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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation 導入・設計ガイド


2.1 運用手順を自動化するための機能

JP1/AOを使用して,運用手順を自動化できます。運用手順の自動化の流れと,自動化に必要な主な機能を紹介します。

図2‒1 運用手順の自動化の流れ

[図データ]

運用手順を定義した多彩なテンプレートを提供 − サービステンプレートの管理

JP1/AOでは,運用手順を定義した,さまざまなテンプレート(サービステンプレート)を提供しています。

ユーザーは,業務に合わせてサービステンプレートを選択し,JP1/AOにインポートします。インポートすると,自動化された運用手順をサービスとして実行できるようになります。

ユーザーは,JP1/AO提供のサービステンプレートをそのまま使用するだけではなく,新しくサービステンプレートを作成して,独自の運用手順を定義することもできます。

注※

JP1/AOが提供するサービステンプレート(JP1/AO同梱およびJP1/AO コンテンツセット)以外のユーザーが作成したサービステンプレートは,製品サポートの対象外となります。ただし,製品サポート対象外のサービステンプレートであっても,そこから呼び出されるJP1/AOが提供する部品(JP1/AO同梱およびJP1/AOコンテンツセット)については製品サポートの対象となります。

運用手順や業務に沿ったサービスを作成 − サービスの追加

インポートしたサービステンプレートに環境に応じた情報を入力し,サービスとしてJP1/AOに追加します。1つのサービステンプレートから,運用手順や業務に沿った複数のサービスを追加できます。

業務に合わせたスケジューリング − サービスの実行

サービスの実行に必要な情報や実行契機を入力して,サービスを実行します。サービスを実行すると,タスクが生成され,ユーザーが指定した日時に自動処理が開始されます。実行契機には,即時実行のほかに,曜日指定,月末指定などの繰り返し実行,また,特定の日時にサービスを実行するための日時指定実行などが指定できるため,ユーザーの実務に合わせた細かなスケジュールが立てられます。

処理状況が把握できるタスク一覧とジョブごとの進捗が把握できる詳細画面 − タスクの管理

処理状況が一目で把握できるタスク一覧や,ジョブごとの進捗を把握したり,タスクログを出力したりできる詳細画面を提供しています。状況に応じて後続の処理をユーザーが選択できる部品(ユーザー応答待ち部品)を使用すれば,処理の途中でユーザーによる判断が必要となったタスクに必要な情報を入力することもできます。

設定値の共有で入力・変更の手間を削減 − サービス共有プロパティの管理

JP1/AOでは,サービスに設定する値を複数のサービスで共有できます。共有する設定値をサービス共有プロパティと呼びます。

例えば,共通のサーバの管理を目的としたサービステンプレートを使用する場合に,その接続先サーバのホスト名,ユーザーID,およびパスワードをサービス共有プロパティとして定義しておくことで,サービス実行ごとにサーバ情報を入力する手間を軽減できます。

図2‒2 サービス共有プロパティとサービスの関係

[図データ]

業務ごと,部署ごとなど,用途に合わせて操作対象を分類 − カテゴリの設定

サービスおよびタスクを,用途や種類を示すカテゴリで分類し,階層表示できます。

同じサービスを複数のカテゴリに登録できるので,業務単位での確認や担当者単位での確認など,状況に応じたサービスの一覧を表示できます。