帳票システム構築支援 uCosminexus EUR uCosminexus EUR サーバ帳票出力

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4.2.3 ActiveXオブジェクト使用時の注意

ActiveXオブジェクトを使用するときの注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 画像データを使用する場合
(2) PDF形式ファイル出力のシステム構築時に出力性能を考慮するには
(3) PDF形式ファイル出力のシステム構築時にファイルサイズを考慮するには
(4) PDF形式ファイル出力のシステム構築時にメモリリソースの圧迫を回避するには
(5) 複数の帳票セットを指定して出力するときの文字列の長さ

(1) 画像データを使用する場合

画像データを使用する場合は,次のことに注意してください。

(a) 画像ファイルの場所

画像ファイルは,環境変数EURPS_IMAGEPATHで,デフォルトの読み込みフォルダを指定できます。ファイルは,フルパス,相対パス,またはファイル名だけのどれかで指定してください。

環境変数EURPS_IMAGEPATHが設定されていない場合は,次に示す順にファイルを検索します。

EUR形式ファイルを出力する場合,データファイルに指定する画像ファイルは,ファイル名だけを指定してください。画像ファイルのパスは,環境変数EURPS_IMAGEPATH,または環境設定ファイル(EURPS_ENV)中の変数EURPS_IMAGEPATHに指定してください。

(b) 扱える画像データの形式

EUR サーバ帳票出力機能で扱える画像データの形式については,「7.4.2 扱える画像データの形式」を参照してください。

(2) PDF形式ファイル出力のシステム構築時に出力性能を考慮するには

図形(網掛け)のある帳票の場合,PDF形式ファイルを出力するとき,環境変数EURPS_PDF_OUTPUTによって,ファイルサイズと印刷スピードのどちらを優先するかを指定できます。

図形(網掛け)のある帳票をPDF形式ファイルに出力したあと,非PostScriptプリンタから印刷する場合,印刷にかなりの時間が掛かったとき,プリンタによっては,環境変数EURPS_PDF_OUTPUTに「PRINT_SPEED」を設定しておくことで,印刷時間を短縮できます。

環境変数EURPS_PDF_OUTPUTへの設定値は,すべて半角英大文字で指定してください。

表4-2  EURPS_PDF_OUTPUTへの設定値

環境変数への設定値 説  明
FILE_SIZE ファイルサイズを優先します(デフォルト)。
PRINT_SPEED 印刷スピードを優先します。ただし,「FILE_SIZE」を指定したときよりファイルサイズが大きくなることがあります。

「FILE_SIZE」,「PRINT_SPEED」以外の値を指定した場合は,「FILE_SIZE」が仮定されます。

環境変数EURPS_PDF_OUTPUTと環境設定ファイルEURPS_ENV中の変数EURPS_PDF_OUTPUTを同時に設定した場合は,環境変数の値が有効になります。

(3) PDF形式ファイル出力のシステム構築時にファイルサイズを考慮するには

同一の画像アイテムを複数貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力するとき,ファイルサイズを最適化するかどうかを指定します。

同一の画像アイテムを複数貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力する場合,複数分の画像データをPDF形式ファイルに出力するため,ファイルサイズが大きくなります。そのため,環境変数EURPS_PDF_SAMEIMAGEに「OPTIMIZE」を設定すると,一つ分の画像データだけをPDF形式ファイルに出力するので,ファイルサイズが小さくなります。ただし,別々の画像アイテムを画像データに貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力する場合は,環境変数EURPS_PDF_SAMEIMAGEに「NO」を設定したときに比べて,PDF形式ファイルの出力時間が遅くなる場合があります。

環境変数への設定値は,すべて半角英大文字で指定してください。

表4-3  EURPS_PDF_SAMEIMAGEへの設定値

環境変数への設定値 説  明
OPTIMIZE 帳票に同一の画像データが貼り付けてある場合,ファイルサイズを最適化します。
NO 帳票に同一の画像データが貼り付けてある場合,ファイルサイズを最適化しません。

