JP1/Integrated Management - Message Optimizer

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9.11.2 追加メッセージ識別子を定義する

一つのメッセージ識別子だけではメッセージを特定できない場合に,メッセージ識別子を追加してメッセージを特定できます。ここでは,WindowsイベントIDが同じで,重大度が異なるメッセージを識別する場合の手順を例に説明します。なお,追加メッセージ識別子を定義する場合には,事前にセットアップが必要です。追加メッセージ識別子を定義する場合のセットアップ手順については,「4.4.3 追加メッセージ識別子を使用する場合のセットアップ手順」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 例題の条件
(2) 手順

(1) 例題の条件

システムAが次に示す二つのメッセージを出力していると仮定します。

メッセージ1
  • WindowsイベントID:123
  • 重大度:Error
  • メッセージテキスト:定義の登録に失敗しました。処理を中断します。
メッセージ2
  • WindowsイベントID:123
  • 重大度:Warning
  • メッセージテキスト:定義の登録に失敗しました。処理を続行します。

これらのメッセージのメッセージ識別子として,WindowsイベントIDを指定すると,どちらのメッセージのWindowsイベントIDも「123」で同じなので,重大度が異なっていても同じメッセージとして定義されます。これらの変換メッセージを分けて定義したい場合には,メッセージ識別子を追加する必要があります。ここでは,追加のメッセージ識別子として「重大度」を追加してメッセージを区別できるようにします。

(2) 手順

  1. jmoexportコマンドで定義ファイルをエクスポートする。
    メッセージ識別子を変更すると,変更したイベントソースの基本メッセージ,変換メッセージおよびサンプルメッセージがすべて削除されます。メッセージを引き継ぎたい場合は,必ずメッセージをjmoexportコマンドでエクスポートしてください。jmoexportコマンドの詳細については,「13. コマンド」を参照してください。
  2. JP1/IM - MO Assistantで追加メッセージ識別子を指定するイベントソースを選択する。
  3. [基本フォーマット定義]ボタンをクリックする。
    [基本フォーマット定義]ダイアログが表示されます。
  4. [追加識別子定義]ボタンをクリックする。
    [追加メッセージ識別子定義]ダイアログが表示されます
  5. [追加メッセージ識別子定義]ダイアログから追加メッセージ識別子を指定する。
    追加したいメッセージ識別子を選択します。
    ここでは,「JP1イベント種別」に「拡張属性(共通情報)」,「JP1イベント属性名」に,「重大度」を指定します。ほかにメッセージ識別子として選択できる項目については,「12.7 [追加メッセージ識別子定義]ダイアログ」を参照してください。
  6. [OK]ボタンをクリックする。
    [追加メッセージ識別子定義]ダイアログが閉じます。[メッセージ識別子選択]ダイアログおよび[基本フォーマット定義]ダイアログも同様に閉じてください。
  7. 手順1でエクスポートした変換定義ファイルを編集する。
    変換定義ファイルのイベントソースが「システムA」の行を探し,システムAに属しているすべてのメッセージに手順5で指定したメッセージ識別子を追記します。ここでは,メッセージ1の重大度である「Error」を追加する例を示します。

    [図データ]

  8. jmoimportコマンドで手順7で編集したファイルをインポートする。
    インポート直後から重大度が追加されたメッセージが学習されます。jmoimportコマンドの詳細については,「13. コマンド」を参照してください。
  9. JP1/IM - MO Assistantで,追加メッセージ識別子の指定が必要な基本メッセージを学習する。
  10. 手順9で学習したメッセージをダブルクリックする。
    [変換メッセージ定義]ダイアログが表示されます。メッセージ1およびメッセージ2に対して,必要に応じた変換メッセージを定義してください。
注意事項
  • メッセージ識別子を追加すると,[基本フォーマット定義]ダイアログを閉じるタイミングで,メッセージ識別子を追加したイベントソースに属するすべてのメッセージが削除されます。
  • メッセージ識別子を追加するときには,追加メッセージ識別子に指定するJP1イベント属性をよく検討してください。メッセージとして特定される数が多い組み合わせを選択すると,定義数の上限値に達してしまうおそれがあります。
  • JP1/IM - MO 09-10で追加メッセージ識別子を追加してエクスポートした定義を,09-00以前のバージョンにインポートする場合,追加されたメッセージ識別子の定義は無視されるため,メッセージ識別子が同じで追加メッセージが異なる定義をしても,メッセージを重複して定義していると見なされます。追加メッセージ識別子を定義したい場合は,インポート先のJP1/IM - MOを09-10以降のバージョンにバージョンアップしてください。