き継ぎ情報」を設定しておき,イベントジョブで受信したイベント情報を後続ジョブまたは後続ジョブネットに引き継ぐ場合です。イベントジョブの受信情報の引き継ぎについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。

注※2

PCジョブやUNIXジョブで指定したジョブの実行結果に含まれている場合です。標準エラー出力や標準出力については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 15.4.6 [詳細定義−[UNIX Job]]ダイアログボックス」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 15.4.7 [詳細定義−[PC Job]]ダイアログボックス」を参照してください。

注※3

PCジョブやUNIXジョブで指定する場合です。標準入力ファイル,環境変数ファイル,または転送ファイルについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 15.4.6 [詳細定義−[UNIX Job]]ダイアログボックス」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 15.4.7 [詳細定義−[PC Job]]ダイアログボックス」を参照してください。

注※4

定義項目のプラットフォームがPCの場合です。メール連携については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2. メールシステムとの連携」を参照してください。

(3) 文字コード種別の変更

UNIXの場合,次の表で示す定義ファイル,環境変数,および環境設定パラメーターに,同一の文字コード種別を設定する必要があります。

表2‒26 文字コード種別を変更する場合の設定個所

設定個所(定義ファイル,環境変数,および環境設定パラメーター)

設定が影響する範囲

JP1/AJS3サービス起動時の環境変数LANG

JP1/AJS3サービスが出力するメッセージの文字コード種別。

JP1/AJS3環境定義ファイル

  • 物理ホストの場合

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_env.conf

  • 論理ホストの場合

    共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf/jp1ajs_env.confの環境変数LANG

  • JP1/AJS3サービス起動時の環境変数LANGの値。

  • スケジュール制御,イベント・アクション制御およびジョブ実行制御が,統合トレースログと内部ログへ出力する情報の文字コード種別。

  • ユーザープロファイルに環境変数LANGの指定がない場合,ジョブ実行時のデフォルトの環境変数LANGの値。

JP1/Baseパラメーター定義ファイル

  • 物理ホストの場合

    /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_param.conf

  • 論理ホストの場合

    共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_param.confの環境変数LANG

  • 標準ジョブ,イベントジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブの実行時に,JP1/AJS3のマネージャーホスト・エージェントホスト間で送受信されるデータの文字コード種別。

  • ジョブネットコネクタを使用してルートジョブネットの実行順序を制御するときに,ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの間で送受信されるデータの文字コード種別。

スケジューラーサービス環境設定の環境設定パラメーターAJSCHARCODE

スケジューラーデータベースに格納される情報の文字コード種別。

スケジューラーサービス環境設定の環境設定パラメーターSYSLOGCODE

  • スケジューラーサービスがSYSLOGに出力するメッセージの文字コード種別。

  • 「C」(英語)以外を指定した場合,サービス起動時の環境変数LANGの文字コード種別が適用。

JP1/AJS3 Console環境設定の環境設定パラメーターCHARCODE

ユーザー定義データに格納される情報の文字コード種別。

JP1/AJS3 Console環境設定(JP1/AJS3 Console Manager)の環境設定パラメーターSYSLOGCODE

  • JP1/AJS3 Console ManagerサービスがSYSLOGに出力するメッセージの文字コード種別。

  • 「C」(英語)以外を指定した場合,サービス起動時の環境変数LANGの文字コード種別が適用。

JP1/AJS3 Console Managerサービス起動時の環境変数LANG

JP1/AJS3 Console Managerサービスが出力するメッセージの文字コード種別。

JP1/AJS3 Console環境設定(JP1/AJS3 Console Agent)の環境設定パラメーターSYSLOGCODE

  • JP1/AJS3 Console AgentサービスがSYSLOGに出力するメッセージの文字コード種別。

  • 「C」(英語)以外を指定した場合,サービス起動時の環境変数LANGの文字コード種別が適用。

JP1/AJS3 Console Agentサービス起動時の環境変数LANG

JP1/AJS3 Console Agentサービスが出力するメッセージの文字コード種別。

キューレスエージェントサービス起動時の環境変数LANG

キューレスエージェントサービスが出力するメッセージの文字コード種別。

キューレスジョブ実行環境設定の環境設定パラメーターAJSQL_CHARCODE※1

  • スケジューラーサービスから受け付けたデータ。

  • 転送ファイルデータ。

  • 結果ファイルデータ。

  • スケジューラーサービスへの返信データ。

ユニットを操作するコマンド※2実行時の環境変数LANG※3

  • ユニットを操作するコマンドがスケジューラーデータベースに格納する値。

  • ユニットを操作するコマンドが出力するログおよびメッセージの文字コード種別。

注※1

マネージャーホストとエージェントホストで文字コードが混在している場合,文字コード変換のため,環境設定パラメーターAJSQL_CHARCODEの設定が必要です。

キューレスジョブの文字コード変換の詳細については,「7.2.2 キューレスジョブ実行環境の環境設定について検討する」を参照してください。

注※2

ユニットを操作するコマンドについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 1.5 コマンド一覧」を参照してください。

注※3

コマンドの実行対象ユニットが定義されているスケジューラーサービスの環境設定パラメーターAJSCHARCODEの設定と同じ文字コード種別を設定してください。

標準と異なる文字コード種別に変更する場合,設定が影響する範囲を次の図に示します。

図2‒36 文字コード種別の変更時の影響範囲

[図データ]

Windowsの場合はシステムの言語環境を変更できません。UNIXの場合,システムの言語環境を設定する手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 13.4.1 言語環境の設定」を参照してください。

なお,すでにJP1/AJS3で運用しているユニット名にかな文字や2バイト文字を使用している場合は,ユニット名を再定義する必要があります。

(4) 文字コード種別混在時の注意事項

ホスト間で連携して業務を運用する場合,英語環境では日本語を含むテキストを表示できません。言語種別を合わせてください。各製品で組み合わせられる言語種別については,表2-24を参照してください。

また,日本語の文字コード種別が混在する場合,次の制限があります。

(5) UTF-8コード使用時の注意事項