10.2.2 マップパスの指定とマップの常駐化
マップの定義体(画面と帳票では物理マップ,書式オーバレイでは書式イメージファイルおよび行制御データファイルを指す)を格納しているフォルダのパスの指定,およびマップの定義体をXMAP3のマッピングライブラリに常駐させる指定ができます。ユーザ環境に合わせてチューニングすると,AP実行時の処理速度を向上できます。
なお,この項目はXMAP3/Web for Cosminexusの表示・印刷セットアップでは指定できません。起動HTMLまたはサーバ環境定義ファイルで指定します。XMAP3 Cosminexus連携の場合,「16.4.1(2)(d) データファイルパス(DataPath)」を参照してください。XMAP3 TP1/Web連携の場合,「15.1.9(2) データファイルパス(DataPath="パス名")」を参照してください。
(1) マップパス(mapPath="パス名")
マップの定義体があるフォルダのパス(マップパス)を指定しておくことで,AP実行時,必要な定義体が指定したパスから検索されます。定義体を格納するフォルダが一定であれば,それを指定しておくことによって検索時間が短縮されるため,指定しない場合に比べて性能が向上します。
表示・印刷セットアップで設定する場合は次のどちらかを選択します。
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カレントフォルダ
実行時にマップの定義体をカレントフォルダから検索するとき
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任意のフォルダ
任意のフォルダを指定してそのフォルダから検索するとき
この設定内容は,AP環境ファイル(X3MWDRV)の該当項目に反映されます。
AP環境ファイル(X3MWDRV/XMAPdrv)を直接編集する場合には,パラメタの設定値にパス名を指定します。
OpenTP1(TP1/MCF)連携時には,XMAP3でのマップパスの指定は無効になります。OpenTP1(TP1/MCF)連携時のマップパスについては,マッピングサービス属性定義のMAPPATHで指定してください。
(a) 検索したマップパスに定義体がない場合
AP実行時,指定したマップパスのフォルダに目的の定義体がない場合,次の順序で検索されます。
- Windows版XMAP3の場合
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実行中のAP(.EXE)のフォルダ
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カレントフォルダ
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Windowsのシステムフォルダ
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Windowsのフォルダ
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PATH環境変数で登録されているフォルダ
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- UNIX版XMAP3の場合
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AP環境ファイル(/etc/opt/HIXMAP/XMAPdrv)の格納されているディレクトリ
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カレントディレクトリ
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(b) マップパスの指定範囲
マップパスに指定できるパスの長さはWindowsとUNIXで異なります。
Windowsの場合,マップパスに指定できるパスの長さは259バイトまでです。ただし,XMAP3で扱えるマップの定義体の絶対パスも259バイトまでです。そのため,マップパスを指定するときは,マップの定義体のファイル名などを考慮した長さにする必要があります。実際にマップパスに指定できるパスの長さの求め方を次に示します。
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259(マップパスに指定できるパスの長さ)−13(\+マップ名の長さ+デバイスID+拡張子)※=246
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マップパスの指定範囲:246バイトまで
使用するOSによって,エクスプローラで作成できるパスの長さが異なります。OSの仕様範囲に従ってパスを指定してください。
UNIXの場合,マップパスに指定できるパスの長さは55バイト以内です。
- 注※
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マップ名の長さの指定とデバイスIDについては,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」を参照してください。
(2) 物理マップの常駐化(PoolSize=バイト数)
物理マップをXMAP3のマッピングライブラリに常駐しておくと,画面表示の応答時間の短縮が期待できます。マッピングライブラリは,APからマップ名を受け取ります。このマッピングライブラリとマップを読み込む(ロードする)時間を減らすことで応答時間を短縮しようとするものです。
表示・印刷セットアップで設定する場合には,常駐サイズをキロバイト単位で設定します。この設定内容は,AP環境ファイル(X3MWDRV)の該当項目に反映されます。
AP環境ファイル(X3MWDRV/XMAPdrv)を直接編集する場合には,パラメタの設定値にバイト数を指定します。
なお,OLTPサーバ構成と連携する場合は,この設定は使用しません。
(a) 物理マップのメモリ常駐化とエリアサイズ
ロード回数を軽減するために,「物理マップ常駐サイズ」に物理マップの常駐化エリアのサイズを指定します。サイズはキロバイト単位で指定します。省略時仮定値は32KBです。物理マップを常駐させるエリアのサイズを変更する場合だけ,指定を変更してください。
1KB〜2,048KBの範囲で設定値を変更できます。
(b) 物理マップの常駐化の仕組み
XMAP3のマッピングライブラリの常駐化機能を使って,次のように物理マップを管理します。
APから物理マップのロード要求があると常駐エリア中の物理マップを検索し,常駐されていれば,そのマップを利用します。常駐されていない場合は,AP環境ファイルに指定したパスで物理マップが検索され,物理マップが見つかればそのファイルサイズを求め,常駐エリアを割り当てて物理マップファイルを入力します。このパスに物理マップがない場合は,カレントフォルダが検索されます。
物理マップを,常駐エリアの空き領域エリアにロードします。空きエリアが確保できない場合は,常駐エリアにある,いちばん古い物理マップを削除してロードします。ただし,物理マップのサイズが常駐エリアより大きい場合は,XMAP3がエリアを確保します。したがって,メモリの節約のために,常駐エリアのサイズを物理マップのサイズより大きく設定しておいてください。
ただし,メモリやほかのAPの実行のために,このエリアがスワップアウトされて効果がない場合もあります。