画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発支援ユティリティ


2.6.2 書式記述文から変換された書式定義ファイルのドローによる編集

書式記述文とWindowsの書式オーバレイとでは,使用できる機能の範囲が異なります。そのため,Windowsでは指定できない機能については,変換時に別の機能に置き換えられます。また,Windowsよりも細かく値を指定できる機能については,変換時に値をWindowsで扱える範囲に集約します。

インポートで変換できる書式記述文の範囲については,「付録B.2 書式記述文のインポートで変換できる機能範囲」を参照してください。

書式記述文ファイルのインポート時に,それぞれの書式記述文の内容がドローにどのように反映されるかについては,「付録B.3 インポートした書式記述文の内容とドローとの関係」を参照してください。

ここでは,書式記述文のインポート後にドローで編集が必要な次の項目について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 書式定義ファイル名

インポート時に生成する書式定義ファイル名は,FORMS文の書式名1を使用します。ただし,インポートする記述文がVOS3用のもので,FORMS文に書式名2が指定されている場合は,書式名2を優先します。

したがって,書式記述文ファイル名と,インポートで生成される書式定義ファイル名は,一致しない場合があります。書式定義ファイル名と書式記述文ファイル名の対応は,メッセージファイルに出力します。

書式名の指定と書式定義ファイル名の関係を次の表に示します。

表2‒31 書式名と書式定義ファイル名の関係

項番

書式名の指定

インポート時に出力する書式定義ファイル名

1

書式名1だけ

書式名1.ifm

2

書式名2だけ※1

書式名2.ifm※2

3

両方あり※1

書式名2.ifm※2

4

文法エラー

E000.ifm

注※1

書式名2が指定されているのは,VOS3用の記述文だけです。

注※2

書式名2をファイル名に使用できない場合は,「書式名1.ifm」になります。

書式名が文法エラーになった場合は,書式定義ファイル名を「E000.ifm」とします。書式名が文法エラーになる場合について説明します。

(a) メインフレームでもエラーとなる場合

次の場合は,メインフレームでも文法エラーとなります。

  • 書式名1の先頭が数字の場合

  • 書式名に,使用できない文字が含まれている場合

  • 名称が5文字以上の場合

  • 書式名1および書式名2の両方を省略した場合

(b) メインフレームでは正常に処理されるが,Windowsでエラーになる場合

次の場合は,インポート時にエラーが発生して処理を中断します。これらについては,メインフレームでは正常に処理されますが,Windowsではエラーになります。

  • 書式名2の先頭が数字の場合

  • 書式名に@\#が含まれている場合

(2) レイアウト

(a) ます目設定

インポートした書式のます目設定は,ドローでは「自由な設定」になります。変換された書式定義ファイルをドローで開き,[書式属性]ダイアログで「行の間隔」,「文字の間隔」,および「文字サイズ」を確認してください。

(b) 文字サイズ・文字間隔

ます目の横サイズは,帳票設計時のスケール表示の単位となるので,できるだけ書式記述文での指定値の約数または倍数になるように変換します。

メインフレーム,およびWindowsで,データを含む書式を差異なく印刷できる範囲について説明します。

インポート前の記述文でのます目の横サイズが12ドット,16ドット,20ドット,または24ドットの場合,次に示す条件を満たしていれば,メインフレーム,およびWindowsでの書式印刷に差異は生じません。

ます目の横サイズが12ドット(7ポイント半角)の場合:

書式の横サイズが3,060ドット以内

ます目の横サイズが16ドット(9ポイント半角)の場合:

ます目の縦サイズが80ドット,60ドット,または40ドット

ます目の横サイズが24ドット(10CPI)の場合:

ます目の縦サイズが80ドット,60ドット,または40ドット

ます目の横サイズが20ドット(12ポイント半角)の場合:

