9.2.8 UNIX版XMAP3の印刷環境に関する設定
UNIX版XMAP3の印刷環境に関する設定について説明します。
(1) LPスプールシステムでの帳票一括出力機能
「LPスプールシステムでの帳票一括出力機能」は,UNIX版XMAP3からの出力をAPからのクローズ命令(CLOSE要求)のタイミングで,LPスプールシステムに対して一括出力する機能です。この機能を使用すると,LPスプールシステムへの出力をAPからの要求で変えられます。この機能を使用する場合は,AP環境ファイルでプリンタ出力に「async」を設定する必要があります。ただし,JP1連携時には常にこの機能が有効になっています。
(a) 環境設定
XMAP3サーバを起動する前に,次の環境変数に値を設定することで,LPスプールシステムへの一括出力するタイミングを変更できます。
この環境変数での設定は,環境変数を設定したUNIXで起動するすべての印刷サービスを対象とします。
環境変数に設定する内容および動作を次に示します。
設定値 |
動作 |
---|---|
ON |
|
OFF |
印刷命令(SEND要求)ごとにLPスプールシステムにlpコマンドを発行する。 |
不定値(上記以外) |
|
環境変数なし |
(b) 使用時の注意事項
-
環境変数に値を設定しても,AP環境ファイルのプリンタ出力の設定が「sync」の場合には,この機能は無効となり,印刷命令(SEND要求)ごとにLPスプールへの印刷指示が行われます。
-
この機能を使用した場合,クローズ命令(CLOSE要求)以前にAPの異常終了などの障害が発生したときには,XMAP3でキューイングしているデータは,LPスプールシステムに登録されません。
(2) LAN接続プリンタ使用時の注意事項
-
XMAP3では,LPスプールシステムを使用して印刷するとき,表示・印刷環境ファイルの設定に従って印刷データをプリンタ記述言語(PDL)で生成します。このとき,実際に出力するプリンタがサポートしているPDLが異なっていると正しい印刷結果が得られません。対象プリンタが一致するように表示・印刷環境ファイルを設定してください。
-
LPスプールシステムに対して,データを加工するようなフィルタを指定した場合,プリンタのLANコントローラでXMAP3の生成したPDLが加工されてしまい,正しい印刷結果が得られないときがあります。このため,スプール設定時はフィルタを外す設定をしてください。
-
印刷中のプリンタで紙無しなどの障害が発生した場合,LPスプールシステムのエラーリカバリ処理とプリンタの障害処理が競合し,印刷中の帳票の出力結果が不正になることがあります。そのため,印刷中のプリンタで紙無しなどの障害が発生した場合は,プリンタの障害を回復させたあとにプリンタをリセットし,印刷を実行し直してください。
-
LPスプールシステムを使用した印刷では,印刷完了通知や用紙切れなどのプリンタ情報がAPで取得できないため,印刷確認については運用上の注意が必要です。
(3) プレプリント帳票を印刷するための準備
プレプリント帳票を印刷するために準備する必要がある環境設定について説明します。なお,プレプリント帳票以外の帳票デバイス(けい線帳票,網掛け帳票,グラフィック帳票)の印字の場合には,この準備は不要です。また,HP-UX環境ではこの環境設定は必要ありません。
(a) AIXでの文字フォントファイルの準備
次の手順に従って,準備してください。
-
/usr/lib/X11/fontsディレクトリに格納されているフォントファイルを指定されたディレクトリにコピーします。
- コピーするフォントファイル
-
RomanKn17S.pcf.Z (半角文字用フォントファイル)
Kanji17S.pcf.Z (全角文字用フォントファイル)
- コピー先ディレクトリ
-
/usr/lib/X11/fonts/hitachi
(XMAP3 Server Runtimeインストール時に生成されます)
-
文字フォントファイルを解凍します。
1.で格納した文字フォントファイルをuncompressコマンドで解凍します。
正しく解凍できたら,ファイル名の末尾の「.Z」がなくなったファイル名になり,ファイルサイズも大きくなります。
- コマンドの形式
-
uncompress フォントファイル名
(b) 注意事項
-
プレプリント帳票を印刷する場合には,あらかじめ,フォントの準備をしておかないとプレプリント帳票の文字が印字されません。
-
プレプリント帳票で外字を印字する場合には,フォントの設定のほかに,外字の設定が必要になります。外字の設定については,「9.2.7 UNIX版XMAP3での外字の設定」を参照してください。