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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation 導入・設計ガイド


付録B 用語解説

JP1/AOで使用する用語について説明します。

(英字)

Adminロール

リソースグループに設定するロールの1つです。このロールを設定すると,リソースグループの管理,サービステンプレートの管理,サービステンプレートの開発,サービスの管理,およびサービスの実行ができます。

Developロール

リソースグループに設定するロールの1つです。このロールを設定すると,サービステンプレートの管理,サービステンプレートの開発,サービスの管理,およびサービスの実行ができます。

Hitachi Command Suite

ストレージ環境の構築から監視まで,機種に関係なく複数のストレージシステムを一括で管理する製品です。

Hitachi Tuning Manager

SANを含むネットワーク環境を一元的に管理するための情報を提供する製品です。

JP1/Automatic Operation

運用手順の自動化に必要な機能を提供し,ランブックオートメーションに対応する製品です。

JP1/Automatic Operation コンテンツセット

複数のサービステンプレートをパッケージングした製品です。仮想サーバの運用やクラウド対応の運用など,さまざまな種類・分野に対応したサービステンプレートを提供しています。

JP1/Base

JP1/AOの基盤機能を提供する製品です。JP1イベントの送受信,JP1ユーザーの管理などをします。JP1/Baseは,JP1/AOの前提ソフトウェアです。

JP1/Cm2/NNM,JP1/Cm2/NNMi

ネットワークの構成管理,性能管理,障害管理など,統合ネットワーク管理をするための製品です。JP1 Version 9以降は製品名称がJP1/Cm2/NNMからJP1/Cm2/NNMiに変更になりました。

JP1/Integrated Management

分散システムを集中的に監視するための製品です。分散システム内での業務の実行状況や障害などの情報を表すJP1イベントを,JP1/IM - Viewの画面を通じて監視できます。

JP1/Performance Management

システムのパフォーマンスに関する問題を監視および分析するための製品です。

JP1イベント

システムで発生した事象をJP1で管理するための情報です。JP1/Baseのイベントサービス機能が管理しています。システムで発生した事象をJP1イベントとして,JP1/Baseがデータベースに記録しています。

JP1資源グループ

JP1/AOの前提ソフトウェアであるJP1/Baseでは,ジョブ,ジョブネット,イベントなどの管理対象(資源)を幾つかのグループに分けて管理します。この管理対象(資源)を分けたグループのことをJP1資源グループと呼びます。

JP1ユーザー

JP1/Baseで管理されるユーザーです。JP1/Baseとの外部認証連携を設定すれば,JP1ユーザーでJP1/AOにログインできます。また,タスク処理エンジンのユーザーとしても使用されます。

LDAP検索用ユーザー

Active Directoryにログインして,LDAPディレクトリサーバからユーザー情報を検索するユーザーです。検索対象のユーザー情報にアクセスするための権限を持つActive Directoryのユーザーを指定します。

Modifyロール

リソースグループに設定するロールの1つです。このロールを設定すると,サービスの管理,およびサービスの実行ができます。

Submitロール

リソースグループに設定するロールの1つです。このロールを設定すると,サービスの実行ができます。

User Management権限

すべてのユーザーアカウントを操作するための権限です。User Management権限を持つユーザーは,ユーザーの管理およびユーザーグループの管理の機能を利用できます。

(ア行)

アーカイブ

JP1/AOでは,タスク一覧のうち処理が終了したタスクを履歴に移動することをアーカイブと呼びます。アーカイブしたタスクの詳細情報は削除されます。

エージェントレス接続先

サービスの操作対象としてJP1/AOで管理する接続先ホストのことです。リソースグループと関連づけて管理することでユーザーから接続先へのアクセスを制限できます。

(カ行)

階層化ステップ

階層フロー部品を使用したステップです。 階層化ステップを使用すると,フローを階層化できます。

開発サービステンプレート

ユーザーが作成中のサービステンプレートです。または,リリースサービステンプレートを複製して作成したサービステンプレートです。開発環境で使用します。

開発部品

ユーザーが作成中の部品です。または,既存の部品を複製して作成した部品です。開発環境で使用します。

外部認証連携

JP1/Baseの認証機能またはActive Directoryと連携してユーザーを管理する機能のことです。JP1/Baseの認証機能と連携することで,ほかのJP1製品で管理しているJP1ユーザーをJP1/AOで利用できます。Active Directoryと連携することで,Active Directoryのユーザー情報でJP1/AOにログインしたり,Active DirectoryでJP1/AOのパスワードを管理したりできます。

カテゴリ

サービスの分類情報(用途,種類など)です。サービスは,この情報に基づいて分類・階層化されて管理されます。

関連線

ステップとステップを繋ぐ線です。業務に必要なステップを配置し,関連線で繋ぐことで,処理の実行順序を定義できます。

共通コンポーネント

Hitachi Command Suite製品と共通して使用する機能を集めたコンポーネントです。共通コンポーネントはJP1/AOの一部としてインストールされ,ユーザーの管理やログ出力,各種コマンドなどの機能を提供します。

クラスタシステム

複数のサーバを連携させて1つのシステムとして運用するシステムで,障害が発生しても業務を継続できるようにするシステムです。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。このように処理を引き継ぐことをフェールオーバーと呼びます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるため,一般的には「系切り替えシステム」とも呼びます。