ます目の縦サイズが80ドット,60ドット,または40ドット

これらの条件に当てはまらない場合は,変換された書式定義ファイルをドローで開き,[書式属性]ダイアログで「文字の間隔」および「文字サイズ」を確認してください。

(c) 定義領域の範囲

  • 定義領域の違い

    開始位置または終了位置がXMAP3の定義領域を超えている項目は,インポートでの変換時にすべて削除されます。定義領域の範囲を次の表に示します。

    表2‒32 定義領域の範囲

    項番

    方向

    ます目指定

    ドット指定

    1

    127行まで

    5,461ドットまで

    2

    255列まで

    5,461ドットまで

    変換された書式定義ファイルをドローで開き,削除された項目を確認し,書式定義ファイルの項目の配置を検討してください。

(3) 線種と太さ

(a) 斜線(ELINE文)で引かれる線が垂直または平行の場合

斜線(ELINE文)で引かれる線が垂直または平行の場合,インポート時に斜線ではなく,縦けい線または横けい線として変換されます。変換された書式定義ファイルをドローで開き,けい線の位置を確認してください。

(b) 線(RLINE文など)の肉付け方法

FOG2 E2とXMAP3とでは,縦けい線を描画するときの肉付け方法が異なります。縦けい線に対する肉付け方法の違いを次の図に示します。

図2‒8 縦けい線に対する肉付け方法

[図データ]

このため,インポート時に,線の位置を次のように変更します。

    開始列位置=「書式記述文での開始列位置+太さによる値」
    開始行位置=変更なし

太さによる値は次のとおりです。

細線:0,中線:1,太線:2,極太線:3

変換された書式定義ファイルをドローで開き,けい線の位置を確認し調整してください。

(4) 文字列の字間値

インポートする書式記述文の字間値がドローで定義する書式定義ファイルの文字の間隔に当てはまらない場合は,次の図に示すように,1文字ずつ単独のオブジェクトに変換し,元の字間値に応じてそれぞれの位置を設定します。

図2‒9 1文字ずつ単独の項目に変換する場合

[図データ]

書式定義ファイルでの再定義では,1文字ずつのオブジェクトを調整する必要があります。

(5) 文字属性名の関連づけ

(a) 文字の関連づけ

ユーザが登録した文字属性名の関連づけが優先されます。ユーザが登録した文字属性名と関連づけられない場合は,標準提供の文字属性名と関連づけるようにします。

(b) CHAR文での文字属性が関連づけられていない場合

書体は明朝,大きさは9ポイントとして変換されます。

(c) 均等文字配置,両端ぞろえ文字配置(ADJUST文,LAY文)での文字属性が関連づけられていない場合

縦のボディサイズの値によって,次の表に示すように文字属性を決定します。

表2‒33 ボディサイズによる文字属性の決定

縦ボディサイズ

書体

大きさ

1〜23

明朝

5ポイント

24〜31

明朝

7ポイント

32〜39

明朝

9ポイント

40〜47

明朝

12ポイント

48以上

明朝

14ポイント

(6) 繰り返し

FOG2 E2の繰り返し定義は,インポート時に,繰り返し回数分のオブジェクトに分割された形で変換されます。

(7) ドットパターン

ドットパターンによるグラフィックは,インポート時に固定グラフィックに変換されます。ただし,任意の網掛けについては,「2.6.2(8) 網掛け種別」を参照してください。

(8) 網掛け種別

網掛け種別の変換規則を次の表に示します。

表2‒34 網掛け種別の変換規則

書式記述文の指定値

説明

インポート後の網掛け種別

1

ユーザ任意

表2-35参照

4

濃い

濃い網掛け

6

中間

標準網掛け

8

薄い

薄い網掛け

ユーザ任意指定時の網掛け種別の変換規則を次の表に示します。

表2‒35 網掛け種別の変換規則(ユーザ任意指定の場合)

項番

パターン

決定する種別

パターン

決定する種別

1

[図データ]

標準右下

[図データ]

標準左下

2

[図データ]

標準縦線

[図データ]

標準横線

3

[図データ]

標準格子

8×8の範囲に21個以下の点

薄い網掛け

4

8×8の範囲に42個以下の点

標準網掛け

8×8の範囲に43個以下の点

濃い網掛け

したがって,書式記述文でユーザ任意の網掛けを使用していたときに,Windowsにインポートしたあとも同じ網掛けに変換されるのは,標準右下,標準左下,標準縦線,標準横線,および標準格子の場合だけです。