9.4.2 GS1-128印刷環境に関する設定
GS1-128印刷環境の設定方法について説明します。GS1-128は,プリンタ構成ファイルのオプションに設定します。なお,この機能は,プリンタ構成ファイルを直接開いて設定する項目です。
- 〈この項の構成〉
(1) GS1-128バーコードの印字幅調整
GS1-128バーコードの安定した印字品質と読み取り精度を確保するために,バーコード全体のバーの印字幅を調整できます。
この機能を使用するとき,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにGS1-128バーコード解像度(デバイス名.BarcodeEanDPI)とGS1-128バーコード調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanDOT)を追加します。このとき,デバイス名に「*」を指定すると,プリンタ構成ファイルに記載したすべての印刷サービスに対して,共通の内容を設定できます。この機能は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」か「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」のときだけ使用できます。
GS1-128バーコード解像度とGS1-128バーコード調整ドット数の設定は,XMAP3で帳票を印刷する前に実施してください。
この設定が無効の場合には,通常の描画設定(300dpiで調整ドットなし)で印字します。
次に,プリンタ構成ファイルで設定するGS1-128バーコード解像度とGS1-128バーコード調整ドット数の設定内容を示します。
(a) GS1-128バーコード解像度(デバイス名.BarcodeEanDPI=)
XMAP3がバーコードを印刷するときに生成するGS1-128バーコードデータの解像度(dpi)を指定します。設定できる値は次のとおりです。次に示す値以外が指定された場合の動作は保証されません。
300,600,900,1200,1500
(b) GS1-128バーコード調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanDOT=)
GS1-128バーコード解像度で指定した解像度(dpi)に従って生成されたバーコードパターンに対して微調整(幅の増減)する量をドット単位で表した「GS1-128バーコード調整ドット数」を指定します。
GS1-128バーコード調整ドット数を指定すると,指定したドット数分がバーコードパターンの左右から均等に調整されます。−(マイナス)の値を指定したときは,バーコードパターンのうち,右側を優先とし,右,左の順に,バーコード幅を小さくします。+(プラス)の値を指定したときは,左側を優先とし,左,右の順に,バーコードの幅を広くします。条件に合わない場合は,無効となります。
GS1-128バーコード解像度の指定値に対応するGS1-128バーコード調整ドット数の範囲を次に示します。パラメタの指定を省略すると,0が仮定されます。
BarcodeEanDPIの指定値(dpi) |
BarcodeEanDOTの指定範囲(dot) |
---|---|
300 |
-1 〜 1 |
600 |
-3 〜 3 |
900 |
-5 〜 5 |
1200 |
-7 〜 7 |
1500 |
-9 〜 9 |
(2) GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整
GS1-128バーコードの,スタート/ストップキャラクタの印字幅だけを調整できます。GS1-128バーコード全体の印字幅を調整する機能と併用することで,バーコードの読み取り精度を向上できます。
この機能を使用するとき,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにGS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanSSDOT)を追加します。この機能は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」のときだけ使用できます。
この機能は,GS1-128バーコードの印字幅を調整する機能と併用することもできます。GS1-128バーコードの印字幅を調整する機能も使用する場合は,「option」セクションにGS1-128バーコード解像度(デバイス名.BarcodeEanDPI),GS1-128バーコード調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanDOT)も追加します。
GS1-128バーコード調整ドット数の設定は,XMAP3で帳票を印刷する前に実施してください。
プリンタ構成ファイルで設定するGS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数の設定内容を次に示します。
(a) GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanSSDOT)
GS1-128バーコード解像度に従って生成したバーコードパターンのうち,スタート/ストップキャラクタに対して,モジュール幅を増減する量をドット単位で表した,スタート/ストップキャラクタ調整ドット数を指定します。スタート/ストップキャラクタ調整ドット数を指定すると,印刷実行時には,指定したドット数分がスタート/ストップキャラクタのバーコードパターンの左右から均等に調整されます。−(マイナス)の値を指定したときには,バーコードパターンのうち,右側を優先とし,右,左の順にバーコードの幅を小さくします。+(プラス)の値を指定したときは,左側を優先とし,左,右の順にバーコードの幅を広くします。
設定値が不正な場合は,この機能は無効となります。
GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数の範囲を次に示します。範囲は,GS1-128バーコードの印字幅調整機能を使用している場合と使用していない場合で異なります。
-
GS1-128バーコードの印字幅調整機能を使用している場合
GS1-128バーコード解像度(BarcodeEanDPI)の指定値によって範囲が異なります。また,指定範囲は,GS1-128バーコード調整ドット数(BarcodeEanDOT)に指定した値によっても変わります。パラメタの指定を省略すると,0が仮定されます。
BarcodeEanDPIの指定値(dpi)
BarcodeEanSSDOTの指定範囲(dot)
300
-1- (BarcodeEanDOTの指定値)〜 1- (BarcodeEanDOTの指定値)
600
-3- (BarcodeEanDOTの指定値)〜 3- (BarcodeEanDOTの指定値)
900
-5- (BarcodeEanDOTの指定値)〜 5- (BarcodeEanDOTの指定値)
1200
-7- (BarcodeEanDOTの指定値) 〜 7- (BarcodeEanDOTの指定値)
1500
-9- (BarcodeEanDOTの指定値) 〜 9- (BarcodeEanDOTの指定値)
例えば,BarcodeEanDPIの指定値が600dpi,BarcodeEanDOTの指定値が-1dotである場合,BarcodeEanSSDOTに指定できる最小値および最大値は次のとおりとなります。
最小値:-3-(-1)=-2 最大値:3-(-1)=4
このため,BarcodeEanSSDOTの指定範囲は,-2〜4となります。
GS1-128バーコード解像度(BarcodeEanDPI)の指定がないと,GS1-128バーコード調整ドット数(BarcodeEanDOT)の値は「0」になるため,GS1-128バーコードの印字幅調整機能を使用していない場合と指定範囲は同じになります。
-
GS1-128バーコードの印字幅調整機能を使用していない場合
BarcodeEanSSDOTの指定範囲は,-1〜1となります。
(3) GS1-128バーコードの印字幅を調整する場合の注意
バーコードの印字幅を調整するときは,次の点に注意してください。
-
GS1-128バーコードの解像度に300以外の値を設定した場合,XMAP3が印刷データとして作成するバーコードパターンのデータサイズが大きくなります。このため,機能を使用しない場合に比べ,帳票の印刷ジョブサイズ,またはPDFファイルサイズが増加します。これらのサイズが増加しても運用に問題ないことを十分に確認してください。
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バーコードの印字幅の調整は,プリンタ構成ファイルを直接テキストエディタで開いて設定します。設定方法を誤るなどで,ファイルの内容が不正になると,XMAP3が正しく動作しなくなります。十分に注意して設定してください。
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テキストエディタでプリンタ構成ファイルを直接編集してGS1-128バーコードの印字幅を調整したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,テキストエディタで編集したGS1-128バーコードの印字幅調整の情報も削除されるので注意してください。
表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合,テキストエディタで編集した内容は保持されます。
(4) 設定例
GS1-128バーコードの印字幅を調整する場合の設定例を次に示します。
GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を調整する場合の設定例を次に示します。