9.6 帳票環境の設定および運用に関する注意
帳票環境をセットアップおよび運用する上での注意について説明します。
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表示・印刷セットアップの印刷モードによって,印刷するフォントが異なります。
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「GDI」および「日立FAXC/SPOOL」を選択した場合
文字フィールドの定義に合わせて,MS明朝またはMSゴシックフォントをWindowsから選択して印刷されます。ただし,この場合,出力先のプリンタドライバの設定によっては,プリンタ内蔵フォントに置き換えて印刷されます。外字を使用した場合は,Windowsに登録されている外字フォントが適用されます。
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「PDLスルー」および「日立ESC/P」を選択した場合
けい線帳票は,プリンタ内蔵フォントを使用します。XMAP3は,プリンタ内蔵フォントを使用する際,半角,全角の両方とも,プリンタ内蔵の全角フォントで出力するように制御しています。このため,プリンタ内蔵の半角フォントは使用できません。なお,プレプリント帳票は,WindowsのMS明朝を使用します。
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Windows特殊文字などのベンダ固有文字は,Windowsの環境に依存するため,使用できなくなることがあります。ベンダ固有文字は,外字に置き換えて使用することをお勧めします。ベンダ固有文字は,表示・印刷セットアップの印字モードによって扱いが異なります。印刷モードに「GDI:ページプリンタ」,「GDI:シリアルインパクトプリンタ」,「日立FAXC/SPOOL:ページプリンタ」,または「日立FAXC/SPOOL:シリアルインパクトプリンタ」を選んだ場合,Windowsマシンのフォントを使用します。ただし,この場合,出力先のプリンタドライバの設定によっては,プリンタ内蔵フォントに置き換えて印刷されるので,ベンダ固有文字が印刷されないこともあります。それ以外の印刷モードを選んだ場合,プリンタ内蔵フォントを使用します。
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プリンタ装置によって,定義時に指定した網掛けの濃さ,および矩形の丸め具合が異なることがあります。
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プリンタ装置のハード設定をドラフトモードにした場合,プリンタの仕様によって印字がずれることがあります。シリアルプリンタで印刷する場合,プリンタの設定を高品位モードで印刷するようにしてください。
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XMAP3の印刷の場合には,通常,一帳票を1ファイルとして出力していますが,APのオープン命令(OPEN要求)からクローズ命令(CLOSE要求)まで1ファイルとしてまとめることができます。その場合には,表示・印刷セットアップのオプション「スプール書き出し単位」で「アプリケーション毎」を選択してください。その際の印刷開始は,AP実行の終了,またはクローズ命令(CLOSE要求)が発行された時点で開始します。
プリントマネージャでは,システムのリソースの範囲でプリントキューイングできます。
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表示・印刷セットアップの印刷モードで「PDLスルー:LIPS準拠ページプリンタ」,「PDLスルー:ESC/P準拠シリアルインパクトプリンタ」,「PDLスルー:拡張ESC/P シリアルインパクトプリンタ」または「日立ESC/P」を選択し,かつスプール書き出し単位が「アプリケーション毎」の場合,印刷したページ数分の印刷データが一つのドキュメントとしてプリンタスプールに登録されますが,Windowsのプリンタスプールの「ページ数」には常に「1」が表示されます。
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連続紙に印刷する場合,1ページ当たりのページ行数は,表示・印刷セットアップの[高度な設定]の「印刷ページ長」の指定に従います。単票の場合は,ドローで定義した帳票行数に従います。
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プレプリント帳票では,印字データの有無ではなく,帳票定義した行数分を印刷します。用紙に合った帳票で運用してください。
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シリアル帳票の定義で印刷前改ページ指定をした場合,この指定が有効になるのは2ページ目以降の出力からです。
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連続紙に印刷する場合,用紙の先頭行,およびXMAP3の表示・印刷環境ファイルで設定された1ページ当たりのページ行数を引き継ぐ期間を次の表に示します。
システム構成
用紙の先頭行
ページ行数を引き継ぐ期間
C/S構成
印刷サービスが起動され,最初の印刷要求処理時のプリンタ印字ヘッドの位置。
印刷サービスを終了するまで。
スタンドアロン構成
APが起動されたときのプリンタ印字ヘッドの位置。
