11.3.2 サーバ上のAPから複数のクライアントへ画面表示または帳票印刷する設定
(1) 仮想端末の自動割り当ての概要
C/S構成の環境で,サーバ上のAPから複数のクライアントへ画面表示,または帳票印刷をする場合,仮想端末の自動割り当て機能を利用できます。この機能は,C/S構成の場合だけ利用できる機能です。
仮想端末の自動割り当てをすると,サーバAPが各クライアントに対応した仮想端末名を意識することなく一つの仮想端末名だけを意識していれば,それぞれのWindowsマシンで表示・印刷サービスが起動されたタイミングで,APからそのWindowsマシンに対して画面表示または帳票印刷ができます。
画面の仮想端末を自動的に割り当てる場合の例を次の図に示します。この例では,サーバ上のAPで,一つの仮想端末名「DSP001(画面の自動割り当て用仮想端末名)」だけを指定しておきます。サーバ側のC/Sセットアップで,APで指定した自動割り当て用の仮想端末名を設定しておけば,各クライアントにある表示サービスが起動されたタイミングで,APから送信された情報を画面表示するようにできます。
この図の場合は,サーバ側のC/Sセットアップで次の設定をしておくことが前提となります。
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表示サービス「XPDSP01」に対応する起動APに「C:\DSP\AP.EXE」を設定
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表示サービス「XPDSP01」の仮想端末名に「自動割当て」を設定
直接ファイルを編集する場合は,仮想端末名ファイルのサービス名に「**」を設定します。
AP実行時,次のような流れで仮想端末が自動的に割り当てられます。
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ユーザが,ホスト名「PC01」のクライアントで「XMAP3クライアント」アイコンをクリックすると,表示サービス「XPDSP01」が起動されます。
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サーバ上のXMAP3サーバによって,表示サービスに対応するAP「C:\DSP\AP.EXE」が起動されます。
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サーバAPから仮想端末名「DSP001」に対して表示命令(SEND要求)を実行します。
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サーバ側のXMAP3実行環境を経由して3.の表示命令(SEND要求)が1.で起動された表示サービスのあるクライアント(ホスト名「PC01」)へ送信され,画面表示されます。
(2) 仮想端末の自動割り当て機能の適用条件
この機能を適用するために必要な条件について説明します。
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C/S構成のアプリケーションサーバ上に,仮想端末の自動割り当て機能を使用するAPが必要です。そのAPでは,入出力対象の仮想端末名に,自動割り当て用の仮想端末名を指定します(例えば,出力先がプリンタの場合は「PRTALL」)。自動割り当て用の仮想端末名は,C/Sセットアップで任意の名称に変更できます。
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仮想端末の自動割り当て機能を使用する場合,1台のWindowsマシン上で定義できる印刷サービスは一つです。1台のWindowsマシン上に複数の印刷サービスを定義した場合は,[C/Sセットアップ]ダイアログの設定状況のリストで上位行に表示されている印刷サービス名(サービス名ファイルで上位行に設定されている印刷サービス名)が対象となります。
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一つのサーバAPが,画面とプリンタの両方の仮想端末の自動割り当て機能を使用する場合,画面・プリンタのXMAP3の表示・印刷サービスは,同一クライアント上に定義してある必要があります。
(3) 注意
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書式オーバレイ印刷では,仮想端末の自動割り当て機能を使用できません。
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プリンタの仮想端末の自動割り当て機能を使用する場合,印刷先の印刷サービスが起動できる状態にしておいてください。Windowsのプリントマネージャ中で,印刷先とするプリンタが不活性表示されている場合,この機能は使用できません。
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画面またはプリンタの自動割り当て用の仮想端末へ表示・印刷要求するサーバAPが,ユーザによって直接起動された場合(クライアント上のXMAP3サービスに連動して起動されたのではない場合),自動割り当て用の仮想端末は次のようになります。
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画面の自動割り当て用仮想端末
コンソール画面に表示される(サービス名「#DSP」に表示命令(SEND要求)される)
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プリンタの自動割り当て用仮想端末
そのWindowsマシンの標準プリンタで印刷される(サービス名「#PRT」に印刷命令(SEND要求)される)
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一つのWindowsマシンに二つ以上の印刷サービスを定義して,プリンタの仮想端末の自動割り当て機能を使用すると,[C/Sセットアップ]ダイアログの設定状況のリストで上位行に表示されている印刷サービス名(サービス名ファイルで上位行に設定されている印刷サービス名)が対象となります。
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同一のクライアントで表示サービスと印刷サービスの両方を定義している場合,実行時には,表示サービスのほうが印刷サービスより先に起動されます。
起動タイミングによる割り当てエラーを防ぐため,表示サービスおよび印刷サービスの両方で仮想端末の自動割り当て機能を使用したい場合は,C/Sセットアップで,プリンタ仮想端末の設定と同時に起動時実行アプリケーションに該当するサーバAPを設定しておくことをお勧めします。
C/Sセットアップの仮想端末画面の設定で起動時実行アプリケーションに該当するサーバAPを設定しておくと,APからの印刷命令(SEND要求)時,起動タイミングによってエラーとなることがあるので,注意してください。
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自動割当てに設定した画面とプリンタ用の仮想端末の両方を使用するアプリケーションを起動時実行アプリケーションに定義する場合は,プリンタ用の仮想端末の方へ定義し,画面用の仮想端末の定義から外してください。