画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド

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付録D.3 インポートした記述文の内容とドローの関係

インポート機能で記述文ファイルを変換したときに,それぞれの記述文の内容が,ドローにどのように反映されるかを説明します。

<この項の構成>
(1) 位置・長さの単位
(2) 書式定義ファイル名
(3) 部品
(4) 書式属性ダイアログ
(5) 固定フィールドダイアログ
(6) 縦けい線ダイアログ
(7) 横けい線ダイアログ
(8) 斜めけい線ダイアログ
(9) 矩形ダイアログ
(10) 円ダイアログ
(11) 円弧ダイアログ
(12) 網掛けダイアログ
(13) 固定グラフィックダイアログ

(1) 位置・長さの単位

FOG2/Wでは,位置や長さをドット単位で扱っています。インポート時には,1ドット=240dpiになるように変換します。

(2) 書式定義ファイル名

インポート時に生成する書式定義ファイルの名称は,FORMS文の書式名1を使用します。

(3) 部品

部品を使用している場合,部品はインポート時に書式に取り込まれて,一つの書式定義ファイルに統合されます。

(4) 書式属性ダイアログ

FORMS文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 上マージン 5mm なし
2 左マージン 5mm なし
3 Y長 ます(行) 指定内容による (a)を参照
4 X長 ます(列) 指定内容による (a)を参照
5 単位の選択 ドット なし
6 X・Y長 給紙サイズ 指定内容による (b)を参照
7 コメントの記述 なし
8 ます目設定 自由な設定 なし
9 ます目
(縦サイズ)
行の間隔 指定内容による (c)を参照
10 ます目
(横サイズ)
文字の間隔 指定内容による (d)を参照
11 ます目
(横サイズ)
文字サイズ 指定内容による (d)を参照
12 印刷ドキュメント名 なし

(凡例)
−:該当する設定値がない。

(a) 定義領域の違い

開始位置または終了位置がXMAP3の定義領域を超えている項目は,インポート機能での変換時にすべて削除されます。定義領域の範囲を次の表に示します。

表D-7 定義領域の範囲

方向 ます目指定 ドット指定
127行まで 5,461ドットまで
255列まで 5,461ドットまで
(b) 用紙の種別

用紙の種別は,次に示す領域をカバーできる,最小の用紙を仮定します。

縦方向:
定義領域の縦の大きさ+上下各5mmのハードマージン(計10mm,94ドット)

横方向:
定義領域の横の大きさ+左右各5mmのハードマージン(計10mm,94ドット)

定義領域の大きさと用紙サイズの関係を次の表に示します。

表D-8 定義領域の大きさと用紙サイズ

縦の大きさ
(ドット)
横の大きさ
(ドット)
インポート後の
用紙種別
1,890ドット 1,304ドット A5縦
1,304ドット 1,890ドット A5横
2,334ドット 1,625ドット B5縦
1,625ドット 2,334ドット B5横
2,712ドット 1,890ドット A4縦
1,890ドット 2,712ドット A4横
3,345ドット 2,334ドット B4縦
2,334ドット 3,345ドット B4横
3,874ドット 2,712ドット A3縦
2,712ドット 3,874ドット A3横

注※
縦の大きさおよび横の大きさにそれぞれ94ドットを加えた値が,用紙の大きさになります。

(c) 行の間隔

行間隔は,FORMS文の基本ます目の縦サイズを基に決定します。

基本ます目と行間隔の関係を,表D-9,および表D-10に示します。

表D-9 基本ます目と行間隔の関係(LPI指定時)

基本ます目の縦サイズ インポート後の行間隔
3/4LPI(320ドット) 3LPI
3/2LPI(160ドット) 3LPI
3LPI(80ドット) 3LPI
4LPI(60ドット) 4LPI
6LPI(40ドット) 6LPI
6.7LPI(36ドット) 6LPI
8LPI(30ドット) 8LPI
10LPI(24ドット) 10LPI
12LPI(20ドット) 12LPI
24LPI(10ドット) 12LPI

注※
「書式の縦サイズ>行間隔×127」の場合,40ドット(6LPI)に変換します。

表D-10 基本ます目と行間隔の関係(任意ドット指定時)

基本ます目の縦サイズ インポート後の行間隔
61ドット以上 3LPI
41〜60ドット 4LPI
31〜40ドット 6LPI
25〜30ドット 8LPI
21〜24ドット 10LPI
1〜20ドット 12LPI

