5.13.3 案件保存DBの容量設計
案件保存DBを運用する前に,案件保存DBに必要なディスク容量を見積もる必要があります。ディスク容量を見積もる際に,案件保存DBの拡張や保存エリアの切り替え時期も設計します。
案件保存DBの容量を設計する手順を,次に示します。
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案件の目標寿命を設定する。
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案件管理DBに保存する案件の保管年数を見積もる。
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案件保存DBの容量を見積もる。
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案件保存DBの拡張および保存エリアを計画する。
案件保存DBの容量を設計する手順について,以降で説明します。なお,ここで示している容量設計手順はおおよその見積もり手順です。個々の運用ケースでは,計算結果の容量と実際の容量で,差異が出ることがあります。実際の案件保存DBの容量の推移については,定期的にjssdbstatchk.bat(データベース状態確認)コマンドを実行して確認してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 案件の目標寿命を設定する
案件のライフサイクルとして,案件の保管年数(目標寿命)を設定します。過去何年分の案件を保管する必要があるか検討してください。なお,案件保存DBでは保存案件を保存エリア単位で削除するため,案件管理DBと保存エリア1つ分で目標寿命分の案件を保管できるように見積もる必要があります。
(2) 案件管理DBに保存する案件の保存年数を見積もる
すでにJP1/IM - Service Supportを運用している場合と,新規でJP1/IM - Service Supportを運用する場合で,見積もり方法が異なります。
- すでにJP1/IM - Service Supportを運用している場合
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運用中の案件管理DBの状態を確認することで,案件管理DBで案件を保管できる年数を見積もれます。案件領域と添付ファイル領域のそれぞれについて,見積もってください。
見積もり例を次に示します。
- 案件管理DBの状態
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運用開始からの期間:1年
案件領域の使用率:33%
添付ファイル領域の使用率:10%
- 見積もり結果
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案件領域:約3年分の案件を案件管理DBに保管できることになります。
添付ファイル領域:約10年分の添付ファイルを案件管理DBに保管できることになります。
- 新規でJP1/IM - Service Supportを運用する場合
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運用開始前のテストで一定期間分の案件を登録したあと,案件管理DBの状態を確認します。この案件管理DBの状態を確認することで,案件管理DBで保管できる年数を見積もれます。案件領域と添付ファイル領域のそれぞれについて,見積もってください。
見積もり例を次に示します。
- 案件管理DBの状態
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登録した案件の想定期間:1か月分
案件領域の使用率:2%
添付ファイルの使用率:5%
- 見積もり結果
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約20か月分の案件を案件管理DBに保管できることになります。
案件管理DBの状態は,jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)コマンドで確認できます。jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)コマンドについては,「11. コマンド」の「jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)」を参照してください。
(3) 案件保存DBの容量を見積もる
前述で検討した案件の目標寿命と案件管理DBの見積もり結果を基に,案件保存DBの容量を見積もります。案件保存DBの見積もり手順を次に示します。
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案件保存DBの容量が案件管理DBの容量の何倍必要かを見積もる。
案件の目標寿命と案件管理DBに保存できる案件の保存年数から算出します。見積もり例を次に示します。
- 条件
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案件の目標寿命:8年
案件管理DBに案件を保管できる年数:3年※
案件管理DBに添付ファイルを保管できる年数10年※
注※ 「(2) 案件管理DBに保存する案件の保存年数を見積もる」の見積もり例を参照してください。
- 見積もり結果
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案件:案件保存DBに5年分保存する必要がある。(案件管理DBの1.7倍の容量が必要)
添付ファイル:案件管理DBだけで目標とする保存年数分を保存できます。
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案件保存DBの拡張回数を見積もる。
手順1の結果から,案件保存DBの拡張回数を見積もります。案件管理DBの容量,および案件保存DBの1回で拡張できる容量を次に示します。
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案件管理DBの案件領域の容量:約64GB
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案件管理DBの添付ファイル領域の容量:約28GB
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1回で拡張できる案件領域の容量:約48GB
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1回で拡張できる添付ファイル領域の容量:約60GB
なお,案件保存DBを1回拡張するためには,64GB必要です。
見積もり例を次に示します。
- 案件領域
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手順1の結果によって,案件管理DBの1.7倍の容量が必要となります。
案件管理DBの案件領域は64GBなので,約110GB必要となります。
1回で48GB拡張できるため,3回拡張する必要があります。
- 添付ファイル領域
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手順1の結果によって,拡張不要。
なお,案件管理DBおよび案件保存DBの容量の詳細については,jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)コマンドで確認できます。jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)コマンドについては,「11. コマンド」の「jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)」を参照してください。
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案件保存DBの容量を見積もる。
次に示す計算式を利用して,案件保存DBの容量を見積もります。
案件保存DBの容量 = (64GB * 案件領域の拡張回数※ + 64GB * 添付ファイル領域の拡張回数※) * 保存エリア数
注※ 拡張回数には,案件保存DBのセットアップも1回として含まれます。
見積もり例を次に示します。
- 手順2までの見積もり結果
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案件領域の拡張回数:3回(セットアップ + 2回拡張)
添付ファイル領域の拡張回数:1回(添付ファイル領域として拡張は不要だが,案件保存DBをセットアップすると1回拡張されてしまうため。)
- 見積もり結果
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案件保存DBの見積もり結果 = (64GB * 3回 + 64GB * 1回) * 2保存エリア = 512GB
(4) 案件保存DBの拡張および保存エリアを計画する。
案件保存DBに案件を保存したい年数と,保存するために必要な案件保存DBの拡張回数から,案件保存DBの拡張と保存エリアの切り替え時期を計画します。切り替え時期の見積もり例を次に示します。
- 拡張時期
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案件領域:案件管理DB(約64GB)で3年分保存できる。案件保存DBで1回拡張すると,約2年3ヶ月分保存できます。このため,2年ごとに拡張します。
添付ファイル領域:拡張は不要です。
- 切り替え時期
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予定回数(3回)拡張したあとは,5年おきに保存エリアを切り替えます(保存エリアに一つに保存したい年数の案件が保存されたあとに,さらに案件を保存するタイミング)。