6.3.6 論理ハードコピー機能
スタンドアロン構成,C/S構成,およびOLTP構成では,論理ハードコピー機能を使用できます。論理ハードコピー機能を使用すると,CUI画面およびGUI画面のフィールドボックス中に配置した,文字,けい線などの画面オブジェクトを印刷できます。
論理ハードコピー機能の概要を次の図に示します。
論理ハードコピー機能の対象画面とオブジェクトを次の表に示します。なお,GUI画面では,フィールドボックスが一つ配置してあるフィールドボックス中のオブジェクトだけが対象です。フィールドボックスがない,または二つ以上配置されているGUI画面では利用できません。
対象画面 |
対象オブジェクト |
備考 |
---|---|---|
CUI画面 |
固定フィールド |
− |
出力フィールド |
− |
|
予約フィールド |
− |
|
入出力フィールド |
− |
|
けい線/矩形 |
− |
|
GUI画面 |
固定フィールド |
− |
出力フィールド |
− |
|
出力日付フィールド |
− |
|
出力時刻フィールド |
− |
|
予約フィールド |
− |
|
入出力フィールド |
使用目的にパスワードを設定していても,「*」ではなく,入力した文字が印刷されます。 |
|
入出力日付フィールド/ 入出力時刻フィールド |
入力途中のデータは,論理ハードコピーを実行したときに表示書式の形式に編集されて,印刷されます。また,入力途中のデータの形式が不正のときは,オペレータインジケータにエラーメッセージが表示され,論理ハードコピーの印刷は実行されません。 |
|
固定ポップアップフィールド/ 可変ポップアップフィールド |
− |
|
けい線/矩形 |
次の設定で印刷されます。
線の位置が中央に設定された線は印刷されません。 |
|
トグルフィールド |
|
- 〈この項の構成〉
(1) 論理ハードコピー機能を使用する前の準備
論理ハードコピー機能を使用するには,環境設定ファイルにパラメタを指定する必要があります。論理ハードコピー機能を使用する前の準備を次に説明します。
-
スタンドアロン構成およびC/S構成の場合,AP環境ファイル(X3MWDRV)で,論理ハードコピーを有効に設定します。
AP環境ファイル(X3MWDRV)の設定については,「(3) AP環境ファイル(X3MWDRV)の設定」を参照してください。
-
出力先がプリンタの場合,実行環境のOS上に印刷先のプリンタを定義します。
-
スタンドアロン構成の場合,プリンタ構成ファイル(X3PPINF)に印刷サービスを定義します。
C/S構成の場合,クライアント側のプリンタ構成ファイル(X3PPINF)に印刷サービスを定義します。
スタンドアロン構成の場合,#PRTに定義された印刷サービスの設定が有効になります。#PRT以外の印刷サービスは利用できません。#PRTに印刷サービスが定義されていない場合は,すべてデフォルト(印刷モードは「GDI:ページプリンタ」,出力先プリンタは「通常使うプリンタ」)になります。
-
表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)に,出力先プリンタ,用紙サイズなどの印刷設定をします。
表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)の設定については,「(4) 表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)の設定」を参照してください。
(2) 論理ハードコピーを印刷する手順
論理ハードコピーを印刷する手順を次に示します。
-
対象とするXMAP3画面がアクティブになっている状態で,[Ctrl]+[P]キーを押します。
論理ハードコピーの印刷が実行されます。
(3) AP環境ファイル(X3MWDRV)の設定
論理ハードコピー機能を使用する前に,AP環境ファイル(X3MWDRV)をテキストエディタで開き,論理ハードコピー機能を有効にするパラメタ(hardCopy=)を設定してください。AP環境ファイル(X3MWDRV)の詳細については,「7.2.2 AP環境ファイル(X3MWDRV/XMAPdrv)」を参照してください。
AP環境ファイル(X3MWDRV)の記述形式を次に示します。
hardCopy={true|false}
設定項目の内容について次の表に示します。
パラメタ |
設定値※ |
意味 |
---|---|---|
hardCopy |
true |
論理ハードコピー機能が有効になります。 |
false |
論理ハードコピー機能が無効になります。 |
- 設定時の注意
-
-
AP環境ファイル(X3MWDRV)の設定項目は,項目ごとに行末で改行してください。
-
パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
-
設定を省略した場合,「false」が設定されます。
-
(4) 表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)の設定