繰り返しステップ

繰り返し実行部品を使用したステップです。 繰り返しステップを使用すると,指定したフローを繰り返し実行できます。

(サ行)

サービス

JP1/AOでは,インポートしたサービステンプレートに環境に応じたプロパティ値を入力したものをサービスと呼びます。サービスを実行することで,運用手順を自動処理できます。

サービス共有プロパティ

JP1/AOで実行するサービス間でプロパティ値を共有するプロパティです。例えば,接続先サーバのホスト名,ユーザーID,およびパスワードをサービス共有プロパティとして定義しておくと,サービス実行の際,これらの定義済みサーバ情報の入力を省けるようになります。JP1/AOがあらかじめ提供しているサービス共有プロパティは,ビルトインサービス共有プロパティと呼びます。

サービステンプレート

ITシステムのさまざまな運用手順を,JP1/AOの画面からプロパティ値とスケジュールを指定するだけで簡単に実行できるようにしたテンプレートです。

ジョブ

コマンド,シェルスクリプト,Windows実行ファイルなどの集まりです。

ステップ

フローを構成する要素です。1つの部品を実行します。

(タ行)

ダイレクトアクセスURL

ログイン後に目的のダイアログボックスを直接表示できるURLのことです。表示できるダイアログボックスには,[サービス設定]ダイアログボックス,[サービス実行]ダイアログボックス,および[タスク詳細]ダイアログボックスの3種類があります。

タスク

サービスの実行によって生成される処理の単位のことです。タスクを確認することで,自動処理の進捗や結果を把握できます。

タスク処理エンジン

JP1/AOの内部コンポーネントです。サービステンプレートに含まれるフローを実行します。

タスクモニタ

選択した特定のタスクまたはデバッグタスクの進捗状況を,フロー形式で表示する機能のことです。

通常ステップ

通常の部品(階層フロー部品および繰り返し実行部品以外の部品)を使用したステップです。通常ステップを使用すると,部品に定義されている処理を実行できます。

デバッガ

開発サービステンプレートのデバッグを支援する目的で,JP1/AOが提供する機能のことです。

デバッグ

開発サービステンプレートの動作を検証するため,デバッグタスクの実行結果からフローや部品の問題点を摘出する一連の作業です。

デバッグサービス

開発サービステンプレートをデバッグする際に,生成・実行されるサービスのことです。通常のサービスとは異なり,[サービス追加]ダイアログボックスから追加したり,[サービス実行]ダイアログボックスから実行する必要はありません。

デバッグタスク

開発サービステンプレートをデバッグする際に,生成されるタスクのことです。デバッグサービスが実行されたタイミングで生成されます。デバッグでは,デバッグタスクの実行結果から,フローや部品の問題点を摘出します。

(ハ行)

ビルド

開発サービステンプレートを,デバッグしたり,開発環境でサービスとして追加したりできる状態にすることです。ビルドした開発サービステンプレートは,JP1/AOサーバにインポートされます。

ビルトインユーザーグループ

JP1/AOであらかじめ用意しているユーザーグループです。ビルトインユーザーグループにはAdminGroup,DevelopGroup,ModifyGroup,SubmitGroupの4種類があります。

部品

IT運用を自動化するための処理の最小単位です。部品には,JP1/AO同梱版部品とJP1/AOコンテンツセット版部品があります。JP1/AO同梱版部品のうち,メールの通知やフローの繰り返し処理など,汎用的な処理の部品を基本部品と呼びます。

部品アイコンファイル

部品のアイコンとして設定できる画像ファイルです。部品のアイコンは部品一覧や[フロー]ビューに表示されます。

プリセットプロパティ

サービステンプレートに設定する,ユーザーの環境や運用に応じたプロパティ値をまとめて定義したものです。プリセットプロパティを設定すると,サービスの追加・編集時に,ユーザーの環境や運用に応じた値をプロパティに設定できます。プリセットプロパティはインポートしたサービステンプレートに設定できます。

フロー

サービステンプレート中で,自動化する運用手順の流れを定義したものです。

プロファイル

ユーザーIDやアドレスなど,ユーザーを管理するためのデータの集合です。

(ヤ行)

ユーザーグループ

使用するリソースグループ,およびそれに対する操作権限が同じユーザーをグループ化したものです。

(ラ行)

リソースグループ

サービスおよびエージェントレス接続先をグループ化したものです。

リソースグループ(クラスタ)

クラスタ化するサービスの集まりで,サービスフェールオーバーの単位を指します。

リリース

検証済みの開発サービステンプレートを,本番環境でサービスとして追加できる状態にすることです。リリースすると,開発サービステンプレートはリリースサービステンプレートとなり,編集できなくなります。リリースすると,リリースサービステンプレートがJP1/AOサーバにインポートされます。

リリースサービステンプレート

開発サービステンプレートをリリースすると,リリースサービステンプレートになります。JP1/AOが提供するサービステンプレートもリリースサービステンプレートです。本番環境で実際に使用します。

リリース部品

開発サービステンプレートをリリースすることでJP1/AOにインポートされた部品,およびJP1/AOが提供するサービステンプレートに含まれている部品です。本番環境で実際に使用します。

履歴

処理の終了したタスクをアーカイブしたものです。

ロール

任意のリソースグループに対する操作(サービスの管理,実行など)を制限するための役割です。リソースグループごとに設定します。ロールにはAdminロール,Developロール,Modifyロール,Submitロールの4種類があります。