9.1.4 印刷モードの種類
Windows上でプリンタを設定する前に,あらかじめ,印刷モードを何にするかを決める必要があります。印刷モードには,GDIモードとPDLスルーモードがあります。ユーザが採用する印刷モードに合わせて,Windowsでのプリンタ設定とXMAP3のセットアップをします。表示・印刷セットアップでは,[プリンタ]タブの設定項目「印刷モード」で選択します。
印刷モードについて説明します。ユーザの環境や運用形態に適した印刷モードを決めてください。
Windowsマシンに接続され,ドライバが提供されているWindows対応プリンタの場合,GDIというインタフェースでプリンタの機種を選ばなくても印刷ができます。
GDIモードでは,定義した帳票に合わせ,ページプリンタ用とシリアルインパクトプリンタ用のモードがあります。
PDLスルーは,ハードウェア(プリンタ)が持つプリンタ固有の印刷データ形式であるページ記述言語(PDL)をXMAP3が直接生成して帳票を印刷する方法です。GDIインタフェースから,各プリンタのPDL変換がWindows上で発生しないため,GDIインタフェースに比べ高速で正確な印刷ができます。ただし,PDLスルーを適用できるプリンタは,次に示すとおり限定されます。
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エプソン社のESC/P J84コマンドに準拠したシリアルインパクトプリンタになります。
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日立製インサータプリンタ※になります。
単票用紙の吸入量は0mmのものと19mmのものがあります。
0mm吸入の場合,プリンタの仕様上,用紙の上端から6.35mm(3/12インチ)以上の余白を取るように帳票を設計してください。
帳票定義時はシリアルインパクト用プリンタとして帳票設計をしてください。
- 注※
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インサータの種類によっては,単票・連続紙の自動切り替えができないものもあります。あらかじめ,プリンタの仕様を確認しておいてください。
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日立製以外の各社独自のESC/Pコマンドに準拠したシリアルインパクトプリンタ※になります。
単票・連続紙の切り替え,および用紙の吸入/排出制御をXMAP3から制御するため,プリンタドライバを使用しないで直接ESC/Pコマンドや,各メーカーの拡張命令で印刷データを作成します。
帳票定義時は,シリアルインパクト用プリンタとして帳票設計してください。
- 注※
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インサータの種類によっては,単票・連続紙の自動切り替えができないものや,排出方向が指定できないものがあります。あらかじめ,プリンタの仕様を確認しておいてください。
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キヤノン社のLIPS IIIに準拠したページプリンタになります。
LIPS III後継の言語仕様に準拠したプリンタでも,LIPS III機能を備えていれば,PDLスルーでの印刷ができます。
- 注意
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LIPS II+の機能範囲内で,一部のキャノン社のプリンタで600dpiモデルを使用する場合,プリントマネージャによるプリンタの設定でファインモードを選択しないでください。LIPS II+モードでの適応線密度は300dpiだけです。
また,LIPS II+を含有しているLIPS IIIプリンタでLIPS IIIモードを使用すると,印字性能がLIPS II+モードで印刷するよりも低下する場合があります。
プリンタの種類に応じて印刷モードを選択するポイントについては,マニュアル「XMAP3 開発ガイド」を参照してください。
また,FAXコネクション※と連携したFAX出力専用の印刷モードが用意されています。次に示す,二つの印刷モードのうちどちらかを使うことで,FAXC/SPOOLへバッチ形態でFAX出力データの登録ができるようになります。
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日立FAXC/SPOOL出力:ページプリンタ
出力先をページプリンタと仮定し,GDIモードで帳票をFAXスプールに出力できます。
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日立FAXC/SPOOL出力:シリアルインパクトプリンタ
出力先をシリアルインパクトプリンタと仮定し,GDIモードで帳票をFAXスプールに出力できます。
この二つの印刷モードは,XMAP3がスタンドアロン構成の場合に使用できます。詳細については,「9.4.3 FAXコネクションと連携したFAX出力」を参照してください。
- 注※
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FAXコネクションは,FAXC/SPOOLやFAXCなどの複数のソフトウェアから構成されています。XMAP3からのFAX出力では,FAXC/SPOOLを使用します。
また,次に示す印刷モードを使うことで,帳票をPDFファイル形式で出力できます。
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PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
網掛け帳票,グラフィック帳票,または書式オーバレイをPDFファイル形式で出力できます。