論理ハードコピー機能を使用する前に,表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)をテキストエディタで開き,設定項目を編集してください。表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)の詳細については,「7.2.3 表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)」を参照してください。
表示・印刷環境ファイル(X3PCONF/XPWconfig)で,論理ハードコピー機能に関連する設定項目の一覧を次の表に示します。詳細については,「8.12 論理ハードコピーに関する設定」を参照してください。
設定項目 |
ファイルでの記述形式 |
関連ファイル |
---|---|---|
論理ハードコピー出力先の印刷サービス名 |
表示サービス名.DCPSNM= |
表示・印刷環境ファイル |
論理ハードコピーページ長 |
印刷サービス名.PLPAGE= |
|
論理ハードコピー用紙種別 |
印刷サービス名.PLPAKD= |
|
論理ハードコピー用紙サイズ |
印刷サービス名.PLPASZ= |
|
論理ハードコピー行ピッチ |
印刷サービス名.PLLNPC= |
|
論理ハードコピー文字ピッチ |
印刷サービス名.PLCHPC= |
|
論理ハードコピー用紙排出有無 |
印刷サービス名.PLPAOT= |
|
論理ハードコピー用紙排出先 |
印刷サービス名.PLOTDR= |
|
論理ハードコピー上マージン |
印刷サービス名.PLMGTP= |
|
論理ハードコピー左マージン |
印刷サービス名.PLMGLF= |
(5) 設定項目が有効となる印刷モード
論理ハードコピー機能の設定項目が有効となる印刷モードを次の表に示します。
パラメタ |
GDI※1 |
LIPS※2 |
ESC/P※3 |
PDF※4 |
---|---|---|---|---|
論理ハードコピー出力先の印刷サービス名 (表示サービス名.DCPSNM=) |
○ |
○ |
○ |
○ |
論理ハードコピーページ長 (印刷サービス名.PLPAGE=) |
× |
× |
○ |
× |
印刷サービス名.PLPAKD (論理ハードコピー用紙種別) |
× |
× |
○ |
× |
印刷サービス名.PLPASZ (論理ハードコピー用紙サイズ) |
○ |
○ |
× |
○ |
印刷サービス名.PLLNPC (論理ハードコピー行ピッチ) |
○ |
○ |
○ |
○ |
印刷サービス名.PLCHPC (論理ハードコピー文字ピッチ) |
○ |
○ |
○ |
○ |
印刷サービス名.PLPAOT (論理ハードコピー用紙排出有無) |
× |
× |
○ |
× |
印刷サービス名.PLOTDR (論理ハードコピー用紙排出先) |
× |
× |
△※5 |
× |
印刷サービス名.PLMGTP (論理ハードコピー上マージン) |
○ |
○ |
○ |
○ |
印刷サービス名.PLMGLF (論理ハードコピー左マージン) |
○ |
○ |
○ |
○ |
(6) 論理ハードコピー機能を使用するときの注意
論理ハードコピー機能を使用するときの注意を次に示します。
-
C/S構成およびOLTP構成の場合,論理ハードコピー出力先の印刷サービス名(表示サービス名.DCPSNM=)に定義された印刷サービス名が有効になります。指定を省略すると,論理ハードコピー機能は利用できません。必ず指定してください。
-
スタンドアロン構成の場合,論理ハードコピー出力先の印刷サービス名(表示サービス名.DCPSNM=)の設定は無効となります。
-
次の場合は,プリンタ情報が取得できないため,論理ハードコピー機能は利用できません。
-
論理ハードコピー出力先の印刷サービスで使用するプリンタデバイスが,論理ハードコピーを印刷する端末のプリンタ構成ファイル(X3PPINF)に定義されていない場合
-
-
論理ハードコピーを印刷する端末で印刷サービスが動作するように,事前に設定しておいてください。
-
印刷ドキュメント名は,プリンタへの出力の場合は「XMAP3」固定,PDFへの出力の場合は「画面のタイトル.pdf」固定です。
-
スタンドアロン構成の場合,#PRTに定義された印刷サービスの設定が有効になります。#PRT以外の印刷サービスは利用できません。
-
論理ハードコピーを実行する表示サービスとその出力先である印刷サービスを,必ず同じサービス名ファイルに定義してください。
-
けい線および矩形オブジェクトで,線の位置が中央に設定された線は印刷されません。線を印刷したい場合は,線の位置を中央以外に設定してください。
-
XMAP3 Server Runtime 05-06以降,またはXMAP3 Client Runtime 05-06以降の論理ハードコピー機能では,印刷時の上マージンと左マージンを設定できます。上マージンと左マージンのデフォルト値は0mmです。以前のバージョンと同じマージンで印刷したい場合は,表示・印刷環境ファイル(X3PCONF)に,次の値を指定してください。なお,マージンを設定する場合は,用紙種別(印刷サービス名.PLPAKD)に連続紙(「CONT」)は指定しないでください。
-
印刷サービス名.PLMGTP=30
-
印刷サービス名.PLMGLF=20
-