注※
「書式の縦サイズ>行間隔×127」の場合,40ドット(6LPI)に変換します。

(d) 文字サイズ・文字間隔

ます目の横サイズは,帳票設計時のスケール表示の単位となるので,できるだけ記述文での指定値の約数または倍数になるように変換します。

文字サイズ文字間隔の変換規則について,使用頻度の高い範囲と,それ以外とに分けて説明します。

(5) 固定フィールドダイアログ

CHAR文,LAY文,およびADJUST文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 文字属性 文字の拡大 標準  
2 文字属性 文字の書体 指定内容による (a)を参照
3 文字属性 文字サイズ 指定内容による (a)を参照
4 文字の強調 標準  
5 文字間隔/ボディサイズ 文字の間隔 指定内容による (b)を参照
6 網掛け なし  
7 テキスト 指定内容による  
8 テキスト揃え  

(凡例)
−:該当する設定値がない。
なし:「なし」に設定される。
空欄:なし。

(a) 文字属性名の関連づけ
(b) 文字列の字間値

文字列の字間値は,次の表に示す規則に従って変換します。

表D-14 文字項目の字間値

文字種類 字間値 インポート後の字間値
半角文字 0ドット 0I
2ドット 1I
3ドット 2I
5ドット 3I
6ドット 4I
8ドット 5I
9ドット 6I
11ドット 7I
全角文字 0ドット 0I
4ドット 1I
6ドット 2I
10ドット 3I
12ドット 4I
16ドット 5I
18ドット 6I
22ドット 7I

インポートする記述文の字間値がこの範囲に当てはまらない場合は,次の図に示すように,1文字ずつ単独のオブジェクトに変換し,元の字間値に応じてそれぞれの位置を設定します。

図D-1 1文字ずつ単独の項目に変換する場合

[図データ]

(6) 縦けい線ダイアログ

RLINE文,および縦線の場合のELINE文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 線種別 線の種類 指定内容による (a)を参照
2 線の太さ 線の太さ 指定内容による (b)を参照
3 線の向き(V) なし
4 線の位置 なし

(凡例)
−:該当する設定値がない。

(a) 線種別

線種別は,次に示す規則に従って決定します。

記述文での指定 ドローで展開される値
1 実線
3,5 破線
6,7 一点鎖線
8 二点鎖線
2,4,9 点線

ドローでの見え方と実際の印刷結果は異なります。

(b) 線の太さ

線の太さは,次に示す規則に従って決定します。

記述文での指定 ドローで展開される値
1,2
3,4
5,6
7以上 極太

(7) 横けい線ダイアログ

RLINE文,および横線の場合のELINE文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
2 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照
3 線の向き(H) なし
4 線の位置 なし

(凡例)
−:該当する設定値がない。

(8) 斜めけい線ダイアログ

ELINE文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 指定位置 向き 指定内容による なし
2 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
3 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照

(9) 矩形ダイアログ

BOX文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 コーナ形式 角の丸め 指定内容による (a)を参照
2 種別 枠だけ なし
3 コーナ半径 丸めの半径 指定内容による (b)を参照
4 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
5 コーナ形式 丸めの場所 指定内容による (b)を参照
6 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照

(凡例)
−:該当する設定値がない。

(a) 角の丸め/丸めの場所

角の丸め/丸めの場所は,次に示す規則に従い決定します。

記述文での指定 ドローで展開される値
ARC 全て丸める/不活性
LT 任意の位置/左上
RT 任意の位置/右上
LD 任意の位置/左下
RD 任意の位置/右下
指定なし 丸めなし/不活性

ドロー上の見え方と実際の印刷結果は異なります。

(b) 丸め半径

丸め半径は,次に示す規則に従い決定します。

記述文での指定 ドローで展開される値
1・2
3 標準
4

ドロー上の見え方と実際の印刷結果が異なります。

(10) 円ダイアログ

CIRCLE文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
2 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照
3 網掛け なし  

(凡例)
−:該当する設定値がない。
なし:「なし」に設定される。
空欄:なし。

(11) 円弧ダイアログ

ARC文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 角度 角度 指定内容による (a)を参照
2 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
3 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照
(a) 円弧の位置・角度・サイズ