APサービスを終了するまで。
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表示・印刷セットアップで,シリアルインパクトプリンタに対し「GDI:ページプリンタ」を設定して横向きの帳票を印刷する場合は,用紙は吸入方向に対して縦向きで設定してください。
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シリアルプリンタで書式オーバレイ印刷をする場合は,必ず,表示・印刷セットアップで印刷モードに「ページプリンタ」を指定したサービス名を設定するようにしてください。
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表示・印刷セットアップの印刷モードに「日立ECS/P(A):用紙吸入量0mmのインサータプリンタ」を選択した場合,日立製インサータプリンタの種類によっては,用紙の上端から6.35mm(3/12インチ)以内に定義された描画物が,6.35mm(3/12インチ)より下の行に重ね印字されることがあります。用紙の上端から6.35mm(3/12インチ)以内には,描画物を定義しないようにしてください。
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プリンタ装置のハードの設定で,入力バッファを有効にした場合,文字化けが発生するおそれがあります。各プリンタの取扱説明書の手順に従って,入力バッファを無効にして印刷してください。
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表示・印刷セットアップの[表示文字]タブでの文字の設定は,帳票環境には反映されません。また,帳票印刷の場合に指定する書体に「標準」を設定した場合には,明朝体として印刷されます。
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カラーの文字色を使用した帳票印刷をする場合,プリンタ装置によっては,期待どおりの色で出力されない場合があります。運用前に,表示・印刷セットアップの[印刷色]タブで各文字色に対応するRGB値を調整して,利用してください。
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PDFファイル出力する場合,プリンタ構成ファイル「X3PPINF」の「PrinterDPI」項目が「0」である(=シリアルプリンタ用設定)プリンタデバイスに対する印刷サービスに,帳票および書式を印刷しないでください。PDFファイルは生成されますが,描画位置が不正となります。
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複数の帳票や書式を一つのPDFファイルに出力する場合は,表示・印刷セットアップの「スプール書き出し単位」の設定を「アプリケーション毎」にしてください。1枚目に指定した印刷ドキュメント名のPDFファイルにすべての帳票が格納されます。
表示・印刷セットアップの「スプール書き出し単位」の設定で「1ページ毎」が設定された印刷サービスに対して,印刷ドキュメント名が同じ帳票をAPから連続出力すると,出力のたびにPDFファイルが上書きされます。結果的に,クローズ命令(CLOSE要求)直前に出力したPDFファイルだけが登録されます。
複数の帳票や書式を一つのPDFファイルに印刷する場合,印刷要求後に発行されたクローズ命令(CLOSE要求)は,すべての帳票のPDFファイルが完全に生成し終わるのを待ってリターンします。そのため,プリンタに印刷する場合と比べてクローズ命令(CLOSE要求)のリターンが遅くなることがあるので,事前に運用上の影響がないことをご確認ください。
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PDFファイル格納フォルダがない場合や,PDFファイル格納先に指定したフォルダに書き込み権限がない場合,帳票の印刷命令(SEND要求)またはクローズ命令(CLOSE要求)の実行後にエラーリターンします。格納フォルダは自動で作成されません。PDFファイル格納フォルダには必ず正しいフォルダを指定してください。
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書式オーバレイは,シリアルプリンタには出力できません。AP実行時に指定するサービス名は,サービス名ファイルに指定するデバイス名にページプリンタが指定されている必要があります。
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GDI以外の印刷モードでは,印刷時にGDI(プリンタドライバ)を経由しないため,Nアップ印刷やモノクロ/カラーなどのプリンタドライバで設定した属性は有効となりません。印刷モードがGDIの場合,用紙の種別,向き,サイズはXMAP3の設定に従いますが,その他のプリンタドライバで設定した属性(Nアップ印刷やモノクロ/カラーなど)はすべて有効となります。
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Windows版XMAP3サーバ実行環境(64ビット)で印刷部数を指定する場合,Windows x64版XMAP3 Server Runtimeのコンフィグファイル(X3MWDR64)のX3MWDR_ENVセクションに,使用する環境変数「XMAP3_PRINTSETS_仮想端末名」を追記してください。