「OPTIMIZE」,「NO」以外の値を指定した場合,または環境変数EURPS_PDF_SAMEIMAGEに何も設定しなかった場合は,「OPTIMIZE」が仮定されます。

環境変数EURPS_PDF_SAMEIMAGEと環境設定ファイルEURPS_ENV中の変数EURPS_PDF_SAMEIMAGEを同時に設定した場合は,環境変数の値が有効になります。

(4) PDF形式ファイル出力のシステム構築時にメモリリソースの圧迫を回避するには

複数の画像アイテムを貼り付けた帳票,または複数のバーコードアイテムを貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力するとき,メモリリソースを最適化するかどうかを指定できます。

複数の画像アイテムを貼り付けた帳票,または複数のバーコードアイテムを貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力する場合,メモリ上に複数分の画像データ,またはバーコードデータを確保してPDF形式ファイルを出力するため,メモリリソースを圧迫します。そのため,環境変数EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMに「YES」を設定しておくと,メモリリソースの圧迫を回避できます。ただし,メモリリソースの最適化処理を行う場合,一時ファイル(SystemTemp)を使用するため,環境変数EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMに「YES」を設定しないときに比べて,PDF形式ファイルの出力時間が遅くなります。

環境変数への設定値は,すべて半角英大文字で指定してください。

表4-4  EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMへの設定値

環境変数への設定値 説  明
YES 複数の画像アイテムを貼り付けた帳票,または複数のバーコードアイテムを貼り付けた帳票をPDF形式ファイルに出力するとき,メモリリソースを最適化にします。

「YES」以外の値を指定した場合,または環境変数EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMに何も設定しなかった場合は,メモリリソースの最適化はしません。

環境変数EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMと環境設定ファイルEURPS_ENV中の変数EURPS_PDF_IMAGE_OPTIMIZEMEMを同時に設定した場合は,環境変数の値が有効になります。

(5) 複数の帳票セットを指定して出力するときの文字列の長さ

複数の帳票セットを指定して出力するとき,eurpsコマンドの構文に指定できる文字列の長さは,30KBまでです。

ActiveXオブジェクトを使用した帳票出力は,「eurps.exe(EUR サーバ帳票出力機能実行ファイル)」をプロセス起動します。そのため,プロパティやメソッドに指定されたファイル名などの情報が,eurpsコマンドの構文に置き換えられたとき,文字列の長さが30KBを超えると,正しく起動されません。

また,UAPから直接CreateProcess関数などを使用してコマンド実行する場合も,eurpsコマンドの構文が30KBを超えると,EUR サーバ帳票出力機能が正しく起動されません。

eurpsコマンドの構文が30KBを超えるような複数の帳票セットを指定する場合は,複数回に分けて実行するか,または複数の帳票セットを記述した帳票セット指定ファイル(MultiReportSetFileNameプロパティ)で指定してください。

コマンド構文の長さは,次に示す計算式で求められます。複数の帳票セットを指定する場合は,求められた値が30KB以内になるように,eurpsコマンドに指定するファイル名長や,出力する帳票ファイルの数を決定してください。計算式の単位は,バイトです。

コマンド構文の長さを求める計算式
  • プリンタ出力とEUR形式ファイル出力の場合
    Σ(帳票ファイル名長+3+マッピングデータファイル名長 ※1+3+ユーザ定義データファイル名長 ※1+3)+Σ(そのほかのオプション名長 ※2+1)
  • PDF形式ファイル出力の場合
    Σ(帳票ファイル名長+3+マッピングデータファイル名長 ※1+3+ユーザ定義データファイル名長 ※1+3+しおり定義ファイル名長+3)+Σ(そのほかのオプション名長 ※2+1)
注※1
データベース連携時には,「マッピングデータファイル名長」は「マッピングデータの可変記号値定義ファイル名長」に,「ユーザ定義データファイル名長」は「ユーザ定義データの可変記号値定義ファイル名長」に置き換えて計算してください。
注※2
「そのほかのオプション名」とは,帳票ファイル名,マッピングデータファイル名,ユーザ定義データファイル名,およびしおり定義ファイル名以外のオプション名と指定された文字列の長さです。