円弧の位置とサイズの指定方法は, FOG2/Wと,PCのXMAP3とでは異なります。

指定方法を次の図に示します。

図D-2 円弧の位置とサイズの指定方法の違い

[図データ]

このため,インポート時に,記述文に指定した中心位置,半径,開始角度,および終了角度から,開始位置と終了位置を算出して変換します。

また,HI-UX/WE2では円弧の角度を自由に指定できますが,PCで指定できるのは,小(30度),中(60度),または大(90度)だけです。したがって,それ以外の大きさの角度を持つ円弧をPCにインポートした場合は,近い大きさの角度に変更されるか,または複数の円弧の組み合わせに変更されます。

円弧の変更規則を次に示します。

円弧の内角の大きさとインポート後の曲率との関係を次の表に示します。

表D-15 円弧の内角の大きさと曲率との関係

作成する内角の大きさ インポート後の
円弧の角度
1〜29度
30度
31〜59度
60度
61〜89度
90度

したがって,円弧はインポート時に複数に分割される場合があります。分割される例を次の図に示します。

図D-3 インポート時の円弧の変換

[図データ]

(12) 網掛けダイアログ

GRAPHIC文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 コーナ形式 角の丸め 指定内容による (9)(a)を参照
2 種別 枠だけ なし
3 コーナ半径 丸めの半径 指定内容による (9)(b)を参照
4 ドットパターン 網掛け 指定内容による なし
5 コーナ形式 丸めの場所 指定内容による (9)(a)を参照
6 線種別 線の種類 指定内容による (6)(a)を参照
7 線の太さ 線の太さ 指定内容による (6)(b)を参照

(凡例)
−:該当する設定値がない。

(a) 網掛け種別

網掛け種別は次に示す規則に従い決定します。

記述文での指定 ドローで展開
される値
備考
8 薄い網掛け 8×8に2ドット
6 標準網掛け 6×6に2ドット
4 濃い網掛け 4×4に2ドット
1,RDWN
RDWN  DOT (,0),(,0), '*'
RDWN  DOT (,1),(,1), '*'
RDWN  DOT (,2),(,2), '*'
RDWN  DOT (,3),(,3), '*'
RDWN  DOT (,4),(,4), '*'
RDWN  DOT (,5),(,5), '*'
RDWN  DOT (,6),(,6), '*'
RDWN  DOT (,7),(,7), '*'
標準右下 [図データ] 
1,RUP
RUP  DOT (,7),(,0), '*'
RUP  DOT (,6),(,1), '*'
RUP  DOT (,5),(,2), '*'
RUP  DOT (,4),(,3), '*'
RUP  DOT (,3),(,4), '*'
RUP  DOT (,2),(,5), '*'
RUP  DOT (,1),(,6), '*'
RUP  DOT (,0),(,7), '*'
標準左下 [図データ] 
1,MESH
MESH  DOT (,0),(,0), '*'
MESH  DOT (,1),(,1), '*     *'
MESH  DOT (,2),(,2), '*   *'
MESH  DOT (,3),(,3), '* *'
MESH  DOT (,4),(,4), '*'
MESH  DOT (,3),(,5), '* *'
MESH  DOT (,2),(,6), '*   *'
MESH  DOT (,1),(,7), '*     *'
標準格子 [図データ] 
1,HRZN
HRZN  DOT (,0),(,3), '********'
標準横線 [図データ] 
1,VERT
VERT  DOT (,3),(,0), '*'
VERT  DOT (,3),(,1), '*'
VERT  DOT (,3),(,2), '*'
VERT  DOT (,3),(,3), '*'
VERT  DOT (,3),(,4), '*'
VERT  DOT (,3),(,5), '*'
VERT  DOT (,3),(,6), '*'
VERT  DOT (,3),(,7), '*'
標準縦線 [図データ] 
8×8の範囲に21個以下の点 薄い網掛け なし
8×8の範囲に42個以下の点 標準網掛け なし
8×8の範囲に43個以上の点 濃い網掛け なし

ドロー上の見え方と実際の印刷結果が異なります。

(13) 固定グラフィックダイアログ

網掛け以外のDOT文の設定内容が反映されます。

[図データ]

項番 記述文での
設定値
ドローでの
格納場所
ドローでの設定値 備考
1 ドット列 領域に合わせて表示する 指定なし 指定された大きさで展開
2 枠付き なし  

(凡例)
−:該当する設定値がない。
なし:「なし」に設定される。
空欄:なし。